4000名以上参加で大盛り上がり! 10回目を迎えたカングージャンボリー2018

ルノーカングーは今や世界中で活躍する小型商用車。日本では乗用車仕様のみの販売となりますが、独自のファンを多数抱える、人気輸入車の一台として、すでにおなじみですよね。

そんなルノーカングー好きが集う世界最大級のファンミーティング「カングージャンボリー」が今年も5月14日、山中湖交流プラザ「きらら」で開催されました。

朝から曇りがちながら富士山はくっきり
朝から曇りがちながら富士山はくっきり

イベント10回目だけじゃない! 今年はルノーにまつわる節目の年

カングーの歴史はすでに20年。忘れることのできない様々なモデルが展示されていた
カングーの歴史はすでに20年。忘れることのできない様々なモデルが展示されていた

カングージャンボリーは今回で10回目の記念イヤー。今年は、ほかにも様々な節目が重なっています。

まずは、カングー自体も20周年となりました。そしてルノーの創設者ルイ・ルノーが初めてクルマを走らせ、その場で12台分の注文をもらって自動車生産に乗り出したのが1898年のクリスマスイブ。今年はルノーにとっても120周年という節目の年だったのです。

色とりどりの参加車両が続々入場
色とりどりの参加車両が続々入場

朝方は開会前の天気は曇り。日差しはそれほど強くないものの、富士山はくっきりと見える「カングージャンボリー日和」でスタートしましたが、お昼頃になると本降りの雨に見舞われてしまいました。それでも、全国各地から1,373台のカングーが参加、参加者数も2017年を上回る4,317名と大いに盛りあがりました。

記念撮影もこの人数だと大変! 左右にも多くの人がいました
記念撮影もこの人数だと大変! 左右にも多くの人がいました

そんな節目もあって、気ままなフレンチタッチののんびりとしたイベントに、これまでの歴代カングーの展示など歴史的要素も加わった内容に。参加者たちは写真を撮ったり、感慨深げに眺めたりしていました。

フランスの郵便で使われているカラー。よく日本の街角で見かける黄色とは、また少し違う
フランスの郵便で使われているカラー。よく日本の街角で見かける黄色とは、また少し違う

個性的なエントラントたち。大人気!! 先着順のフリマゾーン

毎年人気のフリーマーケット。カングーでの参加車のみ出店可能なのですが、それでも先着100名ということで、あっという間に枠が埋まってしまいます。日用品などを販売するショップから、ルノーやカングーをはじめとしたクルマ関連のワンポイントデザインをあしらった小物など、自ら製作して販売する参加者も。開会の前から、すでにちょっとしたマルシェ感が出ており、出展者ばかりでなく参加者たちが大勢そぞろ歩きを楽しんでいました。人気商品は早々売り切れになっていることも。

カングーで野点が趣味というこちらの方。河川敷などカングーが停められればそこで一服
カングーで野点が趣味というこちらの方。河川敷などカングーが停められればそこで一服
フリーマーケットでお茶をたてるわけにもいかないので、なかなか味わい深い小物を販売していた
フリーマーケットでお茶をたてるわけにもいかないので、なかなか味わい深い小物を販売していた

出展するために家を3時前に出発したという神奈川県からのファミリーがいたり、毎年恒例で今回のための記念グッズを用意するショップがいたり。さらにはカングーで野点が趣味というデザイナーをしているという男性もお友達とともに参加。今にも「お茶会が始まりそう」といういでたちで、背景の富士山を借景にして持ち寄った小物などを並べて販売していました。

とてもためになる絵本が売られていた。カングーのボディバリエーションなどもわかりやすい
とてもためになる絵本が売られていた。カングーのボディバリエーションなどもわかりやすい
OZホイールのブースも。「カングーにぴったり」とダイレクトに訴求ができるのも、このイベントの特徴かも。空くじなしのくじ引きが人気を博していた
OZホイールのブースも。「カングーにぴったり」とダイレクトに訴求ができるのも、このイベントの特徴かも。空くじなしのくじ引きが人気を博していた

ルノー本社からスペシャルゲストも登場!

