チューニングカーからF1マシンまで70台が大集結! モーターファンフェスタ2018 in 富士スピードウェイ

公式発表前の最新モデルから懐かしのF1カー、そしてターボチャージャーが4つも付いたチューニングカーまで、70 台ものクルマが富士スピードウェイに大集結! その走る姿まで存分に披露された一大イベント「モーターファンフェスタ2018 in 富士スピードウェイ(以下、モーターファンフェスタ 2018)」が、4月22日(日)に行われました。

モーターファンフェスタとは?

「モーターファンフェスタ」は三栄書房、サンズ、サンプロスからなる「モーターファンフェスタ運営委員会」が主催するイベントで、2016年に『モーターファン』の創刊90周年を始め、三栄書房各誌が同時にアニバーサリーイヤーを迎えた合同キャンペーンとして初開催。今年で3回目となる年1回の大イベントです。今回も、自動車メーカーやパーツメーカーと、25のメディアの協力のもと、新型車やチューニングカーなど70台が集結。フェラーリF1の展示やD1GPマシンの走行イベントなどが行われました。

展示だけじゃない! いろいろな“体感”ができるピット・パドックエリア

ピット・パドックエリアには、自動車メーカーやチューニングパーツメーカーのブースがずらり。レーシングカーや最新モデルが展示され、運転席に座って記念撮影ができるところもあれば、自慢のエンジンサウンドを披露し賑わいをみせるブースもあり、さまざまな“体験”ができるようになっていました。

「モノづくり体験~プレス体験(バッジづくり)~」の工程(左上から時計回り)。筆者は自分の誕生日である「6/15」を刻印した

その中で筆者が体験したのは、マツダブースで行われた予約制の「モノづくり体験~プレス体験(バッジづくり)~」というコンテンツ。現行ロードスターのターンランプの形をかたどったアルミバッジに、プレス機を使って刻印するというものです。

プレス機の圧力はおよそ8トン! プレス機と連結しているジャッキで徐々に圧力を掛けていきます。圧力計の針が動き始めるとジャッキの重さが急激に重くなり、針がゾウのマークのところまで上がれば完成です。この体験コンテンツは人気で、午前中ですべての予約枠が埋まったとのこと。ブース担当者によると、子供連れの参加者が多かったそうです。

「ルノー・ジャポン」ブースでは、5月に正式発表を控えた限定車「ルーテシア ルノースポール18(R.S.18)」を先行公開。ルノーオーナーやファンにとってサプライズとなりました。ブースを訪れていたルノー・メガーヌRSのオーナーは、家庭の事情で5ドアモデルに乗り換えを検討しており、「メガーヌRSに見劣りしないこのクルマを考えている」とのこと。

次はちょっと珍しい1台を紹介します。みなさんは、モーターショーのコンセプトカーみたいなこの近未来的なクーペをご存知でしょうか?

このクルマは、日産自動車の特装車を手がける「オーテックジャパン」が1989年に限定販売した「オーテック・ザガート・ステルビオ」です。この個体は、同社の社内サークル「ワクワクモータース・チガサキ」によってレストアされ、復活されたもの。国内では100台のみが販売されたマニアックな1台ですが、奇抜な外観で来場者の視線を集めていました。

「ホンダアクセス」のブースの外では、SUPER GTマシン風のカラーリングとModuloホイールをまとった新型NSXが。「日本レースクイーン大賞2017」受賞し、GT300クラス「Modulo Drago CORSE」チームのレースクイーンを務める安藤麻貴さんが横に立つと一気に人だかりができ、ファン一人ひとりに笑顔で応えていました。

あのSUPER GTドライバーがF1マシンを初ドライブ

本コースでは、さまざまなカテゴリーのクルマによるデモ走行やパレードラン、スポーツ走行が行われ、汗ばむ陽気の中で多くの人が観戦しました。併催された「ルノー・スポール・ジャンボリー2018 in MFF」では、日本では販売されていないワンメイクレーシングカー「メガーヌTROPHY V6」が参加。1周およそ1分20秒というタイムを記録し、来場者・メディア関係者をびっくりさせました。

