東名・新東名ならではの豆知識3点と魅力2点

「東名高速道路(以下 東名)」は、日本で最初に開通した名神高速道路(以下 名神)に次いで開通した、歴史のある路線です。

東名は首都圏〜中京圏を結び、関西圏から名神経由で東名を利用する方も多いため、交通量が多い路線です。そして、交通量増加による交通飽和対策として開通したのが、東名と並走する「新東名高速道路(以下 新東名)」。新東名は開通以降、東名の代替ルートとして、多くの人の交通を支えています。

今回は、東名や新東名を何度も走行経験のある私が、東名や新東名ならではの豆知識と魅力をご紹介します。

片側3車線と左/右ルートの長さは全国最長距離

交通量の多い東名・新東名なので、それに合わせた道路設計となっています。まずは車線数。東名や新東名は、片側3車線の距離がとても長いのです。

東名の場合

東名は起点の「東京IC」〜静岡県の「御殿場IC」まで、途中、若干の車線数の変動がありつつも、基本片側3車線通行です。その片側3車線が続く距離は約88.3㎞とかなり長い距離です。

その後、「清水IC」付近・「日本坂トンネル」付近・「名古屋IC」付近・「小牧JCT」付近などでも、一時的に片側3車線となります。

その他、下り線で、神奈川県と静岡県の県境区間となる「大井松田IC〜足柄SA」に、上り線は、静岡県の日本坂トンネル付近で右ルート・左ルートが運用されており、車線数はこの左右合わせて4車線にまで増えます。

新東名の場合

新東名では、2023年5月時点で静岡県の「御殿場JCT〜浜松いなさJCT」の約145㎞が片側3車線通行です。その後、終点付近の「岡崎SA」〜終点の「豊田東JCT」もわずかながら片側3車線となっています。

ちなみに、新東名の片側3車線区間の距離と、東名の上り線の右ルート・左側ルートの距離は、全国最長の長さを誇ります。東名・新東名は、ただ走行しているだけでも、特別感を味わえる高速道路なんです。

ドライバーに優しい親切な案内板と情報板

東名・新東名は、沢山の方々が利用するのに対応して、ドライバーがより快適にストレスフリーで運転できるための、親切でわかりやすい案内板が多く設置されています。

高速道路でみかける、サービスエリアやパーキングの混雑状況情報板ですが、東名や新東名では他路線よりもその設置間隔が短く、さらに表示数も多いうえに、小型車と大型車で分けて表示されていて、とても分かりやすいです。

主要インターチェンジまでの所要時間案内板も、他路線では主に都市部でしかみられないものが、東名や新東名ではほぼ全線でみることができ、新東名ではまだ距離がある地点からも、上り線なら静岡~東京間の、下り線なら名古屋までの所要時間が表示されています。

特に、新東名は、近代的技術がたくさん盛り込まれた路線のため、設置されている案内板や表示板1つ1つが、他路線よりも親切な印象を受けます。

日本最長の同時開通総距離

新東名の誕生は、東名の交通量の飽和状態を解消するだけでなく、さらなる高速道路ネットワークの拡大にもつながりました。私も、その恩恵を受けた1人で、新東名の開通によって東京から名古屋・大阪方面へ行く機会が、格段に増えました。

そんな新東名は、2012年4月に、初開通区間となる「御殿場JCT〜三ヶ日JCT」が開通。この時の開通総距離は、なんと約162㎞でした。一度に162kmもの高速道路が開通することは、日本の高速道路開通史上では最長の記録です。

さらに新東名は、2016年2月に「浜松いなさJCT〜終点の豊田東JCT」が開通しました。これにより、静岡県と愛知県の区間は全線開通し、残すは神奈川県〜静岡県の区間となりました。

ちなみに、一度開通した総距離の歴代第2位は1969年2月に開通した東名の「静岡IC~岡崎IC」の約132㎞で、東名・新東名が上位ワンツーの記録をもっています。

新東名は建設・維持に最新技術が使用されており、カーブや勾配が少なく、従来の東名よりもトンネルを増やすことで直線部分が多くなり、走行しやすさを実現しています。新東名を走行すると、いままでの高速道路とは違った感覚に感動すら覚えます、ぜひ一度走行してみてはいかがでしょうか。

