新しいジャンルを創り出す [マークX ジオ 杵築邦昌チーフエンジニア](3/3)

ぶれないこと、徹底してこだわり抜くこと

マークX ジオについて語る杵築 邦昌氏

議論を進めるなかで[マークX ジオ]の目指す姿がハッキリとしてきました。普段は、上質でスポーティなセダンでありながら、ワゴンのように荷物も積めて、ミニバンのユーティリティも備える。つまり、セダンでもワゴンでもミニバンでもないが、それぞれの特長を併せ持っている。そんな新しいジャンルのクルマです。

それを実現するためにカギとなったのは、リアシートを2人掛けとし、広くゆったりとした「独立4座」とすることでした。ただし、単に大きいだけなら、ミニバンのキャプテンシートと同じになってしまいます。新しいジャンルのクルマを創り上げるためには、シートひとつとっても、配置やデザイン、質感など、小さなところにまでこだわることが必要でした。

[マークX ジオ]は、セダン・ワゴン・ミニバンの、いずれとも近い存在でありながら、いずれとも異なる、という位置づけだけに、ちょっと油断すると、既存のジャンルのクルマに落ち着いてしまいそうになります。自分たちの創りたいクルマの理想からぶれないこと、徹底してこだわり抜くことが、もっとも大切だったのです。

新しい価値を伝えていきたい

開発中の世間の噂では、[マークX ジオ]をワゴンだと見た人は、「マークX派生のワゴンで、マークⅡブリットの後継車だろう」、ミニバンだと見た人は、「イプサムの後継的な役割を果たすクルマじゃないか」などと、既存のジャンルのクルマに当てはめて、類推していたようです。

しかし、お話ししてきたように[マークX ジオ]は、既存のジャンルのクルマとは似て非なるもの。9月26日の発表以降、私はさまざまな場で、このクルマの新しい価値を説明していくことになりますが、きっと十分理解していただけると信じています。

ぜひ、私たちが、ぶれないでこだわり抜いて生み出したクルマ、新しいジャンルを切りひらくクルマを、多くの人に見て乗っていただきたきたいと考えています。

( 文:三枝義浩 )

MORIZO on the Road