今年はさらに、スペシャルゲストとして、ルノー本社より、カングー・プロジェクト最高責任者フィリップ・カイエットさんがカングージャンボリーのために来日。日本のカングーファンたちとの交流が行われました。

右からルノージャポンの大極社長、カーライフエッセイストの吉田由美さん、カングー・プロジェクト最高責任者フィリップ・カイエットさん
右からルノージャポンの大極社長、カーライフエッセイストの吉田由美さん、カングー・プロジェクト最高責任者フィリップ・カイエットさん

「もともとは商用車ながら、乗用仕様もラインナップすることで、様々なユーザーに愛されているのは確かです。しかし、日本に来てみてもっと様々な訴求方法があると触発されました。
様々なパワープラント、トランスミッションなどを用意しているのはカングーの強みです。これは世界中で多くのユーザーから支持される理由であり、ライバル車にない強み。しかもこんなに様々な色もあります。いろんなマーケットでフレンチタッチとともに、カングーはいろんな人に親しまれていることを改めて実感しました。
フランスのイメージをさらに強めるという点では、特にフランス以外のマーケットにおける、フレンチブランドとのコラボレーションモデルの可能性など、更なるセールスの上積みにつなげられる可能性もあると思いました」

と、今回の感想について話すフィリップ・カイエットさん。さらには「一人一人にぴったりのキャラクターに仕上げることのできるカングー、もっと多くの方にご愛用いただきたいです」と話していました。

恒例の山中湖リリース! 今年も限定車クルールがお披露目される

これだけカングーのファンが、カングーに気持ちを向けて集う場も少ないでしょう。すっかり毎年恒例になりました、カングージャンボリーの場での限定モデル「カングー・クルール」の発表。今年もありました。

カングー・クルールは参加者の注目の的
カングー・クルールは参加者の注目の的

今回のクルールのテーマは「夏のバカンス」。夏、バカンスで賑わうフレンチアルプス。青々としたもゆる緑、抜けるような空の青をイメージした「ヴェールモンターニュメタリック」および「ブルーシエルメタリック」の2色で登場しました。まさに山の緑と空の青という色。

ヴェールモンターニュメタリックとブルーシエルメタリック、コントラストが鮮やかだ
ヴェールモンターニュメタリックとブルーシエルメタリック、コントラストが鮮やかだ

ちなみにヴェールモンターニュメタリックは、本国のカングー生産工場「モブージュ工場」では、ラインでの塗装設定がありますが、日本では初お目見えとのこと。ブルーシエルメタリックの方は、通常モブージュでの設定色にもない色で、今回日本への限定車のために、特別に用意されたとのことです。本国との調整も含め、18か月ほどかけて準備してきたそうですよ。

この「クルール」という名前は、カタログ設定色にはない日本初お目見えのカラーリングを施された特別仕様車に与えられるネーミングです。今まで各色30台ずつ程度で小出しに設定されてきました。もともとはフリートユーザー向けのサービスを活用して行われていたようで、最近まで職人さんによる手塗りだったのだとか。
ただ、ラインオフの施工クオリティはクリアできても、経年によるペイントのクオリティに限界があったため、最近のクルールはもう少し台数をまとめて、ライン塗装で製造されているのだそうです。ルノー・ジャポンのスタッフは「塗装のクオリティのためにも各色100台ずつ、今回の合計200台という規模は最低限必要な台数だったという経緯もあるのです」と教えて下さいました。

また、道具感を増すノンカラードのバンパーもすっかり恒例。実は、よく見るとフロントグリルとバンパーの間がボディカラーで塗装されています。単に着崩すだけではなく、細部にもこだわりを持たせて、特別仕様車としての価値をしっかりと与えているのです。このあたりも、限定シリーズの明確な付加価値となっていると言えるでしょう。

バンパーとグリルの境目にもしっかりさし色が。ベーシックなシンプルネスだけではなく、抜かりない洒落が効いている。カングーの進化は今とどまるところを知らない
バンパーとグリルの境目にもしっかりさし色が。ベーシックなシンプルネスだけではなく、抜かりない洒落が効いている。カングーの進化は今とどまるところを知らない

前出のフィリップ・カイエットさんも「こうしてカラーリングのバラエティだけでも、更なる拡販につながるかも」と触発されていました。色とりどりながら、道具的なシンプルネスとユーティリティーという日本でのカングーに対するキャラクタライズが、もしかすると今後のカングー自体の商品企画にも影響を与えるかもしれませんね。

昨年以上に台数も集まり、限定モデルも例によって発表され、節目の開催ということで歴代の個性あふれるモデルも展示された今回のカングージャンボリー。会場を後にする頃にはすっかりカングーが欲しくなってしまうのでした。

凡百のピープルムーバーよりも乗り心地が良く、ホットハッチかと錯覚するかのようにいい脚を持ち、FF車の美点を感じることのできるハンドリング。愛嬌につられて、色とりどりのカラーリングで選んでも、しっかりとクルマ作りの奥深さを感じることのできるクルマだからこそ、ファンの心をとらえていることは間違いありません。

(取材・写真・文:中込健太郎 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

[ガズー編集部]