トヨタ 86(ハチロク) 商品概要(エクステリア) 2012年2月

エクステリアデザインのコンセプト

「NEO FUNCTIONALISM」を86の内外装・カラーデザインに一貫するコンセプトとしました。「水平対向+次世代D-4S」エンジンとFRレイアウトの特長を活かし、操る楽しさやスポーツカーとしての美しさまでも機能として捉え、長く愛される「普遍的な機能美」の創造を目指しました。エクステリアにおいては「低く・楽しく・美しく」をキーワードに、超低重心FRパッケージと空力性能の追求から、先進性能に裏付けられた機能美を人の手による徹底的なつくり込みを通して、スポーツカーの官能美にまで高め、さらに時を経ても愛される普遍的な美しさを具現化しています。

具体的には、2+2のスポーツカーとしては比類なくコンパクトなパッケージを極限まで低重心化することにより、なによりも走る楽しさを物語る独自のスタイルを実現しています。低い全高をベースに、低いフードと高いリヤデッキによる独自のプロポーション、FRを象徴するリヤタイヤに躍動感を感じるシルエットを追求しました。また、ベルトラインを内側配置し、スポーツカーのタイトで機能的なコクピットを感じさせるとともに、キャビンに対して力強く張り出したタイヤでスポーツカーの構えを実現しています。

少人数で決定したデザイン

デザイン開発は、通常と異なるプロセスで取り組みました。通常の開発行程では、デザイン提案に対し、役員や営業、工場など各部門の承認を得るための社内評価制度があります。しかし、徹底したこだわりの思想を貫く嗜好性の高いスポーツカーを追求するときには、多くの人の意見や好みを取り入れることは制約となると考え、86ではこの制度を適用しない開発を実施。トヨタ社内で選抜した200名余りのスポーツカーユーザーの評価を、お客様に近いコメントとして取り入れながら、デザインを仕上げていく作業を進めました。

フロントビュー

フロントビューは、ひと目見てトヨタスポーツカーと分かる独自性のあるフロントフェイスを与えました。「キーンルック」と呼ぶ、その新しいデザインは、トヨタマークに向かうフード全体の勢いと力強いアンダーグリルを組み合わせて構成。見る者に知的で明晰な印象を与え、フロントフェイスにトヨタのオリジナリティを強調します。

また、「水平対向+次世代D-4S」エンジンの特徴を活かした低いフードにより、低重心を強調。フェンダーに強い抑揚をもたせ、官能的でエモーショナルな造形を実現するとともに、低く構えた大型グリル開口部で高い冷却性能と高性能イメージの表現を両立させました。

ヘッドランプは、最小限のサイズで高効率を目指した機能的な形状を採用するとともに、前方を見据えた鋭い目つきを表現し、「キーンルック」を強調しています。

※知的で明晰な印象を与え、フロントフェイスに独自性をもたらすトヨタの新しいデザイン表現。

サイドビュー

サイドビューは、「水平対向+次世代D-4S」エンジンFRレイアウトを活かして、低重心と空力性能に配慮しながら造形しました。また、フロントピラーを後方に配置し、細くすることにより高い前方視認性を実現しています。

低い位置に水平な軸を通すことにより低重心フォルムを強調。また、力強く隆起するホイールフレアには艶やかで官能的な面質を付与するとともに、後輪にかかる力感を感じさせるFRにふさわしいシルエットを追求しました。

トヨタのFRスポーツカーの歴史を継承するクルマとして、トヨタ2000GTのモチーフを近代的にアレンジしたサイドウインドゥグラフィックスやホイールフレアなど、新たな造形の中に伝統の息づく普遍性が感じられるスタイルを実現しました。

リヤビュー

リヤビューは、スポーツカーが走り去る姿の美しさを念頭においてデザインしました。コンパクトなキャビンにワイドで安定感のある構え、そして軽快感を追求しています。

トランクリッドの台形モチーフによる立体造形により、タイヤが路面を踏ん張る力強いスタンスを強調。また、絞り込まれたキャビンと張り出したホイールフレアの対比によりワイドな安定感を表現しました。さらに、ディフューザーを高い位置に配することにより、軽快な見映えと空力性能の両立に寄与しています。

リヤコンビネーションランプは、フロント同様、最小限のスペースに機能別の配置とデザインを工夫し、リヤビューの独自性を演出しています。

ホイールデザイン

アルミホイールは、「トヨタ最軽量」・「高剛性」の両立を実現しました。細軸スポークをナット部の囲い込みを最小限とした「独自のハブ形状」をもつ機能美を特徴としています。

16インチアルミホイール(鋳造7.2kg)は、86の「走る歓び」のためのシンプルなデザインを追求。高性能スポーツイメージと美しさをあわせ持つ、メカニカルな10本スポークホイールとしました。

17インチアルミホイール(鋳造9.1kg)は、機能性追求と同時に、伸びやかなツインスポークを採用したスタイリッシュなホイールです。軽快な美しさを強調するため、性能向上に貢献する細軸スポークはダーク色としました。

ボディカラー

ボディカラーは、スポーツカーの機能性と美しさを際立たせる、ベーシックカラー(ホワイト、シルバー、ブラック、グレー)と、スポーツカーになくてはならないレッドをはじめとするキャラクターカラーの3色、合計7色を設定しました。

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