トヨタ・スターレット1300S(1978年~) トヨタ 歴代スポーツカー<1970年代>4話

第4話 スターレット1300S

初期の排ガス対策車は、程度の差こそあれメーカーや車種を問わず性能の低下、そして燃費およびドライバビリティの悪化に悩まされたが、それがどうにか落ち着いた78年にデビューしたトヨタのベーシックカーが2代目スターレットである。パブリカから派生した初代はミニ・セリカ的なクーペと4ドアセダンだったが、2代目は基本となるレイアウトこそ初代と同じ後輪駆動のままながら、実用的な3/5ドアハッチバックに変身した。

ファンの間では型式名のKP61で呼ばれる2代目スターレットに設けられたスポーティーグレードが「1300S」。コンパクトで軽量なボディーとOHVシングルキャブながらよく回るエンジン、そしてFRならではの素直な操縦性によって軽快な走りのボーイズレーサーとして人気を博した。
「走り、較べたし」のコピーを掲げた広告展開にはオベ・アンダーソンがフィーチャーされていたが、モータースポーツではとくに入門用レース車として支持を集め、多くのドライバーを育てた。

1978 スターレット1300S

スターレット1300S。スポーティーグレードといえども、エンジンは標準グレードと同じシングルキャブ仕様だったが、足まわりは固められ、タイヤもひとまわり大きく太い13インチを履く。黒塗りのバンパーやサイドストライプ、アルミ風のインパネなど、内外装もスポーティーに装っていた。写真の3ドアのほか、5ドアも用意されていた。

生産:1978~1984年

MORIZO on the Road