chakoの山村通信

愛知県の最高峰 茶臼山のふもとに暮らすchakoの日記

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低い音。

桜のつぼみはまだ固く、フキノトウが顔を出し始めた。

裏の川沿いには、びっしり肩を寄せ合う黄色い小さなフキノトウが私を待っている。

ハサミと袋をもって岩を組んだ階段を降り川へ向かった。

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​この組んだ岩の間には当初様々な植物を植えたが自然に蕗へと移行していった。

こうして春にはフキノトウ、初夏には蕗を収穫できるのでとてもありがたい。


ここらあたりの気温はまだ低く、私はダウンコートを羽織りこの岩組みの間を歩いた。

這いつくばったりしながら。

しゃがみこんで密集しているフキノトウを採り、

ふと顔を上げると目の前1mくらいのところにカモシカがいた。

まさに目の前だ。私は悲鳴を上げた。

向こうも驚いただろう。

丸みのある体にグレーのダウンコートを羽織りしゃがみこんで作業する私は

きっと岩にしか見えなかったと思う。

その岩が動いたのだ、そしてぎゃあああと叫んだ。

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この色はどう見ても岩だ。


宿泊客から、窓を開けたら庭に鹿が、とかカモシカがいたという報告をよく受ける。

特徴のある丸っこい糞が落ちていることもある。

しかし、こんな近くでばったり出会ったのは初めてだったので慌ててしまった。

鹿はピョンピョン跳んで去るが、カモシカはドスドスのっそり歩いて去る。


でもこの出会いで一番驚いたのは、私の悲鳴がきゃああ~と絹を裂くような音でなく

表現できない程低い音で、それが自分の口から出たことだ。

ソプラノパートを歌っていたのは遠い昔か。


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