夏の日差し対策に! 自分に似合う快適なサングラスの選び方

梅雨が明ければ、日差しが強い夏の季節がやってきます。お出かけ日和が増える一方で、日中のドライブにはサングラスが欠かせなくなりますよね。しかし、サングラスをかけているとこめかみが痛くなったり、目が疲れたりした経験がある人も多いのではないでしょうか。

快適な夏のドライブには、自分にぴったりのサングラスを選ぶことも大切なポイント。そこで、夏の日差しに最適なサングラスはどんなものか、また、自分に合うサングラスの選び方などをSWANSブランドのスポーツサングラスを製造・販売している、山本光学株式会社 の山尾優太郎さんにおうかがいしました。

ドライブに適したサングラスの条件とは

「サングラス」と一言で言っても、ドライブ用をはじめ釣り用やランニング用など、さまざまなタイプがあります。それでは、クルマの運転に最適なサングラスとはどんなものなのでしょうか。
「クルマの運転用グラスには、『可視光500~600nmでの分光透過率が、可視光線透過率の20%未満または信号視認性に問題がある場合は運転不適合である』という条件があります」と山尾さん。

可視光とは人間の目に見える色のことで、およそ380~780nmまでが範囲なのだそう。

可視光線の範囲。信号が「緑(青)・黄・赤」なのは、可視光線の範囲内でも特にはっきりと見える種類の色だからです!
可視光線の範囲。信号が「緑(青)・黄・赤」なのは、可視光線の範囲内でも特にはっきりと見える種類の色だからです!

「サングラスの可視光線透過率、つまりレンズが目に見える光(可視光)をどのくらい通すのかを基準として判断します。日本人の黒い瞳は、欧米人の青い瞳に比べてまぶしさを感じにくいと言われているため、そこまで色の暗いサングラスを選ぶ必要はありません。また、あまりに暗い色のサングラスでは、トンネルや日陰に入った時の光量の変化で景色が見えにくくなってしまい、事故などのトラブルを招きかねません。これらを踏まえると、25%~45%くらいのものが使いやすいと思います」

「調光レンズ」と「偏光レンズ」のどちらを選べばいいの?

サングラスには、「調光レンズ」と「偏光レンズ」といった機能がついているものもあります。ドライブに適したレンズ機能はあるのでしょうか。

「調光レンズは、紫外線量に反応してレンズの色が変化するものが多いです。紫外線が強い屋外では濃い色へ変化して光を遮りますし、紫外線がほぼない屋内ではレンズが薄い色へ変化して光を取り込みやすくなります。対して、偏光レンズは眩しいと感じる反射光をカットする働きがありますので、水面や路面のギラギラとした光をおさえてくれる効果があります」

紫外線量で視界の明るさを調整してくれる調光レンズなら、天候にも左右されずに便利に使えそうですが、実は、ドライブで使う際には注意が必要だそうです。

「最近のクルマのウィンドウはUV(紫外線)カットされているものが多いため、窓を閉めた車内では、紫外線に反応する調光レンズの色は変化しません。自転車やランニングなど屋外で使用するものなら調光レンズも有効ですが、ドライブで利用するなら偏光レンズのものをおすすめします」

自分にフィットするサングラスの選び方

せっかく新しいサングラスを購入しても、使うと頭痛を引き起こしやすくなったりすぐにズレてしまったり、「なんだか使いづらいな……」と感じたことはないでしょうか。クルマの運転は、無意識のうちに集中力や体力を消耗しているもの。少しの違和感がストレスへつながります。
そこで、山尾さんには自分にフィットするサングラスの選び方についても教えていただきました。

「頭や顔の形にフィットすることが一番大切ですから、必ず試着してから購入してください。まずは、装着した時にこめかみに圧迫感がないか、左右に振っても動かないかを確認します。さらに、まばたきをしてみて、グラスにまつげが当たらないかも確認しましょう。大丈夫そうであれば、最後ににっこり笑ってみてください。口角を上げた時に、頬骨がサングラスの縁にあたってずれないものであればOKです。最近では、軽量タイプのものや柔らかいフレームのものなど、長時間かけても疲れにくいサングラスもありますので、素材も選んで購入するといいですよ」

ドライブでは一瞬の気の緩みが命取り。フィットしないサングラスは事故のもとですから、形ばかりを気にするのではなく、しっかり試着して自分に合うものを選びましょう。

最適なサングラス選びは優秀ドライバーへの第一歩!

山尾さんいわく、「サングラスは、光を遮る以外にもドライバーに大切な効果を与えてくれる」とのことです。

2018年4月に行われた全日本ジムカーナでは、前人未到の100勝目を手にしたレーシングドライバーの山野哲也さん。
2018年4月に行われた全日本ジムカーナでは、前人未到の100勝目を手にしたレーシングドライバーの山野哲也さん。

「日本が誇るレーシングドライバーの山野哲也さんの言葉ですが、『クルマの運転は、認知・判断・操作の3段階で行われているが、その前段階には予測という段階がある。優れたドライバーはこの予測と認知の能力が高い』と言います。ドライブ中に適切なサングラスをかけることで、この予測・認知の能力を補うことができるんです」

サングラスを装着することで視界がクリアになれば、レーンキープ操作もしやすく、また、路面の状態もつかみやすくなるとのこと。いざという時に備えた予測力と素早い認知力で運転ができることが、「優秀なドライバー」の第一歩なんですね。
みなさんも自分に合ったサングラスを装着して、安心安全な夏の楽しいドライブへお出かけくださいね!

<監修>

山本光学株式会社
スポーツ第一事業部 山尾優太郎
https://www.swans.co.jp/

(取材・文:ヤマウチカズヨ 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

[ガズー編集部]

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