いくつ知ってる? AW11にP11……型式名が「11」のクルマを特集!

「AE86」に「S13」「R32」など、クルマ好きの間では、車名ではなく親しみをこめて型式名で呼ばれるクルマがあります。そこで1月1日の今日は、型式名に「11」のつくクルマをピックアップしてみました。クルマ好きの方なら、きっとピンとくるものがあるのでは?

日本初のミッドシップカー:トヨタ MR-2(AW11)

1983年の東京モーターショーに、トヨタが参考出品したコンパクトミッドシップカー「SV-3」。若干の手直しが加えられたのち、SV-3は新たに「MR-2」の名称を与えられ、翌1984年に販売されました。MR-2のネーミングは「MidshipRunabout-2seater(ミッドシップランナバウト-2シーター)」の頭文字から取っています。

MR-2は大胆なデザインと日本で最初にミッドシップカーを生産、販売した功績が評価され、1984年の「日本カーオブザイヤー」を受賞しました。なお、「AW11」は1600ccモデルの型式で、1500ccモデルの型式は「AW10」となります。

欧州車を目指したコンパクトカー:日産 マーチ(K11)

ボトムレンジを狙い、しかしコストだけを求めず、性能やデザインで欧州車に並ぶクルマを目指して開発された2代目「マーチ」。この型式名が「K11」でした。1992年に発売するや、またたく間に話題となり、日本だけでなく世界中でヒットを飛ばします。

同年の「グッドデザイン賞」、「日本カーオブザイヤー」、「RJCカーオブザイヤー」を受賞し、また欧州で開催された「欧州カーオブザイヤー」も受賞するなど、開発の方向性や試みが正しかったことを証明しました。

初代譲りの堅実な走り:日産 プリメーラ(P11)

バブル景気の中にあって、高いクオリティと良好な足回りで高い評価を受けた初代「プリメーラ(P10)」。続く2代目プリメーラ(P11)は初代のコンセプトを踏襲し、全体的に性能の底上げを施したモデルです。

1997年のマイナーチェンジで、可変バルブタイミングとリフト機構を備えるNEO-VVLエンジン「SR20VE」を搭載したグレードが追加されます。2.0リットルの自然吸気で190psを発揮するエンジンは、当時、トップクラスの出力でした。

21世紀に間に合ったハイブリッドカー:トヨタ プリウス(NHW11)

1997年、量販モデルとして世界で最初に発売されたハイブリッドカー、初代「プリウス(NHW10)」。プリウスが世界に与えた衝撃と影響は、今さら語る必要はないでしょう。型式名が「11」となる「NHW11」は、2000年に施されたマイナーチェンジモデルに付けられた型式です。

マイナーチェンジで型式が変更されるケースは少なく、このことからも大きな変更が施されたことが分かります。外観は、前後バンパーのデザインが変更された程度で、大きく変わりませんが、モーターの出力が大幅に上がり、加速性能や走行性能も向上。10・15モード走行時燃費も28km/lから29km/lへと伸びました。

渾身の世界戦略車:スズキ スイフト(ZC11S/ZD11S)

2000年に発売された、SUV風のコンパクトカー初代「スイフト(HT51S)」。しかし、スイフトの名を一躍、広めたのは2004年に発売された2代目(ZC11S/ZD11S)でしょう。スポーティなエクステリアと、それに見合った走行性能を持つ2代目スイフトは、世界戦略車を念頭に新規のプラットフォームを奢られて開発されました。

スイフトは発売直後から高い評価を受け、2005年に「グッドデザイン賞」と「RJCカーオブザイヤー」、「日本カーオブザイヤー特別賞」を受賞しました。型式「ZC11S」はFFモデル、「ZD11S」はフルタイム4WDモデルを指しています。

SUVの持つ都会的なイメージを決定づけた:RAV4(SXA11G/SXA11W)

1994年に登場した、トヨタ「RAV4(ラブフォー)」は、都会的なエクステリアデザインにより高い注目を集めました。販売チャンネルによって「RAV4 J」と「RAV4 L」があり、「J」はジョイフル(Joyful)を表しトヨタオート店で、「L」はリバティ(Liberty)を表しトヨタカローラ店で、それぞれ販売されました。

型式は3ドアモデルが「SXA10G」で、「11」がつくのは後から追加された5ドアモデルの方。「SXA11G」という形式名称でした。ワイドボディを持つグレードの「タイプG」は、型式末尾の「G」が「W」に変更されます。

世界トップレベルの快適さを実現したトヨタのフラッグシップ:セルシオ(UCF11)

1989年、トヨタの新たなフラッグシップとしてした華々しく登場した初代セルシオ(型式UCF10/UCF11)。ポジション的にはセンチュリーとクラウンの間に位置する高級車です。エンジン、シャーシをはじめ、すべてが新規に設計され、その高品質さにより世界でトップクラスの静粛性能と快適な乗り心地を実現しました。

セルシオは「C」、「B」、「A」と3つのグレードがあり、最上位のCグレードには電子制御エアサスペンションが奢られています。Cグレードにのみ「11」がつく型式「UCF11」付けられ、BとAグレードの型式は「UCF10」となります。

ホンダエンジンと共に世界を制したウィリアムズFW11/FW11B

ウィリアムが開発し、1986年の「F1世界選手権」に投入したシャーシ「FW11」。エンジンにはホンダ「RA166E」を搭載します。その年のF1選手権でナイジェル・マンセルが5勝、ネルソン・ピケが4勝をあげ、全16戦中9勝という成績でコンストラクターズタイトルを獲得しました。

FW11Bは翌1987年に投入されたシャーシで、エンジンにはホンダ「RA167E」を搭載します。ナイジェル・マンセルが6勝、ネルソン・ピケが3勝をあげ、前年度と同じく16線中9勝という成績でコンストラクターズタイトルを獲得。コンスタントに上位を獲得したネルソン・ピケがドライバーズタイトルを獲得しました。

まだまだある型式「11」が付くクルマ

ここまでに取り上げたクルマのほかにも「11」が付くクルマはたくさんあります。

●トヨタ
アイシス(ZGM11W)、コンフォート(XS11/TSS11)、プラッツ(SCP11)、プログレ/ブレビス(JCG11)、ポルテ(NNP11)など

●日産
AD
バン(VB11/Y11)、アベニール(PNW11)、ウイングロード(WPY11)、エキスパート(VW11)、キューブ(BZ11)、キューブキュービック(YGNZ11)、ティーダ(C11)、ノート(ZE11)、ブルーバードシルフィ(KG11)、プレーリージョイ(PNM11)、プレセア(HR11)など

●スズキ
Kei
(HN11S)、SX4セダン(YC11S)、X-90(LB11S)、エスクード(TA11W)、カルタス(GA11S)、ワゴンR(MC11S)

●三菱
500
(A11)、ekワゴン/ekカスタム(B11W)、ekスペース(B11A)、RVR(N11W)、シグマ(F11A)、ディアマンテ(F11A)、デボネア(S11)、ミニカ(H11A)

縁起の良い「11」の付くクルマたち。今日、見かけることができたら、ほんのちょっと良いことがあるかも知れませんね。
 

(文:糸井賢一 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

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