絶景にマセラティがずらり!ビトルボ フェスタ2017レポ

現在筆者が比較的アシに使うことが多いのは1991年に新車登録されたマセラティ・430。このクルマも含めたマセラティのビトルボ(ビトゥルボ)モデルばかりを対象にしたイベント「BITURBO FESTA2017」が4月16日(火)、静岡市の日本平ホテルで開催されました。対象車種はビトルボから3200GTまで。2010年に開催されたBITURBO FESTAの再来です。

マセラティ・ビトルボモデルとは

今ではイベント以外では、なかなか見かけなくなったマセラティ・ビトルボ

2014年に創立100周年を数え、ギブリ、レバンテなど多数の車種をラインナップしているマセラティ。クルマの信頼性も向上し、日本でも積極的なディーラー網構築が進んだため、販売台数も年々前年を超すような人気のブランドになりました。

しかしここまで順調にきたわけではありません。後ろ盾が何度も変わる中、1980年代から1990年代まで生産されたのが、ビトルボに端を発する比較的コンパクトなマセラティ。それまでV8モデルを中心に展開していましたが、BMW3シリーズ程のボディサイズで豪華な内装に。さらにハイパフォーマンスな性能を与え、価格は3シリーズより高め、というポジションのクルマをリリースしました。最盛期には年間で5000台ほど生産されており、倒産の危機を迎えていたマセラティにとって「中興の祖」とでもいうべき存在になったのです。

またビトルボという名称は、ツインターボのドイツ語表記(BITURBO)からきており、日本の石川島播磨重工業(現IHI)製ターボチャージャーを搭載していました。さらに発売時期はちょうど日本の好景気。一味違うクルマに乗りたいという人や、多くの芸能人、文化人の目にもとまり、マセラティの名を日本国内に広めたのです。また内外装の意匠が当時の日本車に与えた影響も少なくありませんでした。

筆者のマセラティ・430。今回のイベントではこの1台のみの参加だった

絶景ポイントにズラリ! ビトルボモデルが大集合

日本平ホテルからは富士山と駿河湾を一望できる

今年は例年になく桜の開花が遅かったという静岡周辺。半分近くのクルマが前泊で集まるというので筆者も前日から参加しました。

前泊の参加者のみなさんとの食事の前に愛車を駐車場にクルマを停めると彼方に富士山が
2010年に開催された際に作られたイベントのエンブレムは早川渡氏によるもの。100台の矢(マセラティエンブレムの一部分)が一堂に会す、を意味している

前回は2010年に開催したこのイベント。その後、ホテルの改装や「イベントをノルマ化したくない」という主催者の白上さんの意向で休眠状態でしたが、本年急きょ開催が決定。「30台も集まればいいのでは?」と思っていたところにキャパシティを大幅に超える申し込みが殺到し、結局事前に締め切ったため、参加できなかった方もいたそうです。

イベント当日の朝は日本平の駐車場で集合。ブリーフィングを行う参加者たち

最終的には、富士山と駿河湾を一望できる絶景ポイントにビトルボで集まるために、総勢53台、90名がエントリーしたとのこと。

桜の下をゆくスパイダーザガート。とても絵になる
ビトルボのボンネットを開けて、メカニズムやモデルの変遷などに花を咲かせる参加者たち

特に普段はクルマで入ることのできない日本平ホテルの芝生の上に、希少車が一堂に会したことは筆者にとっても参加者にとってもいい思い出になりました。できればまた、この愛車で集まって、仲間たちとの時間を共有したいと思わせるイベントでした。

集えたことに感謝。全員で記念撮影

世界中でにわかに見直されつつあるというビトルボ。皆さんも機会があれば乗ってみてはいかがでしょうか。

(中込健太郎+ノオト)

[ガズー編集部]