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名車館特集

 
Tail Fin & Muscle Car
Tail Fin & Chrome Parts
懐かしい彩りの時代
でかい!派手!それは日本人の誰もが抱くアメリカ車へのイメージかもしれない。なぜ、何のために、日本人にはなかなか理解しがたいその理由は、アメリカの広大な国土と時代背景から生まれてきた。延々と続く広く長い道を駆け抜けることが日常のアメリカ国民にとって、クルマは移動のための便利な道具であった。そして快適な移動を演出するためボディは大きくなり、さらに存在感を示すようにそのボディを飾り始めたのである。1950年代、この時代に誕生したクルマ達はアメリカンドリームを身にまとい、広大な土地と豊かな時代を走り抜けていた。
”テールフィン”、それは夢の時代
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第二次世界大戦に勝利したアメリカは政治の場でも、経済の面でも世界のトップに君臨していた。昨日よりは今日、今日より明日は豊かになる、そう信じていたアメリカ国民は新しい物、豊かなものを競って追い求めていた。
そんな風潮の中、48年から49年にかけてのクルマメーカーによる一斉のモデルチェンジは、豊かさを象徴する格好の的となり、アメリカ国民はその豊かさを競って求めるようになっていた。その中でも、48年に登場するキャデラックはその後のカーデザインに大きな影響を及ぼす存在であった。車両のリアフェンダーに小さな反りかえりを設けたこのデザインこそテールフィンの始まりであり、その後、アメリカの自動車界はテールフィンデザインと、目が眩むほどのクロームパーツデザインを中心に華々しい50年代を迎えることとなる。
50年代の名車を語る前に、なぜテールフィンが人気を博したのかに触れておく必要があるだろう。第二次世界大戦に勝利したアメリカ、そこで活躍を見せた飛行機とパイロットはアメリカ国民の意識下で英雄として存在していた。
また、未知の世界であった宇宙への距離が短く感じられ始めたこの頃、新しい科学技術への憧れと期待が抱かれるようになっていた。そんな時代背景の中、ジェット戦闘機やロケットの垂直尾翼をかたどったテールフィンを持つクルマと、それを手にすることは成功者の象徴となっていったのである。
しかし、テールフィンが50年代に入ってすぐに流行したわけではなかった。朝鮮戦争などによる好景気で自動車業界は活気づき、キャデラックを始めとするGM車だけはその翼をほとんどの車種に適応させていったものの、他社はトランスミッションやウィンドーなどのオールパワー化といった装備の充実に重きをおき、徐々にボンネット上のマスコットやボディサイドのモール類をきらびやかなクロームパーツで飾るなどの発展を遂げていた。
また、このころからアメリカのクルマ達は幅広く、低く、長くその姿を変え、今まで以上の存在感を与えるようになっていた。そして、50年代半ばごろからキャデラックに追随するように高くそびえ立つテールフィンが自動車メーカー各社から出現し始める。
1956年クライスラーは、その主要車種ニューヨーカー、クライスラー ウインザー、ダッジ カスタムロイヤル・ランサーなどに一斉にテールフィンを設け、デザインの一新を図ったのである。その彫刻の様に美しいデザインは“Forward Look”と呼ばれ広く愛されることとなった。これに対しGMは、それまでの曲線主体のテールフィンデザインを見直し、より大きな翼と、より華やかなボディ装飾に力を注ぐようになっていき、シボレー インパラ、ポンティアック ボンネビルといったクルマを誕生させている。
さらにフォードも負けじと新しいデザインをフェアレーンやサンダーバードに導入した。このいわゆるビッグ3の競争は小メーカーをも巻き込み、テールフィンは大空に向かってより高く、そして大きくなっていき、その翼を備えた数々のアメリカンドリームカーが驚くほどのスピードで誕生した。
一部には高速時の車両安定のためという見方もあるようだが、この時代のテールフィンは、まさにアメリカンドリームを体現する、時代の流行であり、クルマ自体の性能よりも自らの力を誇示するシンボルとして存在していたのである。しかし1959年ごろをピークにテールフィンは、大きくなりすぎた翼を閉じる間もなく、次に訪れるパワーの時代に飲み込まれ消えていったのだった。
キャデラック シリーズ62 コンバーチブル
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