ポルシェにとって「ル・マン」とは? ~効率への挑戦~

2017年6月17日(土)~18日(日)にかけて開催された「ル・マン24時間レース」の決勝レース。昨年の雪辱を果たすべく万全の体制で臨んだトヨタは、3台中2台が朝を迎えることなくレースを去り、ただ1台残った8号車が総合8位に。最後に大逆転を見せ3連覇を達成したライバル・ポルシェも1台はリタイア、総合優勝を飾った2号車もレース開始早々に長いピット作業を行うなど、今年は文字通りサバイバルレースとなりました。

そんな波乱万丈の激闘から4日前の6月13日(火)、六本木・東京ミッドタウンにてポルシェ ジャパン株式会社 代表取締役社長 七五三木(しめぎ)敏幸氏と、TOYOTA Gazoo Racing マーケティングディレクターの北澤重久氏によるトークショーが開かれていました。

ポルシェの歴史は「効率性能への追求」の歴史

その中で七五三木氏は、「ル・マンはポルシェにとってシュツットガルトと同様にホームグラウンドである」とコメント。また、最高速度やコーナリングスピードで語られることが多いモータースポーツの中で「ポルシェは効率性能を追求してきた。それはモータースポーツだけではなく、創業時からの取り組んでいるテーマである」と語っていました。

ポルシェは、1900年の時点で電気自動車を発表し、同年「エンジン+電気モーター」のハイブリット自動車の開発にも成功。1951年のル・マン24時間レースでは、勝利を飾っただけではなく、「もっとも熱効率がいいクルマ」として表彰もされています。このことからも、ポルシェの歴史が「効率性能の追求」の歴史だったことがわかりますね。

技術はモータースポーツから市販車へ

「これまで(イベント開催時点で)、18回もル・マンを制覇してきたのは、徹底した高効率の追求をしてきたのが理由」と七五三木氏。今年、ル・マンに出場したポルシェ 919ハイブリットは、減速時のエネルギー回収だけではなく、加速時の排ガスのエネルギーも回収しているそうですが、この技術は将来の市販車に導入予定だとか。ポルシェにとって、モータースポーツは新たな技術を試す絶好の場でもあるわけです。

そして話は、レースからEVとPHVへ。ポルシェは、2015年のフランクフルトモーターショーで「2020年までに電気自動車を市場投入」すると掲げていて、七五三木氏は「東京オリンピックが開催されるこの年は、日本市場で次世代EVスポーツカーを発表するのに絶好の機会だと考えている」と力強く語っていました。そのための独自のチームを立ち上げて準備を進めている最中だそう。

今回のトークショーでは、ポルシェにとってル・マンがプロモーションだけではなく、市販車への技術をつなぐチャレンジの場であることが、改めて伺えました。これまでにポルシェがモータースポーツに投入してきた技術、あるいはこれから登場する技術が、市販車にどんな風に活かされていくのか、これからはそんなところにも注目していくとおもしろそうですね。

(クリハラジュン+ノオト)

[ガズー編集部]