日産・ラシーン (1994年~) 名車?迷車?特集 -ちょっと懐かしい迷車たち13話

生産:1994 ~2000年

第13話 日産・ラシーン (1994年~)

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1993年の東京モーターショーに参考出品されたプロトタイプが好評だったことから量産化が決定、翌94年に市販開始されたコンパクトRV。ラシーンという車名は羅針盤にちなんだもので、デビュー時のキャッチフレーズは「僕たちの、どこでもドア」。テレビCMには、現在トヨタのCMでジャン・レノが演じているドラえもんが出演していた。

メカニカルコンポーネンツの多くは7代目サニーおよび4代目パルサーのフルタイム4WDモデルから流用しており、よってラインナップはすべて4WD。都市から自然の中まで生活空間を広げる「4WDプライベートビークル」と称していたが、性格的には今日のクロスオーバー SUVに近い。平面で構成されたボディーは立体駐車場に入るよう全高を抑えたため、高めのロードクリアランスと相まって上下方向に平べったい個性的なルックスが生まれた。ブルーグレーやダークイエローといった、日本車には珍しいソリッドなボディーカラーも魅力だった。

ラシーンの遊びごころのあるコンセプトは、Be-1、パオ、フィガロという初代マーチをべースとするパイクカー3部作に近い。とはいえそれらのような限定車ではなく、通常のカタログモデルとして6年間にわたって販売された。生産中止となってからも人気は根強く、今も専門店が存在するほどである。

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