クルマ雑誌の編集部に潜入!「Motor Fan」

1925年、自動車産業を盛り上げるために立ち上がった日本最古の自動車雑誌が「モーターファン」です。当時の自動車メーカーは、まだろくにロードテストも行っていなかった時代。誌面上で発表されるテスト結果の数々に、唸らされたクルマ好きも多かったことでしょう。今回は、こだわりの内容が業界人からも支持される「Motor Fan」編集部に潜入します!

日本の自動車産業の新たな方向性を見出すキッカケの1つをつくるために

「モーターファン」は1925年創刊ののち、1996年に一度休刊を迎えています。もともと自動車産業を盛り上げたいという理由から発行されていた雑誌だったため、1980年代に自動車ブームのピークを迎え、落ち着いた流れを見て、一旦役目を終えたそうです。しかし、自動運転やコネクテッドカーといった新しい技術が急速に発展し、「自動車のさらなる発展や新たな方向性を見出すキッカケを作りたい」という思いから、2016年に「Motor Fan」として復刻。現在は2ヶ月に1回、発行しています。

今回お話をうかがったのは、「モーターファンイラストレーテッド」編集部の野崎さん。自動車産業のエンジニアに読者が多いという「Motor Fan」について、他誌との違いなども含め、じっくり教えていただきました。

今回お話をうかがった編集部の野崎さん。誌面作りについて語ると、思わず熱くなる

「企業のプレス発表会に行くと、広報の方ではなくエンジニアの方が対応してくださることが多いんです」

マニアックな誌面作りを象徴するエピソードをこんな風に語る野崎さんですが、実は「Motor Fan」編集部に専属の編集者は一人もいないとのこと。隔月発行のため、「Motor Fan」の編集者は全員、自動車雑誌各媒体の編集者やバイク雑誌やモータースポーツ雑誌編集者が兼任で行っているのです。

そんなメンバーが作り上げる誌面はここでしかできない企画をという熱量がこもっていて、こだわり全開! 読者もコアな情報を求めているため、普通のクルマ雑誌では行えないようなマニアックな企画や、深く掘り下げた企画が展開されています。

取材に行くとエンジニアの人と話し込むこともあるというマニアックな誌面で業界人にもファンが多い

復刊後の目玉企画は、創刊以来20年ぶりに行われた「ロードテスト」の復活です。ロードテストとは、走行条件を変えながらクルマの運動性能などを測定するものですが、「Motor Fan」では運動性能に留まらず、日常走行で重要な基本性能や、最新機能の比較、使い勝手、燃費などを徹底的に調査します。

20年ぶりに復活したロードテスト。内容は性能だけでなく日常での使い勝手など多岐にわたる

野崎さんは、ロードテストの参加は初めてだったそうで、「数値や情報として出されている性能を比較すると、体感としてかなり違うものもあり、おもしろいですね」と教えてくれました。日々、進化を遂げるクルマの性能や使い勝手をじっくりと知りたい人にとって、とても読み応えのある内容に仕上がっています。

忙しくとも明るくフランクな編集部

同じく「Motor Fan」副編集長の小泉さん。編集部は明るく、忙しく、とっても素敵な雰囲気!

「Motor Fan」のコンセプトは「自分で購入できる範囲で、自分や家族のために正しい知識を得る」という、安全で楽しいカーライフを楽しむための基本を徹底的に追求したもの。そんな編集部の仲間は、皆さんとってもフランクで、そしてやっぱり忙しそう(笑)。ですが、部数を意識しながらも、自動車産業に少しでも良い導きを雑誌からアプローチしていきたい。そんな男気溢れる心が、復活した雑誌には随所に込められているように感じました。

MortorFan(モーターファン)
出版社:三栄書房
発売日:隔月
価格:¥800円+税
ウェブサイト:http://motorfan-i.com/MF/

モーターファンフェスタ2017 in富士スピードウェイ
日時:2017年4月30日(日)
場所:富士スピードウェイ
ウェブサイト:http://motorfanfesta.com/

(おおしまりえ+ノオト)

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road