貴重な体験
貴重だけどもう2度としたくないような体験をしました。
ご近所で火事がありました。非常に衝撃的な出来事だったんで、とてもじゃない
けど面白おかしく書けるような内容じゃないんで、そのときに起きたことを順に
書いていきます。
土曜日、家でのんびり過ごしていたら、外から何やら叫び声が。「なんかなぁ」っと
思っていたら、我が家の一階からも「キャー!!!」っという叫び声が。ヤバい、何か
起きている。すると
「火事だー!誰かぁー!」
という声。すぐに窓の外を見ると、ご近所さんの家から煙が上がっています。
一緒にいる奥さまが、
奥「Gちゃん、役場に電話して!」
というので、
私「俺は着替えて(現場に)行くから電話は(お前が)して!」
と言い消防の団服に着替え軽トラに乗り込み、現場に向かう。到着するとすぐに
消火栓を開け、ホースとツッサキ(ホースの先っちょ)をつなぎ水の栓を開け
放水開始。でも既に炎は屋根を突き破り立ち上がっています。どう考えたって
消えそうにありません。それでも延焼を防ごうと一人水をかけ続けます。傍では
家のご主人が奥さんの名前を連呼しています。奥さんはこの炎の中にいるのか?
心配ですがどうしようもありません。ただただ一人水をかけます。
すると僕の後方20mぐらいの位置から母(ヨーコ)が、
母「もう止めないっ!一人じゃ消しきらん!爆発する!下がりない!」
っと叫んでいます。息子(私)を心配して叫んでいるのは分かったのですが、
他に誰もいないんです。僕がやらないともっと燃えてしまっては大変です。
僕だってこんな事したくもないけどやるしかないんで
私「うるせぇ!黙っとけ!」
と怒鳴り消火作業を続けます。それから何分後か分かりませんが、応援の
1台が駆けつけました。すぐにポンプを設置し放水開始。1人じゃなくなって
少しホッとしたところでようやく消防車やら消防団が集まってきました。
それからしばらくは放水を続け、ようやく鎮火。しかし母屋も納屋も全焼という
ひどい火事でした。
念入りに水をかけ夜8時半頃には一旦解散となり、家に戻り風呂、食事。
家族は家から僕の消火活動を見ていたそうで、奥様もすごく心配してくれて
いたそうです。ホッとして二階に上がると電話が。まだくすぶっているんで
水をかけて欲しいと。
また着替えて現場に。確かに火の粉が見える部分もあり、また念入りに消火。
ようやくおさまり家へ。
疲れた。
第1に消火活動に当たったということで翌日は警察やら消防の方から現場で事情
聴取。「どこから燃えてました?」「何時に来ました?」「誰かいませんでした?」
っとイロイロ聞かれたのですが、正直よく覚えていませんと。燃え上がる炎に
包まれるご近所さんの家に向かい一人放水しているという状況があまりにも現実
的じゃなくて、ホント「夢のよう」でした。車で事故ったときとか感じませんか?
「ああ、これって現実なのかな?」。あんな感じでした。
ですんで、後からイロイロ聞かれてもなんかよく分からないんですよ。ましてや
そんな状況で時間なんて見ているわけないんですよね。
「一人で消火を開始されてから何分ぐらいでサイレンが鳴りましたか?」
とか、
「何分ぐらいしたら応援の車が駆けつけましたか?」
とか聞かれても、体感時間はそりゃもう10分以上に感じています。だって一人
で心細かったんですよ。ホントは2〜3分だったとしても、長く感じるものです。
聞かれても分からないですよ。
まあ、そんなわけで、ある意味非常に貴重な経験をさせていただいたわけで、
火事に遭われたご家族の方々は非常に気の毒な思いですが、普段の訓練の
大切さと消防団組織の必要性を改めて感じる機会となりました。
そもそも私、消防署が小国町にあるこの状況で「消防団」なんて大して必要じゃ
ないんじゃないかなと思ってたんですね。だってどの現場に駆けつけたって、
消防署の消防車がいち早く駆けつけて消火作業に当たってて、僕たち消防団は
後方支援的な存在なんですね。しかしながら今回、その消防署よりも先に現場に
到着して、消火活動に当たり、やはり消防団ってのは必要なんだなぁと感じました。
そして日々の点検や訓練にしても、先日から掃除した防火水槽にしても、役に
立つ機会なんてほとんどないけど、ここ一番というときに役立つものなんだと
改めて感じました。防火水槽なんて僕が物心ついたときからあったものですが、
それを1年か2年に1回、ずーっと掃除してきたんですね。先日掃除したときも、
「こんなんホントいるんかね?」
なんて思っていたんですが、今回は本当に防火水槽が近くにあってよかったです。
そして清掃をしていたおかげでポンプにゴミが詰まることもなく消火活動が行なえ
ました。
消火栓にしたってそうです。消火栓は年に2回程度団員で見てまわり、蓋を開ける、
水を出す、という作業を行なっているのですが、これも内心たいして重要に考えて
なかったんですよね。でもこの作業のおかげで、今回慌てながらも放水活動が出来
たんだなと思いました。
今回の火事で僕は思いました。
「お前が行っても火は消えんだろ?俺が行かんとダメだな。」
なんて偉そうに言う先輩がいるんですが、あれは嘘です。火事は誰がやっても
1人では消せないんです。沢山の人が協力しないとダメなんです。だから消防
団なんて一日も早く辞めたくて辞めたくて辞めたくて辞めたくて辞めたくて
辞めたくてしょうがないんですが、地域を守るにはどうしても必要なんだと。
だから消防団に入っていないご年配の方なんかに
「消防は結構手当(お金)が町から出よるらしいな?」
とか言われると、
「金のためにやってんじゃねーよ!金が欲しけりゃお前がやりゃいいんだよ!
金で済むなら俺は金を払うよ!お前がやれジジイ!っていうかお前なんか
火事と一緒に燃やしてやろうかぁぁぁ!」
と、心にもない事を言ってしまいそうです。
ま、とにかく、今回の火事は私にとって教訓となりました。皆さんも火の取り扱い
には充分注意しましょう。特に寝る前と出かける前は重要なようです。発見が
遅れますからね。ちなみにうちの母(ヨーコ)は、うちの奥様が嫁いできてここ
数年のうちに既に4〜5回はコンロの火をつけっ放しにして忘れていたことが
あるそうです。これはいかんと思い、
私「あんたも火をつけて忘れとった事が何回もあるやろ?気を付けなんバイ。」
と言ったところ、
母「1回しかねえ!(怒)」
っと逆ギレされました。冗談ではなく、本当に誰かヨーコに言って聞かせないと、
家族が、家が失われてしまいます。消火活動をする息子を心配してくれるのは
嬉しいのですが、その息子の言う事にももっと耳を傾けて欲しいものです。
いずれにしても皆さん、くれぐれも火の取り扱いにはご注意下さい。
僕も気を付けます!
※なお、今回の記事には写真がありませんが、それはさすがにあの状況で
写真なんか撮る気分じゃなかったからです。面白がって写メをを撮ってる
おじさんがいましたが、ああいう人って切ないですね。