販売「厳しい」50cc原付、それでも「日本の中では必要なカテゴリー」

自動車工業会 二輪車特別委員会 安倍典明副委員長
排気量50ccの2016年の販売台数は、16万2130台。前年比84パーセントと大きく落ち込んだ。バイクの日の8月19日、二輪4社合同記者会見で国内概況の説明に立った安倍典明ホンダ執行役員・二輪事業本部長は「たいへん苦戦をしている」と、語った。

熊本地震が生産に大きな影響を及ぼし、供給が滞ったことは否めない。生産が回復した2017年上半期は、前年上半期の7万7439台から9万2447台と、前年比119パーセントの回復を見せた。それでも地震前の15年上半期の10万7164台には遠く及ばない。安倍氏は言う。「今年は昨年を上回る見込みだが、トレンドとしてはまだまだ厳しい」。

そもそも50cc原付という領域が、ガラパゴス化して時代に合わないのではないかという指摘も外部にはある。電動アシスト自転車のアシスト解除速度と50ccバイクの法定速度は、数km/hしか変わらない。「原付1種(50cc)は通学や業務利用など生活を支える交通手段として普及しているが、少子化やモビリティの多様化の影響を受けて、まだ年々縮小傾向にある」。

見通しは慎重である一方、「原付1種(50cc)は、日本では必要なカテゴリーと考えている」と、国内メーカーは市場の活性化で再起を目指す意向だ。

安倍氏が取組みとして例示したのは、ホンダとヤマハの業務提携による原付バイクのOEM供給、自治体と組んだEVバイクの普及拡大に向けた実証実験への参画、郵便事業との協業でEVバイク活用を模索することなどだ。

EV化は原付市場活性化の切り札になるのだろうか。バイクのEV化について問われた柳弘之二特委員長は、こう話した。「EV化は個社の努力をしているが、技術的課題、コストの課題を解決できていないというのが今日の時点。ただ技術は日進月歩なので、5年、10年のスパンでいいものになっていくだろうと思う」。

メーカーは国内市場の活性化を本気で考えているのか。そんな声が販売サイドから聞こえるのは、こうした瞬間だ。

(レスポンス 中島みなみ)

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