続々と増加中! 日本で買えるPHV20モデル

ついに新型のプリウスPHVが日本でも正式発表されましたね。
「PHV」とはプラグイン・ハイブリッド・ヴィークルの略で、外部から充電できるハイブリッドカーのことを示します。通常のハイブリッドカーに比べると大きなバッテリーを搭載し、エンジンをかけずにモーターだけで走行できる上限速度や走行距離が伸びているのが特徴。近所だけを走るのならガソリンをほとんど消費せず、電気自動車と違って航続距離の制約を心配しなくてもいい「いいとこどり」のクルマといえます。
ただしウィークポイントは車両価格が高くなりがちになること。だから自動車メーカーは基本的に高価格のクルマを中心に販売しています。今回は、日本で購入できるPHVをまとめてみました。

トヨタはプリウスPHVをフルモデルチェンジ

2月15日(水)に新型が発表されたばかりの『プリウスPHV』。EV走行距離(エンジンをかけないで走れる距離)は68.2km、つまり遠出をしなければほぼ電気自動車と同じ使い勝手といえます。ボディは普通のプリウスと共用していますが、前後デザインはPHV専用でインパネなども大型のタッチパネルを組み込むなどオリジナル。

価格は326万1,600円〜422万2,800円。エンジンは1.8Lだ

SUVのPHVをラインナップする三菱

三菱の『アウトランダー PHEV』はプラグインハイブリッドシステムを搭載した、国産車のSUV。あえてSUVをプラグインハイブリッド化してきたところが、オフローダーのイメージが強い三菱らしいですね。悪路も走れるし広い荷室が広くて実用的だから、キャンプなどにも最適。エンジンは2.0LでEV走行距離は60.2~60.8kmです。2017年2月の一部改良では可能な限りEV走行をおこなう「EVプライオリティモード」が追加されています。

車名の「PHEV」とは「プラグイン・ハイブリッド・エレクトリック・ヴィークル」の略で、電気自動車に近いキャラクターであることが強調されている

3種類の車体を選べるフォルクスワーゲン

ハッチバックの『ゴルフ』、セダンの『パサート』そしてステーションワゴンの『パサートワゴン』と3タイプのボディに『GTE』と名乗るPHVを用意するフォルクスワーゲン。1.4Lターボエンジンを組み合わせたシステムは基本的に共通ですが、モーター出力やバッテリー容量などは『ゴルフ』と『パサート』系で若干異なります。いずれにせよ共通するのはスポーティな走行フィーリング。単なるエコカーではなく走りが魅力的なクルマとして位置づけられているのです。

シリーズの中で『GTI』と並ぶスポーツモデルとして位置づけられているゴルフ『GTE』。EV走行距離は53.1km。価格は469万円
パサートにはセダンと『ヴァリアント』と呼ぶワゴンをラインナップ。いずれもEV走行可能距離は51.7km。価格は519万9,000円~599万9,000円

メルセデス・ベンツはSUVも用意

メルセデス・ベンツはグレードを示す数字の後ろに「e」と付くのがPHVの目印です。コンパクトセダンの『Cクラス』、そのステーションワゴンである『Cクラスステーションワゴン』、ラージセダンの『Sクラス』、そしてCクラスをベースにしたSUVの『GLC』にPHVを設定。普及モデルのCクラスやGLCだけでなく、ハイエンドセダンにもラインナップしているのがポイントです。

『Cクラス』は『C350eアバンギャルド』というグレード名で、車体形状はセダンとステーションワゴンが選べます。エンジンは211馬力の2.0Lターボで力強い走りも自慢。セダンが721万円、ワゴン788万円。EV走行可能距離はセダン25.6km、ワゴン25.4km
『GLC』はCクラスをベースに作られたコンパクトなSUV。PHVモデルは『GLC350e 4MATIC Sports』という名称で、駆動方式は4WD。エンジンはCクラス同様に2.0Lターボを組み合わせます。価格は863万円でEV走行可能距離は30.1km
メルセデス・ベンツでもっとも大きな車体のセダン『Sクラス』にもPHVが用意されています。『S550e ロング』は標準車よりも長いボディに333馬力を発生するV6ターボエンジンとプラグインハイブリッドシステムをドッキング。価格は1,638万円。EV走行可能距離は29.1km

なんと7車種。実はPHVが充実のBMW

何を隠そう、日本においてもっとも多くの車種でPHVを展開しているメーカーはドイツのBMWです。コンパクトハッチバックの『2シリーズアクティブツアラー』にはじまり、セダンはコンパクトの『3シリーズ』、ミドルの『5シリーズ』、そしてラージの『7シリーズ』とすべてのモデルに設定。さらにSUVの『X5』、「BMW i」という電気自動車ブランドからも『i3』そして『i8』と2台のPHVモデルをラインナップしています。その数合計7モデルと、日本市場では抜群の存在感ですね。

