chakoの山村通信

愛知県の最高峰 茶臼山のふもとに暮らすchakoの日記

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12 06
手で食べる。

手で食べる、口で言うほど楽じゃない。

 

去年のスキープログラムで豊根にやってきたアズ君、現在は同志社大学で生命医学を学ぶ学生です。

彼からラインがあり、サウジから両親が遊びに来ているので、豊根村へ連れて行きたいと言うのです。

何と嬉しい便りでしょう。是非どうぞ、来てちょうだい、話は直ぐにまとまりました。

しかしアズ君からちょっとお願いがあるとひそひそ話が…

何事かと思ったら食事に関することでした。


「実は、両親は食べ物の戒律を固く守っているので、食事はすべて材料を持ち込んで

自分たちで作って食べたい。キッチンを使わせてもらえないだろうか?」と言うものでした。

すまなそうに言うアズ君でしたが、こっちとしてはそんなありがたい話があるだろうか、

是非ともやって欲しいと二つ返事でOKです。

やったね!私は鼻歌を歌いながら踊りだしたい気分でした。



アズ君の到着です。


京都からレンタカーでやってきました。

ショーンコネリーみたいなかっこいいお父さんが先ず入ってみえました。

次に赤ちゃんを抱いた女性が登場です。

あれ?赤ちゃん?誰の子?

赤ちゃんの正体はアズ君の妹です。生後七か月、24歳差です。

両親は二十歳と十七歳で結婚しているので、既に孫もいますがまだまだ兄弟が増えるかもしれません。

我が家を訪れるサウジ女性の中にはカジュアルな服装や、中には髪を隠さない方もいますが、

アズママは目以外は完全に隠すタイプのアバヤ、ヒジャブです。

イスラムでも宗派や家族によってかなり考え方が違うようです。

こんな訳ですので、キッチンで調理する場面では申し訳ないが、

お父さん(私の夫)にはキッチンから出ていて欲しい、という事になります。

キッチンと言う空間に夫ではない男性(私の夫)とママが同時に居ることができないためです。

アズファミリー以外にも宿泊客があり調理時間を調整し、

アズママと夫が同室で絶対に顔を合わせないように気を使いました。



いよいよ調理が始まります。

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私は野菜のカットを担当し、ママは持ち込んだ鍋で炒めたりスパイスを投入したり、

おいしそうな香りがキッチンに広がります。

彼らがお肉を調理するときの特徴は、カット肉を血が出なくなるまで水洗いすることです。

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余分な脂も洗い流されます。

肉を水で洗うというのは、なんだか旨味や栄養が洗い流されてしまうような感覚がありますが、

それぞれの伝統的な習慣なのでカプサを作るときはそうしましょう。

お米の扱いも随分違います。

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必ず計量カップで測る習慣が身についており、お米に関しては目分量という事が無い私ですが、

ママは袋からザーとボウルに取ります。

お肉と野菜を炒めた鍋に洗ったお米を投入し、そこへやかんの沸騰したお湯をダーっと注ぎ蓋をします。

そしてしばらく煮た後、蒸して完成です。

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バスマティライス独特のパラパラの食感と香り、これはうるち米とは全く別の食品です。

初め戸惑う人も多いようですが、カプサを食べれば食べるほど、このお米に惚れ込みます。


さあ、今度は食べ方です。

「サウジ風で食べる?」と聞かれ、いいえと答える人がいるでしょうか。

ずっとやってみたかった "手で食べる" ついに念願叶いました。

右手だけを使って食べます。

手で食べるって簡単だと思っていました。

ご飯を指でまとめ、持ち上げ口に放り込む。

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ところがやってみると指からポロポロこぼれ落ち離乳食を食べる乳児並みです。

指に着いた油分が口の周りでべとべとになりこんなに難しいものかと驚きます。

パパやアズ君の模範演技を見ながら口に運びます。

大皿を中央にド~ンと置き、みんなで食べる。

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魚の場合、箸を使うよりもはるかに食べやすく、以降魚だけはこれで食べたいと思いました。

パパは私に羊肉の塊を取ってくれたり、とても温かい食事でした。

日本でも同じ釜の飯を食うという言葉があるように(この場合茶碗を使いますが)

一緒に食卓を囲むという事は、最も親睦を深めることだと感じました。


今回はチキン、魚(鯛)、ラムの三種類のカプサを頂きました。

たくさん持ってきたスパイスやアラビックコーヒーをたくさんプレゼントで頂きました。

普段学生との交流がメインですが、サウジから家族が来日すると我が家へ連れて来てくれる学生が多いので

興味深いことがたくさん起こります。

今回は、食料持ち込み、自炊、お相伴にあずかるという特典がありました。

我が家を拠点に二泊し茶臼山高原、新豊根ダム見学、

中学校見学などご両親も大変喜んでくださいました。



サウジアラビアが観光ビザを解禁したら即飛んでいきたいです。​


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