【参考資料】 

富士山を正面に拝める

東名・新東名は交通量の多さや通っている地域の人口の多さから、都市部を走行するイメージがあるかと思いますが、自然の景観を楽しめる区間も多く存在します。

東名では、静岡県の「富士IC〜清水IC」で駿河湾の景色がみられ、途中の「富士川SA」では富士川河口付近と駿河湾の景色、「由比PA」では、駿河湾を一望する景色が堪能できます。さらに「浜名湖SA」や周辺では、浜名湖の壮大な景色が味わえるため、人気のスポットです。

そして、東名・新東名の最大の魅力が、世界遺産にも登録されている「富士山」を見られるところです。

富士山の北側を通る中央自動車道でも、富士山を見ることはできますが、東名・新東名の方が、富士山により近い地域を通っていることや周辺山々の標高が低いこともあり、迫力ある美しい富士山を堪能することができます。

東名の下り線、「大井松田IC付近〜足柄SA」付近でも富士山をみることができますが、一番のおすすめは東名・新東名の上り線からみる富士山です。

特に東名は、静岡県の「吉田IC」付近より富士山の景色がみえ始め、その後、周辺景色が変わりながら奥にみえる富士山の雄大な景色は、他の景色にも勝るにも劣らない絶景スポットです。

サービスエリアやパーキングエリアから富士山の景色を味わいたい場合は、足柄SA・富士川SA・由比PAがおすすめです。上り線の富士川SAでは、観覧車も設置されているため、より景色を楽しみたい方はぜひ乗ってみてください。

日本一の利用者数を誇るサービスエリアなど休憩施設が充実

  • EXPASA海老名

東名・新東名は交通量が多いことから、休憩ポイントとなるサービスエリアやパーキングエリアの利用者も、他路線と比べて多く、たくさんの方々に満足してもらうための施設が整っています。

サービスエリアは、2023年5月現在で、東名に6つ、新東名に4つ、あります。どちらのサービスエリアもまず、パッと見ただけでも、駐車可能台数の多さや施設の広さが他路線より充実していることがわかります。

  • 東名にあるSA:豊田上郷SA、浜名湖SA、牧之原SA、富士川SA、足柄SA、海老名SA

  • 新東名にあるSA:岡崎SA、浜松SA、静岡SA、駿河湾沼津SA

さらに、フードコートや売店では定番のものから、そのサービスエリアの所在地の名産品を販売しており、そのサービスエリアの特色が表れています。

パーキングエリアも、東名・新東名は充実しているところが多く、なかにはパーキングエリア限定のメニューや商品を販売しているところもあるため、見逃せません。

特に、東名で、起点から最初のサービスエリアとなる神奈川県の「海老名SA」は、全国で一番利用者の多いサービスエリアです。海老名SAの充実度はとにかくすごく、上り線の海老名SAは全国的にも珍しい2階建てのSAとなっています。

ぜひ、東名をご利用の際は海老名SAに立ち寄ってみてください。

東名・新東名を利用して素敵なドライブを

  • 私のお気に入り 新東名岡崎SA 矢場とんのみそかつ

その他、東名・新東名は他路線よりも車線の幅が広く設計されています。新東名では「御殿場JCT〜浜松いなさJCT」で制限速度120㎞/hへの引き上げが実施されるなど、ドライバーが快適に走行しやすい路線でもあります。

現在、東名では各区間で定期的にリニューアル工事が実施され、新東名は全線開通に向けての計画・建設が進められています。今後さらに、東名・新東名が利用しやすくなることでしょう。

みなさんも、ぜひ東名・新東名を全線走行してみて、東名・新東名ならではなお楽しみポイントを見つけていただければと思います。

のっぴードライブログ

(テキスト/写真:のっぴー、編集:GAZOO編集部)

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