日本最速の営業車が誕生!?スピード×サウンド・トロフィー【イベントレポ】

いよいよ2016年も終わろうとしている12月最初の日曜日に、茨城県・筑波サーキットで「スピード×サウンド・トロフィー」が開催されました。このイベントは、「OPTION」や「REV SPEED」をはじめとした自動車各誌が企画したさまざまなイベントが凝縮された、速さと音のカーニバルです。

筑波SUPER LAPでイベントスタート!

朝日が眩しい午前8時から、筑波サーキットでお馴染みのタイムアタックトライアル「筑波SUPER LAP」が始まり、鋭いエキゾーストノートが響き渡っていました。51秒127のコースレコード更新に期待がかかるSUPER LAPの注目株、世界トップクラスの日産・シルビア(S15型)を操るアンダー鈴木選手は、残念ながら電気系のトラブルで早々に走行終了となってしまいましたが、1回目の走行で52秒353をマークし優勝。王者の風格を見せてくれました。それに続いたのはATTKD’s SUPER GT-Rに乗る木下みつひろ選手で54秒145。3位はADMIX GT-RのSeyamax選手で、54秒851を記録しました。

レコード更新が期待されたアンダー鈴木選手のS15シルビアは朝の走行後マシントラブルで更新ならず
最終コーナーを攻める木下みつひろ選手のATTKD’s SUPER GT-R。タイムアタックイベントでは常連の1台
ヘアピンを大胆にカットするロータス・エキシージS。軽量・コンパクトな車体を生かして58秒488を記録

旧車最速ラップでは箱スカやFCがタイムアタック!

本コースで行われた「旧車最速ラップ」では、日産“箱スカ”スカイラインから、今ではめっきり見かける数が少なくなったマツダ・RX-7(FC3S)がお構いなしにフルスロットルでタイムアタック! 参加車の1台である日産“ケンメリ”スカイラインGT-Rは、わずか197台しか生産されなかった「正真正銘」のGT-Rという貴重な1台。オーナーさんは、エンジンを2.6L化しつつも愛情を注いでアクセル全開で走っていました。1980年ごろのトヨタ・カローラ(TE70型)が、ヘアピンでイン側のタイヤを浮き上がらせながら走る姿も!

正真正銘のケンメリGT-R。生産台数は197台と言われ、3000万円を超える値がつくこともある貴重なクルマ
4代目カローラ(TE70型)。見た目は当時のファミリーセダンそのものだが、1分7秒で周回する実力を発揮

サクシード/プロボックスだけのワンメイクレースも開催!

お昼が近づいてくると、「JPSCオールスター戦」の予選が開始されました。このJPSCは「全日本Probox/Suceed選手権」の略で、普段街中を走っているトヨタのビジネスカー「プロボックス/サクシード」で行われるワンメイクレースです。

予選では、ボルトオンターボを装着した小船選手のプロボックスが1分8秒というスポーツカー顔負けのラップタイムでポールポジションを獲得。決勝は、スタート時順位を予選順位の逆にするリバースグリッドで行われたため、最後尾からのスタートだったにもかかわらず1周半でトップに躍り出て圧勝しました。

中央の黒いクルマが小船選手のプロボックス。小船選手はこのクルマを普段のアシに使っているとのこと
普段よく見かける営業車がこんなに激しいレースをするという一風変わった雰囲気に歓声が上がった
レースクイーンでもあり、86/BRZレースでも活躍する伊藤りな選手がドライビングするプロボックス

小林可夢偉選手がスーパーフォーミュラマシンでタイムアタック!

日も傾き始めた夕方には、TOYOTA GAZOO RacingのエースドライバーとしてWEC(世界耐久選手権)に参戦した小林可夢偉選手が、スーパーフォーミュラマシン「SF14」でコースレコードを樹立するタイムアタックイベントが開催されました。本番前に慣熟走行の時間が設けられていましたが、最初からアクセル全開でギリギリのアタックを敢行。本番走行では43秒304という驚異的なラップを記録しました。

SUPER LAPのアンダー鈴木選手の優勝タイムが52秒353だから、43秒304がいかに速いかがわかる

この他にも、スーパーフォーミュラカーの解体ショーや小林可夢偉選手のトークショー、さまざまなクルマのデモカー走行が行われ、筑波サーキットを訪れたたくさんのファンが和気あいあいと楽しんでいました。その一部を写真でご覧ください。

スーパーフォーミュラ解体ショーでは、あっという間にマシンがバラバラにされていく
来年からスタートするワンメイクレース「MINI Challenge JAPAN」の第1号車。デモ走行も行われた
BANDOH ADVAM 86。カーボンボディと450馬力近く発揮するターボエンジンで迫力いっぱい
30台限定即完売の日産・マーチ ボレロA30の全開デモ走行も行われ1分14秒台で周回していた
地元のフェラーリ専門ショップRSD(レーシングサービス・ディノ)のデモカー走行
パイプフレームにヤマハ製1.3Lオートバイ用エンジンを搭載したアメリカ発のレーシングカー「レジェンドレースカー」

1日を通じて印象的だったのは、プロボックス/サクシードで行われた「JPSCオールスター戦」。たとえビジネスカーであっても、本格的なレースになるんですね。もっともっとメジャーなレースになっていったらおもしろそうです。五感で楽しめる「スピード×サウンド・トロフィー」、次回の開催も楽しみにしておきましょう!

(クリハラジュン+ノオト)

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road