クルマ雑誌の編集部に潜入!「ハイパーレブ」

スポーツカーを所有すると、パーツやカスタマイズ情報が載っている雑誌がほしくなりますよね。納車前から雑誌を読んで、カスタマイズメニューの妄想を膨らませる人も少なくないものです。今回は、チューニング&ドレスアップ誌「ハイパーレブ」の編集部を突撃! 200号を超える歴史ある雑誌にかける想いを聞いてきました。

情報の詰まった雑誌は業者御用達!?

お話をうかがったのは、ハイパーレブ編集長の渡辺文緒さん。なんと、三栄書房社員としてのスタッフは渡辺さんたった1人で、社外のライターさんやカメラマンさん、デザイナーさんと連携して、情報満載のムック本を作っています。

社員スタッフは渡辺さんおひとり! 外部と連携しているとはいえ、この情報量を一人で統括しているとは驚くほかない

不定期発行のハイパーレブは、毎号1車種を特集。オーナーさんが知りたいカスタマイズ情報やチューニング情報、中古車情報などが、痒いところに手が届くほどモリモリと詰め込まれています。

「ハイパーレブは、税込みで1冊2160円と安い金額ではない雑誌です。だからこそ、手にとっていただくユーザーさんのニーズをしっかり満たす誌面を作っていきたいと考えています」

たしかに一冊一冊は、分厚くて情報も満載。そのたしかで幅広い内容から、ディーラーや中古車店の営業マンが、ハイパーレブを片手に商談を進めることもあるのだとか。

安定した情報量と企画力がユーザーからの支持を集める

ハイパーレブは、「読み捨てる」ではなく、本棚に保管して大切にする人も多いそう。それは、雑誌としてのおもしろさはもちろん、パーツカタログとしての側面も持つためです。それだけに、掲載されるパーツ点数は膨大。

「情報の正誤の管理を一人で担当するのは大変なのでは?」と、疑問をぶつけてみると「やはり難しい部分はありますが、正確な情報をお届けすることが私たちの役目。長年やりとりしている外部スタッフとの連携も取れていますし、そのあたりは問題ありません」と、頼もしいお返事が返ってきました。

誌面後半で展開されるパーツカタログは、保存版として読み返すユーザーさんも多い

ちなみに特集する車種は、年間通して先に企画しておくものの、最近発行したものの中ではトヨタ・86やホンダ・S660の評判が高かったそう。

「86に関しては、AREA86のマスタースタッフをサーキットに集めて、最新パーツの体験会を特集のひとつとして実施しました。そのほかにも、ユーザーさんに関心を持ってもらえるような企画を積極的に行ったので、『Vol.214 トヨタ86&スバルBRZ No.8』は、特に評判をいただいた号のひとつですね」

「86に関しては、AREA86のマスタースタッフをサーキットに集めて、最新パーツの体験会を特集のひとつとして実施しました。そのほかにも、ユーザーさんに関心を持ってもらえるような企画を積極的に行ったので、『Vol.214 トヨタ86&スバルBRZ No.8』は、特に評判をいただいた号のひとつですね」

各号とも特集の方針に奇抜さこそないものの、安定した情報量とユーザー視点に立った企画で、支持を集めている、そんな印象でした。

今後のハイパーレブが目指すところとは?

最後に、これから編集長としてハイパーレブでやってみたいことを伺ってみました。

「まだまだ、トライしてみたいことはたくさんありますね。その一貫として、最新号の『Vol.217 HONDA・S660』には、特別付録としてDVDをつけました。今後はスポーツカーだけでなく、ミニバンの特集号などもやってみたいですね」

1993年から発行され、2017年4月現在、最新号はVol.217。しかし、やりたいことはまだまだ尽きない

ちなみに今回、取材に同行したスタッフも、「初めてスポーツカーを買ったとき、ハイパーレブを買って熟読しましたよ!」と、初スポーツカーの思い出を告白。当時の思い出バナシで盛り上がっている様子を見て筆者は、「ユーザーのニーズをちゃんと満たす誌面作り」という、当たり前だけど難しい部分を追い続けているからこそ、長きにわたって愛されているんだなと感じました。

HYPER REV(ハイパーレブ)
出版社:三栄書房
発売日:不定期刊
価格:¥2,000円+税
ウェブサイト:http://www.sun-a.com/

 

(文・おおしまりえ+ノオト、写真・小鮒康一)

[ガズー編集部]