前輪はエンジン、後輪をモーターで駆動する4WDシステムを備える2シリーズグランツアラーのPHV。『225xe iパフォーマンスアクティブツアラー』という長い正式名称を持つ。 エンジンは直列3気筒1.5Lターボ。506~527万円
『330e iパフォーマンス』は2.0Lのターボエンジンを組み合わせる。579~624万円
BMWの最新ハイブリッドとなる『530e』。エンジンは4気筒2.0Lターボだ。778~803万円
大型セダンの7シリーズは、もっともリーズナブルなグレードとして2.0Lの4気筒ターボエンジンを積むプラグインハイブリッドモデル『740e iパフォーマンス』を展開。1,169~1,240万円
2.0Lの4気筒ターボエンジンを組み合わせるSUVの『X5』。約120km/hまでモーターだけで走行できる。949~1,011万円
モーター走行車だけをラインナップするブランド『i』。フラッグシップモデルの『i8』(左)は1.5Lの3気筒ターボエンジンを組み合わせるスーパーカー。フルカーボンボディでシステム出力は632馬力を誇る。価格は1,991万円。普及モデルの『i3』はエンジンを積まない電気自動車のほか、「レンジエクステンダー」と呼ぶ347ccの2気筒エンジンを発電用に搭載する仕様が用意されており広い意味ではPHVに分類される。546~607万円

アウディはコンパクトハッチバックを用意

アウディが日本で展開するPHVはコンパクトハッチバックの『A3スポーツバック eトロン』。アウディはレースにおいてもハイブリッド車で多くの勝利を収めていて、そのレーシングカーもサブネームに『eトロン』と名付けられてイメージの統一をはかっています。

エンジンは211馬力の1.4Lターボ。モーターのみでの最高速度は約100km/hで、バッテリーによる航続距離は約50キロ。564万円

セダンとSUVを用意するポルシェ

ラージセダンの『パナメーラ』とラージSUVの『カイエン』に『Eハイブリッド』と呼ぶプラグインハイブリッドモデルを用意するポルシェです。ポルシェも他のドイツメーカーと同様に、プラグインハイブリッドを「速さと燃費を両立するシステム」と位置づけていて、エンジンはパナメーラで2.9L、カイエンは3.6Lと大排気量。ただ、現時点では911などスポーツカーにはプラグインハイブリッドの用意はありません。かつて「918スパイダー」という、システム出力887馬力と市販車世界最速の0-100km/h加速を誇る、超高性能のプラグインハイブリッドスーパーカーを約1億円(日本でもユーロ建てで車両価格が設定されていた)で販売されていたこともあります。

スーパーチャージャーつきのV6 3.0Lエンジンは333psを誇り、0-100km/h加速5.5秒という俊足でポルシェファンの期待を裏切らない『パナメーラ』。1,407~1,529万円
カイエンのハイブリッドは高性能仕様を意味する『S』モデルとなる。エンジンはパナメーラ同様にスーパーチャージャーつきのV6 3.0L。1,199万円

ボルボも今後は積極的にPHV化を推進

現在のところ日本においては大型SUVの『XC90』のみにPHVを用意するボルボ。しかし新世代のボルボの車体はモーターの装着やバッテリー設置も盛り込まれた設計になっていて、日本でも近日発表されるステーションワゴン『V90』やセダン『S90』にもプラグインハイブリッドが用意される見込みです。

エンジンとモーターの組み合わせを「ツインエンジン」と呼ぶボルボ。エンジンはスーパーチャージャーとターボを組み合わせた2.0Lの4気筒。システム出力は407馬力を誇り、後輪をモーターで駆動する4WDシステムと組み合わせる。XC90『T8ツインエンジン』の価格は1,009万円~1,299万円

日本勢は効率優先。欧州勢は速さも重視している

2017年2月中旬現在、日本で購入できるプラグインハイブリッドカーは20モデル。そのうちの約1/3となる7車種がBMWだというのはちょっと意外ですね。こうしてみると、日本のPHVモデルは効率を重視して比較的小さなエンジンを積みますが、欧州勢は大排気量もしくはターボを備えた高出力エンジンを組み合わせてハイパフォーマンスを狙っており、その考え方の違いが興味深いところ。高速道路での130km/hを超える超高速走行も日常的におこなわれる欧州では、プラグインハイブリッドといえども、やはり速さが重要ということなのでしょう。
それにしても、こうして並べてみるとドイツ勢ばかりが勢力を拡大している印象。日本メーカーからもいろんな車種のプラグインハイブリッドカーを期待したいですね。

(工藤貴宏+ノオト)

[ガズー編集部]