浅間モーターフェスティバル イベントレポート

一般公道ではパレードランに定時計測競技、浅間サーキット跡地ではタイムアタック、浅間火山博物館駐車場ではジムカーナ、そしてまだ雪のないスキー場ゲレンデでオフロードライドとモータースポーツ発祥の地、浅間をさまざまなクルマが走った「浅間モーターフェスティバル」。見所いっぱいのこのイベントでレクサスはLFA、RC F、LX570が走りを披露したが、ほかにもさまざまなクルマ、レーシングカーがともに走った。

高級車、レーシングカーとともにレクサスが走る

「LEXUS AMAZING EXPERIENCE」は来場者に大注目の的だったが、それ以外にもさまざまな車種、レーシングカーが展示されていた。キャデラックはスーパー・スポーツセダンVシリーズを初めて一般向けに公道を走らせたり、モータージャーナリストの清水和夫氏などのトークショーを展開。アストンマーティンは、世界100台限定のVantage GT12スペシャルエディションを展示。テスラは、モデルSと最高峰モデルP85Dを展示するだけでなく試乗会も実施した。また浅間火山博物館駐車場ではジムカーナも行われ、ジェームス選手や国本選手もLFAやRC F、LX570で飛び入り参加し、大いに盛り上がった。

イベントは地元のクルマ好きなボランティアの方々が中心になって運営されている。今回60年ぶりに公道を閉鎖したり、浅間高原自動車テストコース跡地を走れたりとその交渉は計り知れない時間と労力がかかっただろう。また自治体、地域の方々の理解や協力がなければここまでできなかっただろう。主催者の星野雅弘氏は「60年ぶりにこの場所を使用できるようになったことはとても大きな意義があると実感しています。こういったモータースポーツを軸としたイベントが地域に根づくには、その開催地の方々、地元のメンバーが運営側にいることが非常に大切であると思っています」と語った。公道を一般車両はもちろん、往年のレーシングカーまで走れたことで、参加者は主催者の思い以上に大喜びだった。来年もまた参加するという選手も多い。また星野氏は「浅間モーターフェスティバルと浅間ヒルクライムで大切にしていることは、自動車メーカー、参加者、運営側、観覧者と共にイベント運営を楽しむということ。毎年継続的に一緒に開催することで、地域への理解が深まれば、いつかは、三社祭や岸和田だんじり祭りのように、毎年開催される地域のお祭りとして行なわれるまで自動車文化が育てばと思っています」とこれからの抱負を熱く語ってくれた。主催者も参加者も出展者も観覧者もみんなで楽しみながら、ここで自動車文化が醸成される日はきっとそう遠くないと感じたイベントだった

キャデラックは、スーパー・スポーツセダンCTS-VとVシリーズ史上、最小最軽量で3.6リットルツインターボエンジンを搭載したATS-Vを展示。そして一般初公開となる走りが披露された
アストンマーティンは、限定モデルのヴァンテージGT12スペシャルエディションやV8ヴァンテージを展示。V8はレースステージにも参戦した
テスラ・モーターズは、モデルP85Dの展示と試乗会を行った
空気が冷たい早朝から準備をするcc。パガーニが幻想的な雰囲気を醸し出しながら、地上に降臨
ビンゴスポーツは、パガーニ・ゾンダF クラブスポーツ、ゾンダ・レボリューションそしてウアイラの3台を展示。走行イベントにも参加したが、ブースでエンジンをかけ、エキゾーストノートのデモンストレーションをした
展示されているフォーミュラマシンのコックピットに座る貴重な機会を得た子供の瞳がきらきら輝いていた
手前の個性的なマシンは、「孫紫電」。レーシングカーデザイナーの由良拓也氏が自分用に製作していた子紫電の余ったボディパーツを利用して作ったクルマ。なので「孫紫電」。ユニークなネーミングだ
イベント初日の夜は、ガーデンパーティーが行われた。高地だから少し肌寒かったが、1日の興奮を冷ますにはちょうどいい
主催者の知人がこのパーティーを盛り上げようと、わざわざ東京から駆けつけステージを盛り上げてくれた
雲の切れ間からときおり射す月夜に照らされ幻想的な雰囲気になる会場
アストンマーティン、ジャガー、LFAなどが当然のように観られるのがこのイベントのすごさ
一般公道を封鎖し、占有しているのでナンバーのないフォーミュラカーなども走れる。これは画期的なことだ
LX570やNXも定時計測競技に参加
浅間火山博物館の駐車場ではジムカーナが開催。タイムだけでなく、その走りのインパクトも採点の対象だった
ジムカーナの熱い走りを観て、GTドライバーたちも盛り上がる
そしてなんとLFA SPIDERでジムカーナにトライ。タイムも速いが魅せる走りを披露。これには観客も大喝采
ジェームス・ロシター選手は、プロドライバーであると同時に魅せる走りをするエンターテイナーでもある
GT40だけでなく、後ろのトラック、ウニモグもタイムアタックに挑戦した
この地は元々バイクレースから始まったことから、何台かのバイクも参戦した
落ち葉を巻き上げて走るGT40。落ち葉をラジエターに引っ掛けたり、エアインテークから吸わないよう注意しながら走っていた
公道をフォーミュラカーが走る。不思議で貴重な光景だ
シボレーのコルベットZ06クーペも颯爽と走る
主催者の星野氏。浅間モーターフェスティバルが、いつの日かイギリスのグッドウッドと並ぶモータースポーツイベントに育つことを思い描き、精力的に活動を続けていく。クルマやバイクに憧れていた少年時代の思いを持ち続けたまま
1988年型ローラ T88/40 88Q MAZDAのコックピットに座って、マシン調整をしている父とマシンを見つめる息子。将来、この子が免許を取ってクルマを運転できるようになること、このイベントが皆に支持され盛大になっていることを願う

(写真 : 茅原田哲郎・浅間モーターフェスティバル実行委員会)
(テキスト/写真 : 寺田昌弘)

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road