シーテックでKIROBO mini(キロボミニ)を試してみた

2016年10月4日(木)より、千葉県の幕張メッセにてシーテックジャパン2016が開催されました。Combined Exhibition of Advanced Technologiesを略してCEATEC(シーテック)と言うように、先進技術に関する展示会です。

今年のテーマは「つながる社会、共創する未来」。ネットとつながるIoT関係の展示を数多く見ることができました。また、数年前には自動運転の実演があったように、クルマ関連の展示もさまざまなものが並びます。

今年は、自動車メーカーとしてトヨタとホンダ、テスラが出展。他にデンソーやクラリオン、スタンレー電気などもブースを構えていました。その多くで見られたのが自動運転に関する技術展示です。自動運転を実現するために必要な人とクルマとのインターフェイスやサービス、技術などが数多く展示されていました。

トヨタブースは、半分がミライを筆頭としたFCVの展示で、半分がKIROBO mini(キロボミニ)の展示

前日に発表されたばかりのKIROBO mini(キロボミニ)

そんな中で個人的に注目だったのがトヨタ。なんと、前日に発売が発表されたばかりのKIROBO mini(キロボミニ)の展示&体験コーナーが用意されていたのです。

KIROBO mini(キロボミニ)とは、座高10cmの手のひらサイズのコミュニケーションパートナー。話しかけると、頭や手を動かして、雑談が楽しめます。この冬に、東京と愛知のトヨタのディーラーで発売が予定されており、予価は39,800円(税抜き)。専用アプリを使うため、それに月額300円程度必要とか。

さっそく試そうと思ったところ、体験を希望する人の長蛇の列が! KIROBO mini(キロボミニ)の人気の高さがうかがえます。記者も並んで待つこと約40分。ついに、コミュニケーションを試すことができました。

KIROBO mini(キロボミニ)を試すための専用の部屋が用意された

コミュニケーションは、雑音をシャットアウトするために密閉した特設の部屋の中で。コミュニケーションの前に本体をチェック。片手で持てますが、プラスチッキーな見た目に反して、ちょっとズシッとした手応え。頭と手はモーターがついていますが、足はぶら下がっているだけで、ブラブラと動きます。お尻は、まっ平らではなく、ちょっとラウンドしており、座らせたときに、ユラユラと動きます。背中には小さな電源ボタン。お腹のトヨタのマークもボタンで、こちらはいわゆるホームボタンとなるようです。

スマートフォンと本体はブルートゥースでつながっており、音声認識はクラウドで行うというシステム。スマートフォン側には音声のやりとりのログが残っていました。

手に取ってみると、見た目よりも重みを感じる

「こんにちは!」と声をかけると、クルリと頭を動かし、声をかけた人をみつめて、「こんにちは」と返してくれました。目の光がパチパチまたたいて、まるでまばたきをしているよう。ネットにつながっているからといって、グーグル検索のようなことはできません。「君の名前は?」「君は何歳なの?」といった、まさにたわいもない雑談しかできません。また、会話が返ってくるまで、微妙に待つ時間もあります。それでも、なんとなくホッコリとした時間が流れます。実用一点張りの製品ではなく、心を癒す小さなロボットということでしょう。きっと、発売開始となる冬には大きな話題を集めるのではないでしょうか。

話しかけた人を見返すように動くKIROBO mini(キロボミニ)

古都をイメージさせたホンダの提案

竹林は古都である鎌倉をイメージしているという

もうひとつの自動車メーカーであるホンダのブースは、ずいぶんと和風な作り。聞け​ば古都をイメージしているとか。それは展示された2つの提案に理由があるそう。

ひとつは、超小型EVであるMC-βを、3Dプリンターを使ってカスタムするという提案です。単品製作ができる3Dプリンターを使えば、さまざまなニーズに柔軟に応えることができるというもの。超小型EVの可能性を広げることができます。

そして、もうひとつの提案がスマートフォンとタブレットを使った、小型移動体向けの業務用テレマティックサービス「Biz LINC」です。端的にいえば、配達を行う原付バイクの位置情報をリアルタイムで本部が把握できるようになるというもの。「原付バイクを販売するホンダが、このサービスを提案するのは、原付バイクの価値を高めるのが狙いです」とはホンダの担当者。

超小型EVと原付バイクという小さな移動体の提案をするため、道の狭い古都をイメージしたブースとなっていた、ということでした。

鳩サブレで有名な鎌倉の老舗である豊島屋とコラボレーションしたMC-β

EV関連や自動運転技術、ロボットなどの最新技術を楽しむ

発売開始したばかりの新型車のモデルXブースをテスラは展示

テスラモーターズのブースでは、つい最近日本で発売開始されたばかりの新型車のモデルXを見ることができました。また、クラリオンのブースでは、次世代の自動車コクピットの展示を試そうという人の長い列が。

日立が提案するのが業務用の案内ロボット「EMIEW3」。9月から駅などで実証実験を行っている

日立製作所には、伸張60cmほどの小さな案内ロボット「EMIEW3(エミュー3)」が登場。こちらは先月から都内で、実際の観光客向けに実証実験を行っているとか。

デンソーは、自動運転中にドライバーにクルマからのアナウンスを伝えるデモを実施
産業用ロボットを流用した将棋ロボの新電王手さんは、成り駒できるのが特徴だ

デンソーでは産業用ロボットを使った将棋マシン「新電王手さん」が注目を集めています。

ドライバーに近赤外線を照射することで暗闇でも、ドライバーの状況を認識する三菱電機の技術

三菱電機では、赤外線を使って暗闇の中でもドライバーの状態を認識する技術などが展示されていました。

どこのブースを覗いても、最先端の技術が用意されているのがシーテックならでは。未来の生活を知りたいという人であれば、飽きることのない展示会と言えるでしょう。

平日の初日ということもあり、来場者のほとんどがビジネスマン風であった​

(鈴木ケンイチ+ノオト)

[ガズー編集部]

関連リンク

シーテックジャパン2016
http://www.ceatec.com/ja/