


通常戦の倍から3倍のロングディスタンスで行われるバトルには、その長さの分だけドラマがある。ドライバーにもマシンにも最高峰のタフネスが要求される大会は、予選2回目が大雨で中止になる波乱で幕を開けた。6時間にわたる激闘を制したのはGT-R、2位にはNSX、3位にSC430。37回目を迎えた「鈴鹿1000kmレース」には今年も5万人を超える観客が詰めかけ、その10万の瞳に無数の興奮と感動が映り込んだ。

【1回目】天候:雨 気温:22度 路面温度:23度 【2回目】(天候不良のため中止)
鈴鹿の“夏の風物詩”との異名をとり、夏休みの思い出作りとしてファミリーで観戦する微笑ましい姿も目立つ鈴鹿1000kmレースの予選は、前夜から降り続くあいにくの雨の中で始まった。晴れの予選では他のマシンの様子を伺ってからコースインするマシンも多いが、雨量によって大幅にタイムが変わるため、各マシンが開始直後から水煙を巻き上げながら果敢にタイムアタック。先ずは昨年の覇者、PETRONAS TOM’S SC430 36号車がタイミングモニターの最上段に躍り出た。昨年、雨の中を驚異のスピードで駆け抜けたアンドレ・ロッテラーのうまさが光る。
後半、雨が上がり路面コンディションが少しずつ回復へ向かうと、レインタイヤを浅溝(少雨用)へ切り替えて再アタック合戦へ。結局、GT500クラスはRAYBRIG NSX 100号車、MOTUL AUTECH GT-R 22号車、REAL NSX 17号車、ARTA NSX 1号車、カルソニック IMPUL GT-R12号車の順で予選終了。この後、悪天候のため、予選2回目、スーパーラップが中止。トップタイムのRAYBRIG NSXは前日にエンジン交換を行ったため規定により10番降格され決勝のスタート順が確定した。6番手タイムのPETRONAS TOM’S SC430は5番手から追い上げをはかる。
一方のGT300クラスは、雨を得意とする4駆のクスコDUNLOPスバルインプレッサ77号車がポール・ポジションを獲得。2番手にARTA Garaiya43号車、初めての予選アタックに挑んだルーキー国本京佑が駆るライトニングマックイーン apr MR-S 95号車が3番手にくい込んだ。