ファン同乗でのスリル満点の追走ドリフトを披露する「D1GPエキシビション」
メインストレートを快音で駆け抜けていく「Power Craft & DANKパレードラン」の参加車両。どのスーパーカーも250km/h近いスピードと耳をつんざくエキゾーストサウンドで疾走!
ワンメイクレースマシン「メガーヌTROPHY V6」や「ルノー5(サンク)ターボ」が参加した「ルノー・スポール・ジャンボリー2018 in MFF」

そして、この走行イベントのトリを飾ったのが「BHJデモラン」。高級スポーツカーディーラーの「ビンゴスポーツ」が保管・販売する、世界的に貴重なコレクタブルカーが走行するコンテンツです。この間だけ、サーキットは静まり返ったように感じ、素晴らしいクルマたちの音だけが耳に入ってきました。コレクタブルカーだからといってゆっくりと走るのではなく、ホームストレートではアクセル全開に! このときばかりは、取材を忘れて純粋にカメラシャッターを切ってしまいました。

(左上)伊パガーニ社が生み出した究極のサーキット専用車「パガーニ・ゾンダ・レボリューション」
(右上後)「ザ・スーパーカー」フェラーリF40のル・マン24時間レース仕様「フェラーリF40LM(最終生産車でナンバー取得可能)
(右上前)F40の実質プロトタイプである「フェラーリ288GTO エボルツィオーネ」
(右下)想定外のモンスターワンメイクレースマシン「BMW M1 プロカー」
(左下)1987年のF1日本GPを優勝した「フェラーリ F187 (ゲルハルト・ベルガー車)」
(中心)「打倒ポルシェ」を目的に製作されたBMWのレーシングカー「BMW 3.0 CSL バットモービルレースカー」

1980年代のF1マシン「フェラーリF187」は、SUPER GTで活躍するレーシングドライバー、谷口信輝選手がハンドルを握りました。谷口選手は長身のため、コクピットに収まるとヘルメットがマシンからややはみ出るというハプニングが。

1.5kmのホームストレートに60台以上が並んだ「スーパーグリッドウォーク」

1.5kmもの長いホームストレートを持つ富士スピードウェイだからこそ可能な「スーパーグリッドウォーク」では、「BHJデモラン」のフェラーリF1を先頭に、60台もの貴重なクルマが並びました。わずか1時間だけの「世界一見応えたっぷりのクルマ博物館」と言えます。筆者もストレートを何度も往復も、クタクタになるまで時間いっぱいまで貴重なクルマを堪能しました。その中にはたとえばこんなクルマが!

1970年代のグルーブ5を席巻した「ポルシェ935 K3 イェーガーマイスター」
「トヨタ・ハイエース」に「日産GT-R」のエンジン(VR38DETT)を搭載してしまった「VITABONハイエース」。Youtubeで公開された実走映像は話題になった
人気ブランド「Supreme」のカラーリングとワイドボディ+ガルウイングドアが特徴の「三好自動車RX-7」
奇想天外さで群を抜いていたのは「2JZ」エンジンに4つのターボチャージャーを搭載し1000馬力を発揮する「キャロラインレーシングCLR-4ターボシルビア」
さらに日本を代表するレースクイーンが華を添えた

1日だけではもったいないイベント

日本を代表する自動車系雑誌の出版社、三栄書房とそのグループ会社が総動員で開催するイベントだけあって、コンテンツの数と登場するクルマの多彩さ、貴重さはほかでは見られないものです。その賑やかさは、毎年1月に幕張メッセで開催されるチューニングカーの祭典「東京オートサロン」の“走行バージョン“とも言えるかもしれません。

クルマの魅力は、走ってこそ伝わるもの。内容の濃さを考えると、1日だけの開催ではもったいないぐらいです。モーターファンフェスタ運営委員会のみなさんに、「来年は2日間の開催でいかがでしょうか?」と提案したくなりました。

(取材・文・写真 クリハラジュン 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

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