交通安全祈願・車祓って、どんなことをするの?

安全運転を心がけるのは当たり前のこと。さらに安心を得るために交通安全祈願やクルマのお祓いを受けるドライバーも多いことでしょう。クルマのおはらい=車祓(くるまばらい)は実際、どのように行われているのでしょうか。北海道神宮教化部 権禰宜(ごんねぎ) 遠田信之さんに伺いました。

まずはドライバーをお祓い

――車祓というのはクルマだけをおはらいするのですか?

クルマだけをおはらいするわけではありません。まず、クルマを係員の誘導で神宮の門の正面に駐車していただきます。そして、ご祈祷の受付がすみましたら、控殿でお待ちいただきます。巫女の案内により本殿内に入っていただき、大麻(おおぬさ)で祈祷を受ける方をおはらいします。

神主が持っている棒に切り紙がついているものが大麻
神主が持っている棒に切り紙がついているものが大麻

次に神主が本殿の上の方に進んで、皆さんの名前、住所を入れた祝詞を奏上して交通安全を祈願し、続いて巫女が神楽を奏上します。それから、皆さん一人ずつに玉串をお渡しし、お祈りをささげていただく。北海道神宮では、この玉串はオンコ(イチイ)の木を切ったものです。そのあと授与品(お守り)をお渡しし、クルマまで移動してお祓いをするという流れになります。

新車おろしのタイミングが最も多い

――車祓を受ける際、準備することなどはありますか?

特に準備するものはありません。受付で初穂料をおさめていただいてから、おはらいを受けていただきます。

――受けられる方の年齢層はいかがですか? また、どういうタイミングで受けられる方が多いでしょう?

おはらいを受けられるのは若い方から年配の方までさまざまです。
多いのは新車、中古車など、クルマを新たに購入された時。新年の仕事始めなどです。タクシー会社で、全車両を神門下に並べて1台ずつおはらいしていくということもありました。
あと、これはないに越したことはないのですが、事故を起こしてしまったので、おはらいを受けたいという方もいらっしゃいます。

新年の仕事始めには門の正面にずらりと社用車が並ぶ
新年の仕事始めには門の正面にずらりと社用車が並ぶ

――車祓を受ける方が多い時期というのはありますか?

春先は新車を買われてという方が多いです。新年はやはり仕事始めでという社用車が多いですね。
時期を決めて毎年お祓いを受けるという方もいらっしゃいますし、おはらいまでしなくても、毎年お守りを受けるという方もいます。神棚のお札を1年に1度変えるのと同じです。

ただ、おはらいを受けたから、事故が起きないというわけでは当然ありません。運転する方が安全に気をつけることが一番なんです。お祓いを受けることで神様のご守護をいただくのと同時に安全運転の気持ちを新たにするということだと思います。

――ありがとうございました。

おはらいはただただ神様頼み……ではなく、気持ちを引き締め、心新たに、安全運転を心がけるよい機会でもありますね。
今回お話を伺った北海道神宮では、予約なしで受けられるそうですが、予約が必要な神社もあります。車祓を受ける際はお問い合わせ下さい。

(取材・文・写真:わたなべひろみ 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

[ガズー編集部]

取材協力