【素敵なカーライフレシピ #23】休日にはクルマと家族がいっしょ。スポーツカーだからこそ高まった家族との一体感

今回ご登場いただくのは、食材卸売会社に勤務する土肥健二さん。土肥さんの現在の愛車は、2021年1月末に納車されたばかりで、ナビなどの一部オプションは納品待ちの状態だという、FK8型ホンダシビック・タイプRリミテッドです。

このFK8型ホンダ・シビック・タイプRリミテッドは、世界で1000台・国内で200台が限定抽選販売された特別なモデル。

さらにこのクルマの開発エンジニアたちが有志チームを作り、2019年からスーパー耐久に参戦したことも話題となりました。開発責任者である柿沼秀樹さんは自らドライバーを務めるほどの熱の入れよう。

このクルマには、そんなチームが実戦から得たさまざまなノウハウがフィードバックされたそうです。
そのことを知り、「一途な想いに感動し、ダメ元で抽選に申し込んだら運良く(?)当選した」ため、購入を決意。
実は土肥さんはその直前にも、レーシングブルー・パールのFK8前期型のシビックRを1年半ほど所有していました。

そんな土肥さんがクルマの虜になったのは小学生の時。漫画「サーキットの狼」(池沢さとし著)を読んで育ったスーパーカー世代で、特に軽量コンパクトなミッドシップスポーツカーに惹かれたそうです。
そのため、「免許を取得したのは25歳頃と遅めでしたが、もう社会人になっており、通勤も自宅から電車だったものの、初代AW11型と2代目SW20型のトヨタMR2を同時に所有していました」

2台のMR2との生活が6年ほど続いた頃、奥様とご結婚。最初のご出産を間近に控えた際、「4人乗れてチャイルドシートも装着できるクルマにしよう」ということになり、DC5型ホンダ・インテグラ・タイプRに乗り換えています。

「DC5はVTECエンジンがハイカムに切り替わった時の加速感とサウンドがたまらなかったですね。ボディ剛性もしっかりしていて、サーキットもそのまま走れるのに、後席は広くて街乗りにも使える乗り心地だったので、とても気に入っていました」

そのため、「DC5に乗るようになってからは、休日は家族で買い物に行ったり、峠道を走りながら温泉旅行へ出掛けることが多くなりましたね。また、ホンダ主催のドライビングスクール『Honda Sports Driving Meeting』をディーラーの営業スタッフから案内されたことをきっかけに、サーキットにも年に1、2回走りに行くようになりました……これはさすがに自分一人でですが(笑)」

やがて二人目の娘さんも生まれ、実家へ帰省する機会も増えてくると、「6人乗れるクルマがあった方がいい」ということになり、3度目の車検を機に、RN8型2代目ホンダ・ストリームRSZへと乗り換え。こちらも7年ほど所有し、その次はFR5型ホンダ・ジェイドRS(前期型・6人乗り)を選びますが、「2人の娘も大きくなり、部活に励むようになったので、ほとんど一人で乗っていました(苦笑)」とのこと。

「ストリームもジェイドも、ミニバンながらハンドリングが良く静かだったんですが、DC5のVTECがずっと忘れられなかったんですよね。でもジェイドに乗っていた頃は、家族も乗れるスポーツカーがホンダになく、もう諦めようと思っていたら……発売されたんですよ、FK8型シビックRが。それもカタログモデルとして」

そこでディーラーへ出掛け、家族全員でFK8型シビックRに試乗したら、「走りだけでなく乗り心地もとても良かったんですね。それで妻や娘たちのOKも出て、ジェイド購入からわずか1年半ほどで乗り換えることになりました(笑)」。
すると、しばらく途絶えていた、家族での買い物や峠道へのドライブを兼ねた温泉旅行が復活。サーキットへも再び足を運ぶようになったといいます。

「サーキットもノーマルのままで走れるのに室内もラゲッジルームも広いですし、ボディサイズが大きい割には車両感覚が掴みやすいので、街乗りでも全然苦にならないですね。それに、大型スーパーでの買い物も、温泉旅行の家族4人分のバッグとお土産も、一人でサーキット走行に行く時のレーシングギアや工具、スペアタイヤ4本も余裕です。18インチの自転車を載せたこともありますよ」

「妻はペーパードライバーですが、普通のクルマが好きではなく、スポーツカーに理解を示してくれているんですよね。娘たちも、クルマを買い換える時には喜んでディーラーへ付いてきましたし、FK8型シビックRに乗り換えてから峠道を走っても『ジェットコースターみたいで楽しい』と喜んでくれるので、本当にありがたい限りです」

そんなFK8型シビックRを、前期型から後期型リミテッドへと2台乗り継いでいる土肥さんですが、土肥さんにとってシビックRとはどんな存在なのでしょうか?

「ズバリ、仕事のストレス解消ですね。あのレーシーなコクピットと、しっかりホールドしてくれるセミバケットシート、低回転域は重厚で高回転域は甲高いあのエキゾーストノートが、疲れた私を包み込んで癒してくれるんです。だから、休みの日はいつも、クルマと家族みんなが一緒ですね」

「賛否両論あるデザインも私は好きで。見るからに速そうで、そして実際に速いところが、とても気に入っています」

コロナ禍の影響により、勤務先の配送業務が内製化されたため、「近頃は仕事でも2トントラックを運転するようになり、オンもオフもクルマ漬けの日々です(苦笑)」という土肥さん。仕事でもクルマに触れるようになったからこそ、気付いたこともあるといいます。

「単に移動することだけを考えたら電車や飛行機の方が楽で、クルマを運転するのは面倒ですよね。日々の洗車やメンテナンスも大変です。それでもクルマを維持し運転するモチベーションを保てるかは、そのクルマを気に入っているかどうかに掛かってきます」

また、2台のミニバンを乗り継いでいた頃、家族での外出頻度がかえって下がったことにも、思う所があるようです。

「クルマは所有し運転する人が動かさないと、忘れ去られてしまうんですよね。ストリームを所有していた時は、余りにも乗らなさすぎてバッテリーを何度も上げてしまい、そのせいでナビも壊してしまいました(苦笑)」

「だからクルマに愛着を持てないと、家族や自分自身の生活のためにも良くないですよね。クルマを購入する時は妥協すべきではないと思います。『お金がないから欲しいオプションを付けるのを諦めた』というのももったいないですね」

現在所有するシビックRリミテッドは、「ドライバーをその気にさせてくれるクルマですね。だからこそ、家族みんなで遠くまで出掛けられるんです」という土肥さん。スポーツカーのある生活は、これからもずっと続くことでしょう。

(文=遠藤正賢/写真=真弓悟史、土肥健二)

[ガズー編集部]

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