難しいコンディションの中、終盤に素晴らしい
アタック

悪天候が似合うインプレッサが今季2回目の
トップタイム

天候:晴れ 気温:28度 路面:32度
決勝日は朝から薄曇り、天気予報では夕方へ向けて回復傾向とのことで、早朝からファンが集まり始め、サーキット全体が鈴鹿1000kmらしい雰囲気に包まれていった。そんな中、レース直前のウォームアップ走行で、9番グリッドのTAKATA 童夢 NSX 18号車、11番グリッドのRAYBRIG NSX 100号車にサスペンショントラブルが発生、修理のためにグリッドに着くことができず、ピットスタートとなった。
定刻の13時にレースがスタート、オープニングラップから4番手のカルソニック IMPUL GT-R 12号車とARTA NSX 1号車が先陣争い、その他の上位陣はポジションをキープ。173周の長丁場だけに各マシン、慎重なレース運びをするかに思えたが、カルソニック IMPUL とARTA NSXが接近戦の中で接触するなど序盤から激しいバトルが繰り広げられる。11周目、PETRONAS TOM’S SC430 36号はカルソニック IMPUL GT-Rをパスして4番手に、さらに、ARTA NSXがマシンチェックのためにピットインして順位を落とし3番手へ浮上。しかし、20周目、シケイン で後方から迫ったカルソニック IMPUL GT-Rと接触、スピンを喫し6番手へ後退。
25周目、カルソニック IMPUL GT-Rを皮切りに続々と1回目のピット作業が始まり、GT500クラス全車が終えた時点でのトップはMOTUL AUTECH GT-R 22号車。
2回目のピット作業後もトップは変わらず。90周目頃から3回目のピット作業、PETRONAS TOM’S SC430とXANAVI NISMO GT-R 23号車が一時的にトップ2
を形成したまま同時にピットイン、トヨタ、日産のエースチーム対決に視線が集まる中、トムスのメカニックが踏ん張って脇阪寿一が本山哲を抑えたままコースへ復帰、メインスタンドから歓声が上がった。しかし、その直後、PETRONAS TOM’S SC430に“黄旗区間での追い越し”のペナルティが課せられ10秒間のピットストップ、一気に8番手に後退してしまう。
115周目、4回目のピット作業を終えたトップのMOTUL AUTECH GT-Rにリヤのカウルが浮き上がるトラブルが発生し、優勝争いから脱落。代わってピットスタートから怒涛の追い上げを続けてきたRAYBRIG NSXがついにトップへ浮上。しかし、レース終盤、2番手のカルソニック IMPUL GT-Rはピット作業でタイムを削りRAYBRIG NSXの前でピットアウト、2位のRAYBRIG NSXとの差を広げながらトップを快走し2年ぶりの優勝を飾った。また、自身のドライブ中のペナルティを帳消しにするかのような勢いで追い上げ てきたアンドレ・ロッテラーのPETRONAS TOM’S SC430が157周目、130R手前でXANAVI NISMO GT-Rをオーバーテイク、3番手に。ロッテラーは最終ラップまで猛然とプッシュを続け、2位との差を詰めながら4位のMOTUL AUTECH GT-Rの猛追を抑え きって表彰台の一角を死守した。
GT300クラスは、予選5番手から着実な走行を続けたMOLAレオパレスZ 46号車が優勝。ドライバーの一人である星野一樹はGT500優勝チームを率いた星野一義監督と共に親子での制覇に満面の笑みを見せた。2位には国本京佑のライトニングマックィーン apr MR-S 95号車が入り、フォーミュラニッポンのアクシデントのために欠場したチームメイトで先輩の平手晃平へ朗報を届けた。

チーム一丸となって2年ぶりの栄冠を手に

Zは安定したペースで1000kmを走破した

終盤の追い上げでスタンドを沸かせたトムスSCの雄姿

恒例の花火が6時間の激闘に優しく花を添えた

| 順位 | No. | 車名 | ドライバー | タイム |
| 1位 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 松田 次生/セバスチャン・フィリップ | 5:56'31.327 |
| 2位 | 100 | RAYBRIG NSX | 井出 有治/細川 慎弥/松浦 孝亮 | +0'07.866 |
| 3位 | 36 | PETRONAS TOM'S SC430 | 脇阪 寿一/アンドレ・ロッテラー/ カルロ・バンダム |
+0'34.598 |
| 4位 | 22 | MOTUL AUTECH GT-R | ミハエル・クルム/柳田 真孝/ ドミニク・シュワガー |
+0'35.062 |
| 5位 | 3 | YellowHat YMS TOMICA GT-R | ロニー・クインタレッリ/横溝 直輝 | +0'41.833 |
| 6位 | 6 | ENEOS SC430 | 飯田 章/ビヨン・ビルドハイム/ ロベルト・ストレイト |
+0'51.810 |
| 順位 | No. | 車名 | ドライバー | タイム |
| 1位 | 46 | MOLAレオパレスZ | 星野 一樹/安田 裕信 | 5:58'40.469 |
| 2位 | 95 | ライトニング マックィーン apr MR-S | 大嶋 和也/国本 京佑/ 坂本 雄也 |
1Lap |
| 3位 | 7 | ORC雨宮SGC-7 | 井入 宏之/折目 遼/ 松村 浩之 |
1Lap |
| 4位 | 62 | WILLCOM ADVAN VEMAC 408R | 柴原 眞介/黒澤 治樹/ 密山 祥吾 |
1Lap |
| 5位 | 26 | ユンケルパワータイサンポルシェ | 谷口 信輝/山路 慎一/ 澤 圭太 |
1Lap |
| 6位 | 81 | ダイシン ADVAN Z | 青木 孝行/藤井 誠暢 | 1Lap |
※詳しくは公式サイトhttp://supergt.net/をご覧下さい。










