【トヨタ自動車ヴェルブリッツ】1/9トップリーグ第9節 NTTコミュニケーションズ戦試合レポート
■1/9トップリーグ第9節 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス戦の試合レポートをお届けします。
【TL第9節 NTTコミュニケーションズ戦試合レポート】
1・9 誰かのために
トップリーグシーズン真っ只中 2012年が明けた。
最初の試合は大阪 花園ラグビー場でのNTTコミュニケーションズ戦、第8節終了時、3勝5敗と負け越していたトヨタ、毎試合がもちろんそうだったが、リーグ戦も終盤に近づき順位に直結する戦いが続く中、是が非でも勝利が求められていたことは言うまでもない。
そして、第6節以降の3戦は負けが続いていた。
こんな経験はここ数年ではしたことがない。
だが、負け越していても、負け続けていても、バックスタンドにはたくさんのサポーターの姿がある。
今この目の前の勝負に挑む覚悟を後押しする。
変わりたい。変わらなければならない。
とにかく勝ちたい。
そんな思いは誰もが同じ。
午後12時、トヨタのキックオフで試合が開始した。
キックでの地域の取り合いの後、トヨタが自陣から攻撃を仕掛けるが、3分、予想以上に前に出るNTTのディフェンスにインターセプトから先制点を許した。
早々のアンラッキーに一喜一憂する間もなく、気持ちを切り替えてスタート。
しかしその後も暫くは、自陣でのディフェンスが続く。
徐々に地域を挽回していくが、攻め込んでも、NTTのディフェンスのプレッシャーの前にパスが繋がらず、戻される。
そして中央エリアでの攻防が続いた。

なんとかボールを動かしながら攻め続けるとNTTのペナルティが増え始め、敵陣深くまで地域を進めラインアウトからの攻撃チャンスを得た。
NTTは何度もペナルティを繰り返し、18分、ゴール前5m左位置からのラインアウト、しっかりキャッチすると勢いよくモールで前進、FLホップグッドが左中間に押さえた。
CTBブレットのコンバージョンも決まり、7-7と振り出しに戻した。
更に自陣から再び攻撃を仕掛けるが、ミスでパスが繋がらず、次第に自陣でのディフェンスの時間が増え始めた。
そして22分、ペナルティからPGを決められ7-10。再びリードを許した。
その後は互いに決定的なチャンスを掴めず、ペナルティやミスで攻守が目まぐるしく入れ替わる展開のまま終盤へと向かい、最後は再び自陣でのディフェンスの時間。
終了間際の36分、PGを決められ7-16。
ビハインドを追っての折り返しとなった。
リードされていることよりも、やろうとすることが、やりきれない、そんな苛立ちと、なんとかしたい思いが交錯する。
ここ数試合、後半の序盤で波に乗れないトヨタ、今節こそ、今こそスタートから自分達のリズムを掴もう、響き合い、気持ちをひとつにしてロッカールームを後にする。
NTTのキックオフで後半が開始。
だがいきないNTTの怒涛の攻撃。
2分、5分とPGを決められ7-16。
トヨタも10分にラインアウトからの攻撃でペナルティを得ると、敵陣22m右中間からCTBブレットがPGを決めて10-16とした。
ここを反撃の糸口としたいトヨタ、敵陣へと攻め込むが、NTTのディフェンスを崩し切れず、時間とともにNTTが自陣へと攻め込んできた。
24分にもペナルティからPGを決められ10-19。
縮まるようで縮まらないスコア。
それでもまだ時間は十分にあった。
焦ることなく、再び攻撃を仕掛けた。
28分、再びペナルティを得るとPGを狙い、CTBブレットが決めて13-19。
いよいよラスト10分、今度こそいっきに逆転したいトヨタ。
テンポよくボールを動かし、攻める。
32分、自陣でのラインアウトのミスから、相手ボールスクラム。
サイド攻撃から中央へ持ち込まれ、ついにトライを許した。
13-26。
両者ともPGでの手堅い小刻みな追加得点が続く中、久し振りのトライに、スタンドも沸いているのを感じた。
残り時間と得点差が伸し掛かる。
それでもひたすら自陣から、ゴールラインを目指す。
そして37分、CTBブレッドのラインブレイクからチャンス到来。

CTB山内、FB久住と繋ぎ、ゴール前5mへと迫ると、ラックからSH麻田が持ち出し、右中間へトライ。
18-26とする。
残り1分を切り、ラストチャンス。
自陣からパスを繋ぎ、フェイズを重ね、少しずつ少しずつ前進する。
そしてホーンが鳴る。
右へ左へとボールを動かす中、ペナルティ。
NTTがボールを蹴りだしノーサイド。
今季6つ目の負けを喫した。
「トヨタの笑顔が見たい」、「勝利を一緒に喜びたい」、そんな期待と声に応えたい。
だから毎試合、「勝利」を求め、「勝利」こだわり、必死に戦う。
でもそれが結果として現れない限り、たくさんの人に悲しみや失望を与えてしまうのが勝負の世界。
いや、「勝利」という結果、それよりもむしろ、人々は戦う姿勢や情熱に心が動き、ラグビーならではの決して真似できない激しさや力強さに興奮を覚える。
諦めない、ひたむきな姿勢、劣勢な時こそ見えるチームの結束力に胸が熱くなる。
私たちが、ここでこうして戦う理由、戦えている理由、いったい誰のために何のために戦うのか。
自分のためだけではない。
一人でも多くの人にそんな思いを伝えたい。
トヨタのラグビーを築いてきた人々支えてくれている人々にとって誇れる存在でありたい。
周りにいるサポーター、隣にいるチームメイト、支えてくれる人々。
技術や能力の前にある、「誰かのために」という思い。
心の底から強くそんな気持ちになれたなら、ものすごく大きな力となり、そこにトヨタのラグビー部として戦う充実感も得られる。
誰かの為に戦う人々、集団はきっと何にも勝る強さがあるのではないか。
負けを重ね、苦しい状況は続く。
今は負け惜しみに聞こえても、自分次第で道は開ける、まだまだ変われると信じたい。
顔をあげたときにやっぱり、みんなの笑顔が見たいから。
Photo:井上 時徳