趣味に合わせてカスタマイズ!ハイエース「トランポ」の世界

キャンピングカーが欲しいと思っていても、「実際は使いこなせないのではないか?」、「そこまで装備は必要ないし…」と購入を躊躇している人も少なくないはず。車中泊はしたいけど、キッチンはいらないという人にとって、キャンピングカーは手が出しづらいものです。また、自転車やバイクを載せたい人なら、積載性も重視したいところでしょう。

そこで、「トランポ」という選択肢を提案します!

「荷物を運搬する人や車両」を表す「トランスポーター」からそう呼ばれるようになったトランポは、バンとキャンピングカーのいいとこ取りをした便利なクルマなのです。

全国から製作依頼がやってくる熊本のトランポビルダー

今回は、熊本県植木町でトヨタ・ハイエースなどの商用車を元にトランポを製作しているビルダー、「オグショー827」を訪ね、トランポの世界をお聞きしました。

オグショー827は、全国からトランポ製作の依頼がやってくる知る人ぞ知るトランポビルダー。お客様の要望に合わせて1台1台製作し、全国に納車しているそうです。さっそく、オグショー827で製作したハイエースのトランポを例に、その世界を見ていきましょう。

装備はシンプル。使い勝手は最高

まずは一般的なハイエースをベースとしたキャンピングカーの内装をご覧ください。車両後部のスペースはシンクやコンロ、電子レンジなどが設置され快適性は高いですが、その一方でスペースに制限があります。

ハイエース キャンピングカーの車内。快適性は高い一方、積載性は望めない

リビングのような環境を求めている人には最適ですが、積載性は望めません。ここにベッドが展開される形になります。一方、トランポの車内はこんな感じです。

キッチンやテーブルがないため、キャンピングカーよりもスッキリしとした印象がありますよね。このように、トランポは床の凹凸をフラットにする加工を施して、ソファのようなアレンジも可能な折りたたみ式ベッドを搭載する形が基本です。セカンドシートがそのまま生かされているのも特徴ですね。「ゆっくり寝られるだけで十分」という人にピッタリ。積載性を重視する人だけでなく、「調理は外で」というキャンプユーザーにもおすすめです。

趣味の数だけスタイルがある

シンプルなキャンピングカーとして、また趣味の道具を積む文字通りのトランスポーターとして使い勝手のいいトランポ。オグショー827ではすべてワンオフ(特注)で製作しており、1台1台仕様が違います。趣味の数だけスタイルがあるというわけです。その一例をご紹介します!

バイクトランポ

バイクを積載するためのスペースを確保した上で、ソファ形態にもなるベッドを設置。工具やウェアの収納スペースだけでなく、バイクを乗せ降ろしするためのスロープも搭載。林道やオフロードコースまでトランポで移動して、現地でバイクを満喫、疲れたらベッドやソファで休憩というベースポイントとして活用することができます。

ベッドキットのみの車中泊スタイル

車幅いっぱいに取り外し可能なベッドを装着。ベッドの足の部分は収納スペースになっていて、着替えや趣味の道具をしまうことができます。ベッドマットのアレンジで背もたれに展開することも可能。車中泊の快適性を重視したい人にピッタリなベッドキットを装着した仕様です。

釣り仕様トランポ

天井にロッドホルダーを装備した釣り仕様トランポ。ベッドは左右分割なので、片側だけをベッドに使ってもう片方には大きな荷物を、という使い方も可能。サイドボックスは、ベッドマットを残すスタイルでベンチ代わりにもなります。釣りを楽しむためには夜中に出発することも多いもの。早めに到着して仮眠をとって釣りを楽しむ、といった使い方ができます。

趣味に合わせてカスタマイズできる魅力

ご覧いただいいたとおり、トランポはバンならではの広大な荷室を用途に合わせてカスタマイズし、有効活用したクルマです。バイクやカート、サーフィン、釣りといった趣味をお持ちの方で、所有しているマイカーの使い勝手にピンとこない方は、トランポを検討してみてはいかがでしょうか?

(赤坂太一+ノオト)

[ガズー編集部]

取材協力