2015年「クルマ業界」10大ニュース

2年に一度のモーターショーイヤーだった2015年は、たくさんの新型車が登場した年でした。では、クルマ業界全体では、どんなニュースがあったのでしょうか? この一年のクルマ業界を振り返ってみたいと思います。

1. 「Zカーの父」片山豊氏、死去(2月)

フェアレディZの生みの親として知られ、北米日産の初代社長を務めたこともある、”ミスターK”こと、片山豊氏が心不全により亡くなりました。1935年に日産自動車に入社した片山氏は、東京モーターショーの立ち上げに尽力するなど、自動車業界の発展に大きな功績を残した人物。1998年には米国自動車殿堂入りも果たしました。享年105歳。

2. ホンダが7年ぶりにF1に参戦! (3月)

2008年シーズン以来、7年ぶりにホンダがF1に復帰。マクラーレンにエンジンを供給し、往年の「マクラーレン・ホンダ」の名が復活しました。ドライバーは、フェルナンド・アロンソとジェンソン・バトン。7年間のブランクは大きく、復帰初年度は残念な結果となってしまいましたが、ホンダは2016年もマクラーレンにエンジン供給することを発表しており、期待が持たれます。

3.「エコカー減税」と「軽自動車税」が改正(4月)

2015年の税制改正大綱の一環として、自動車関連税制も改正に。エコカー減税は区分が細分化され、達成基準が厳しくなりました。また、新車から13年(ディーゼル車は11年)を経過したクルマの自動車税の割増も従来の10%から15%にアップ。年額7,200円だった軽自動車税は、4月以降に届け出された新車から年額10,800円になりました。

4. 三菱・ランサーエボリューションが生産終了を発表(4月)

三菱の高性能4WDセダン「ランサーエボリューションX」が、特別仕様車「ランサーエボリューション ファイナルエディション」を発表。限定1000台が販売された時点で、エボリューションXの生産終了を発表しました。次期型モデルについてのアナウンスはなく、1992年から23年にわたって続いてきた“ランエボ”の歴史にひとまず、幕を下ろすこととなりました。

5. ホンダの軽オープンスポーツカー「S660」発売(4月)

ホンダから660ccターボエンジンをリヤに搭載する、ミッドシップレイアウトのオープン2シータースポーツ「S660」が発売されました。ホンダが軽自動車のスポーツカーを発売するのは1996年にビートの生産を終了して以来、実に19年ぶり。当時26歳だった若手エンジニア、椋本稜氏が開発責任者となったことも話題となりました。

6. マツダ・ロードスターがフルモデルチェンジ(5月)

2014年9月、ロードスターの生誕25周年を記念して開催された「マツダ ロードスター THANKS DAY IN JAPAN」で発表された4代目ロードスター(ND型)がついに発売されました。9月にはモータースポーツのベース車両として最適な装備を施した「ロードスターNR-A」も発売。12月には、「2015-2016 日本カー・オブ・ザ・イヤー」にも選ばれました。

7. トヨタとマツダが業務提携を発表(5月)

これまでもトヨタのハイブリッドシステム技術のライセンス供与や、マツダ・メキシコ工場でのトヨタの小型車生産などを通じて業務提携を行ってきた2社が、「クルマが持つ魅力をさらに高めていく」ことを念頭に、継続性のある協力関係の構築に向けた覚書に調印。クルマの魅力をより高めていくべく、業務提携することを発表しました。

8. レクサス国内開業10週年(8月)

1989年にアメリカでスタートしたトヨタの高級車ブランド「レクサス」が、8月30日(土)に日本での開業から10周年を迎えました。それに先駆け、レクサスの各モデルには10周年記念特別仕様車「F SPORT X Line」をLS、GS、IS、CTに設定した他、RXとGSがフルモデルチェンジ、GXが新登場するなど、レクサスにとって話題の多い1年となりました。

9. トヨタ・プリウス、4代目を北米で発表(9月)

全世界に向けて発信すべく、アメリカ・ネバダ州ラスベガスで発表。大胆に変化したエモーショナルなスタイリングで、世界を驚かせてくれました。日本では12月9日(水)に発売されましたが、発売日時点ですでに5万台の予約受注あったとか。トヨタの新しいクルマづくり「TNGA」の第1号車となった4代目プリウスには、プリウス史上初の4WDモデルもラインナップされました。

10. フォルクスワーゲンの排ガス不正が発覚(9月)

米環境保護局(EPA)が「フォルクスワーゲンが排ガス基準をクリアするために不正を行った疑いがある」と発表、世界中に波紋が広がりました。当初はディーゼルエンジン車のみだと思われていましたが、一部ガソリン車の不正も発覚。日本に対象車種はないものの、販売台数は減少。16年間守ってきた「輸入車販売台数1位」の座をメルセデス・ベンツに明け渡すことになりそうです。

フォルクスワーゲン問題など、いいニュースばかりではなかったものの、手頃な価格のスポーツカーが発売されたり、エコカーの新しい形が登場したり、クルマ好きとしては楽しい選択肢が増えた一年ではなかったでしょうか?

2016年もGAZOO.comは「新カーライフ発見スイッチ」として、さまざまな切り口でクルマの楽しさを発信していきます。どうぞお楽しみに!

(木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]