ガス欠注意! 150km以上もGSがない高速道路区間も

高速道路上ではガソリンスタンド(GS)が減少傾向にあります。その理由は、クルマの燃費向上などによりガソリン需要が減少し、ガソリンスタンドの経営環境が悪化したため。2015年4月に国土交通省が調査したところ、ガソリンスタンド間の距離が100km以上の区間が全国で83カ所。そのうち150km以上ガソリンスタンドがない区間が16カ所ありました。そこで、今回は燃料切れに関する注意点を紹介します。

坂道や急加速・急発進で燃料残量が変化

クルマのメーター内にある、燃料がどれくらい残っているかを示す燃料計(フューエルメーター)。燃料タンク内に備えられたフロート(ウキのようなもの)が上下に動く量を読み取り、液面の高さを残量に変換して表示されます。液面の上下動をタンク内の一カ所で計測しているので、坂道や急加速・急減速などでタンク内の燃料が揺れると燃料計の針が上下することがあります。

航続可能距離を実際に走行できるとは限らない

燃料系の表示方法は、アナログ式とデジタル式があります。アナログ式は、指針が上下に動くもの。デジタル式は目盛りタイプのもので、燃料の増減と共に目盛りが伸び縮みするもの。さらに、最近では航続可能距離が表示されるクルマが増えてきました。表示距離は燃料残量と平均燃費で計算されるため、必ずしも表示された距離を走行できるとは限りません。とくに、高速道路を走行する際は、乗車人数や荷物の量、渋滞の有無、エアコンの使用、走行速度、タイヤの空気圧など、使用状況によって燃費が大きく変わるので注意しましょう。

燃料残量警告灯の点灯後の走行距離

燃料が少なくなってくると点灯して給油を促す「燃料残量警告灯」。車種によっては、タンク残量がどれ位になったら点灯するかが異なるため、点灯後に走ることができる距離は一概には言えません。また、前述した通り、走行環境によって燃費が変わるので気をつけましょう。

高速道路上で燃料切れになりそうになったら……

燃料残量警告灯が点灯したら、速度を抑え、すぐに路肩に移れるように左側の車線を走行しましょう。燃料切れになると、ゆっくりと速度が落ちはじめ、アクセルペダルを踏み込んでもエンジンが思うように反応しなくなります。エンジンが動いている間はフットブレーキとハンドルは利くので、慌てずに道路左側に移動しましょう。高速道路には500m~1㎞の間隔で「非常駐車帯」が設置されています。可能であれば非常駐車帯にクルマを止めましょう。

高速道路上でガス欠すると罰則の可能性も

高速道路上で燃料切れをして停車した場合、自動車の燃料の点検を怠ったとして、高速自動車道国道等運転者遵守事項違反で罰則を受ける可能性があります(反則金9,000円(普通車)、減点2)。最寄りのSAにガソリンスタンドがなければ、インターチェンジ(IC)で下りて一般道路のガソリンスタンドを探すことも検討しましょう。立ち寄ろうと思っていたガソリンスタンドが営業時間外だったり閉店していたりする可能性もあるので、早めの給油を心掛けましょう。

路外給油サービスの社会実験を実施中

NEXCO西日本(西日本高速道路株式会社)では、高速道路外のガソリンスタンドサービスを利用する社会実験を行っています。中国自動車道の吉和SAのガソリンスタンドが閉鎖中のため、安佐SA(広島市)から美東SA(山口県美祢市)の約150kmの区間にガソリンスタンドがありません。そこで、吉和ICと六日市IC周辺にある市中の指定ガソリンスタンドで給油し、流出ICと同一ICから1時間以内に再度流入した場合、目的地まで連続して走行した場合と同一通行料金にするというものです(ETC車限定、2016年4月19日まで)。

『高速道路外ガソリンスタンドサービス社会実験』の開始
― ETC車限定・中国道 吉和ICおよび六日市IC ―

今後も高速道路上のガソリンスタンド空白区間の解消に向けた取り組みが必要とされています。まずはドライバー自身が燃料切れを起こさないよう、注意しましょう。

(平野友紀子+ノオト)

[ガズー編集部]