フェラーリは本当にモテるのか?:清水草一が教える! モテたいなら、このクルマに乗れ!

「モテたいなら、このクルマに乗れ!」というタイトルで連載5回目を迎えながら、これまで登場したのは「モテないカーマニアのマリオ君(仮名)は何をやってもモテませんでした」という話ばかり。役に立たないこと夥しいとご立腹の読者様もいらっしゃることだろう。
 「いい加減モテるクルマの話を書け! オマエが乗ってるフェラーリはどうなんだ! モテるのか、エッどうなんだっ!?」
うーん。まあ、モテませんね。
フェラーリに乗り始めて22年、女性に「すごいクルマですね」と言われたことはあるが、「このクルマに乗せてくれるなら、もうどうにでもして~」と言われたことは一度もない。モテたいならフェラーリよりクルーザーを勧める。入れ食いだそうである。

一方で私は、「根性さえあれば誰でもフェラーリを買える(日本国内限定)」とも唱えている。なにしろ本邦には、年収280万円でフェラーリを買った男が実在する。年収100万円台はキツいと思うが、200万円台ならイケる。フェラーリはカネじゃない、ローンだ! ローンを組む度胸なのだ!
 実際そうやってフルローンでフェラーリを買う方は、モテないカーマニア率が高い。モテない。女性に相手にされない。うおおおお、じゃフェラーリだ! そういうことか?

が、よーく観察して見ると、そうやって思い切ってフェラーリを買った後、彼女ができて結婚まで漕ぎつけたという例が少なくない。そういう場合、結婚が決まった段階でフェラーリは売っ払って結婚資金となる。フェラーリは値落ちが小さいのでちゃんとお金が戻ってくる。貯金のようなものだ。実におめでたい話である。
なぜこういった現象が起きるのか?
これはあくまで推測だが、やはり庶民がフェラーリを買うというのはかなりの冒険。中古でも1千万円くらいすんだから。
そこへ思い切って跳べた時点で、モテないカーマニアの中で何かが吹っ切れるのではないか? 「やればできるじゃん!」「簡単じゃん!」という風に。初めて自転車に乗れた時のことを思い出してほしい。
 「やればできるじゃん!」、これすなわち勝利体験。これまで女性で連戦連敗を重ねてきたモテないカーマニアにとって、この自信は何物にも代えがたい。なんせフェラーリだ。世界最高峰なのである。それを我が物にしたのだから!

人はよく「オーラ」という言葉を口にする。その正体は自信だ。自信満々の男はオーラがある。逆に連戦連敗のモテないカーマニアにはオーラがない。オーラがないと女性にモテない。だから連戦連敗する。まさに負のスパイラルである。
が、思い切ってフルローンでフェラーリを買えば、自信すなわちオーラが生まれる。それが彼女ゲット→結婚、という大勝利につながっているのではないか?

フェラーリオーナーである私(既婚者)
スバリストのマリオ(彼女いない歴=20年)

つまり、「フェラーリはモテる!」 そういうことになる。マリオが最後までモテなかったのは、フェラーリじゃなくインプレッサを買ったからだ! インプレッサ1.6i(5MT)じゃオーラは生まれまい。
さあモテないカーマニア諸兄よ! フェラーリを買って結婚しよう!

(つづく)

プロフィール

清水草一
モータージャーナリスト。慶応大学卒業後、集英社で「サーキットの狼」の池沢さとし氏の担当編集者となる。フェラーリを崇拝しており、「大乗フェラーリ教開祖」を名乗る。
公式サイト https://www.shimizusouichi.com/

企画・編集=ノオト

[ガズー編集部]

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