トヨタ・2000GT (1967年~) トヨタ名車列伝5話

1963年、第1回日本グランプリレースを契機としたモータースポーツ人気に伴い、当社は本格的なスポーツカーの開発に着手した。翌年9月、ヤマハ発動機(株)との共同開発でトヨタ2000GTプロジェクトは始まった。

開発コンセプトは少量生産の高級GT*カー。「独創的なクルマは、限られたエキスパートが知識と技能を駆使して自由につくるべき」。この会社方針から、リーダー河野二郎を含め、デザイン、エンジン、シャシー、テストドライブを担当する6人のメンバーが、ヤマハに出向き開発は進められた。そして、1965年8月、試作車が完成し、10月の東京モーターショーで一般公開された。

後に河野はこう振り返っている。「短期間で試作車を完成できたのは、ヤマハのメンバーがチャレンジ精神に満ち溢れていたから。私たちも大いに刺激を受け、毎日彼らと話すことで十分な意思疎通ができ、驚異的な仕事の早さにつながった」。

トヨタ2000GTは1967年5月の発売までにクルマの熟成とPRのために、様々な場面でその性能をいかんなく発揮した。そして、1970年、トヨタの企業イメージ向上に大きな貢献を果たしつつも、わずか337台で生産を終了した。

*Grand Touring:長距離運転でも疲れず快適で安全、そして、ある程度、極限まで性能が発揮できるクルマ

MORIZO on the Road