谷口信輝 ドライバーズコラム 第2回 あの時86を選んだ結果…

こんにちは!レーシングドライバーの谷口信輝です。
僕は、広島生まれ広島育ち、悪そうな奴はだいたい友達♪ではありません(笑)。僕が生まれて初めて運転したクルマは、高校生の時に乗ったシティターボ。僕が初めて買ったクルマは、日産のキャラバン。キャラバンは、当時バイクのレースをしていたのでバイクを運ぶトランスポーターとしてね。そして、19歳の時に、AE86トレノAPEXを買いました。

その前に…、最初は、86は欲しくなかったの。ボロいし、遅いし。RX-7 FC3Sのアンフィニが欲しかったの。それを、従兄弟の賢ちゃんに相談したら、
「セブンはやめとけ!クルマも高いし、パーツも高いし、ガソリン食うし、86を買いなさい!86で峠を走って、上りはもちろん、下りでもパワーが足りないってなったら、その時にクルマをステップアップしんさい」って。
その言葉で86購入を決めたわけだけど、70万円で買った86。乗ってみると、やはりボロいし、遅いし、あちこち壊れるし、サイドブレーキも効かない…。

でも、不思議な事に、そのダメなところが逆に愛着が湧いたんです。壊れては直し、少しずつチューニングされ、クルマの成長と僕の成長と一緒に苦労を共にし、本当86は家族というか、相棒という感じ。そして最終的には、カラダの一部くらいのシンクロ具合でした。

ドリフト大会にも出場し、それで名前が少し売れたし、テクニックも86のおかげで磨かれた。
結局、86を5台も乗り継ぎました。すっかり86マニア?オタク?です(笑)

そんな86出身の僕は、トヨタから新型86が発売されてとても嬉しかった。本当は、AE86をそのまま出してくれてもいいんだけど?とも、思っていました。

僕は、今まで一度も新車ってモノを買った事が無かったのですが、新型86が発売され、生まれて初めての新車を購入。それでまた86を買うなんて、86というものに運命的なものを感じますね。

今は、その86を僕の好みにチューニングし、楽しい86ライフを送っています。自分で言うのもなんですが、かなり良い仕上がりになっていると思います。乗りやすさを犠牲にせず、速く、快適さも失っていない。乗ると楽しい気分になる。もちろん86というベースが良いのですが、それを僕なりにもっと楽しいクルマに仕上げたと自負しております。ぜひとも、トヨタの人やTRDの方々に乗ってみて欲しいです。

そんな僕が、今ではレーシングドライバーとしてやっていけているのは、紛れもなく、あそこでRX-7ではなく AE86を選んだからだと思っています。86と従兄弟の賢ちゃんに感謝です。

では、また!

[ガズー編集部]