【ホンダ シビックハッチバック 試乗】セダンに乗りたくない世代の正解…諸星陽一
タイプRの存在が光るホンダ『シビック』だが、その根底には標準タイプの高い基本性能がある。
現行シビックは4ドアセダンと5ドアハッチバックの2つのボディタイプがある。セダンは国内で製造されるが、5ドアハッチバックは英国ホンダで製造、日本に輸入されている。タイプRもボディは5ドアハッチバックとなるので英国製だ。
今回試乗したのはタイプRではないハッチバックのCVTモデル。搭載されるエンジンは1.5リットルの4気筒VTECターボで、最高出力は182馬力、最大トルクは220Nmを発生する。タイプRの320馬力に比べると見劣りするが、1.5リットルで182馬力は相当高出力。現代の緻密なコントロールデバイスがあるからFFロードモデルで成立するが、コントロールデバイスなしなら、それなりに難しい乗り物になるだろう。
エンジンはホンダらしくすっきりと吹け上がるタイプでターボが装着されたことのネガティブな部分はない。かえって低速トルクが増していることで、加減速が繰り返されるワインディングやサーキットのスポーツ走行では全体として速くなるタイプの特性。これはイコール使いやすいという特性でもある。ミッションはCVTだが別に不満はない。ブレーキをキッチリ踏めば減速は十分。シフトダウンに頼る必要はない。
サスペションはフロントがストラット、リヤがマルチリンクでストロークがしっかりと確保されていてよく動くタイプ。一般道では乗り心地がよく、コーナーでは長いストロークを生かして路面をつかんでいく。フレキシビリティが高いセッティングだ。
試乗車はCVTなので、ACCも装備。車線を逸脱しそうになるとステアリング振動によりドライバーに忠告。修正蛇が介入しない場合にはクルマ側がステアリングを操作し逸脱防止を行う。
5ドアハッチというパッケージングも手伝って実用性は高い。ラゲッジのトノカバーは横スライドのロール式という新しい発想のもので、これも想像以上に使いやすい。セダンとほぼ同一の使い勝手を確保しながら、スタイリッシュなエクステリアを実現したことで、セダンに抵抗がある層にも選ばれる存在となる。
残念なのは、使用燃料がプレミアムであること。日本で製造されるセダンは若干パワーダウンが伴うもののガソリンはレギュラー指定。長い目で見れば、ランニングコストの安いレギュラーガソリンは大きな魅力だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
(レスポンス 諸星陽一)
現行シビックは4ドアセダンと5ドアハッチバックの2つのボディタイプがある。セダンは国内で製造されるが、5ドアハッチバックは英国ホンダで製造、日本に輸入されている。タイプRもボディは5ドアハッチバックとなるので英国製だ。
今回試乗したのはタイプRではないハッチバックのCVTモデル。搭載されるエンジンは1.5リットルの4気筒VTECターボで、最高出力は182馬力、最大トルクは220Nmを発生する。タイプRの320馬力に比べると見劣りするが、1.5リットルで182馬力は相当高出力。現代の緻密なコントロールデバイスがあるからFFロードモデルで成立するが、コントロールデバイスなしなら、それなりに難しい乗り物になるだろう。
エンジンはホンダらしくすっきりと吹け上がるタイプでターボが装着されたことのネガティブな部分はない。かえって低速トルクが増していることで、加減速が繰り返されるワインディングやサーキットのスポーツ走行では全体として速くなるタイプの特性。これはイコール使いやすいという特性でもある。ミッションはCVTだが別に不満はない。ブレーキをキッチリ踏めば減速は十分。シフトダウンに頼る必要はない。
サスペションはフロントがストラット、リヤがマルチリンクでストロークがしっかりと確保されていてよく動くタイプ。一般道では乗り心地がよく、コーナーでは長いストロークを生かして路面をつかんでいく。フレキシビリティが高いセッティングだ。
試乗車はCVTなので、ACCも装備。車線を逸脱しそうになるとステアリング振動によりドライバーに忠告。修正蛇が介入しない場合にはクルマ側がステアリングを操作し逸脱防止を行う。
5ドアハッチというパッケージングも手伝って実用性は高い。ラゲッジのトノカバーは横スライドのロール式という新しい発想のもので、これも想像以上に使いやすい。セダンとほぼ同一の使い勝手を確保しながら、スタイリッシュなエクステリアを実現したことで、セダンに抵抗がある層にも選ばれる存在となる。
残念なのは、使用燃料がプレミアムであること。日本で製造されるセダンは若干パワーダウンが伴うもののガソリンはレギュラー指定。長い目で見れば、ランニングコストの安いレギュラーガソリンは大きな魅力だ。
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自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。
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