歴史的な名車が全力で走る!第60回「SHCC ミーティング at 大磯ロングビーチ」

SHCC(湘南ヒストリックカークラブ)は、湘南エリアを中心に活動する古いクルマのカークラブ。その歴史は古く、カークラブとしては最古の部類に入るといっていいでしょう。年に2回、大磯ロングビーチで行われるジムカーナ大会を中心とした「大磯ミーティング」は、10月28日(日)に行われた2018年秋の回で、60回目となる節目を迎えました。

ザガートとロータス・エリートがテーマ車

参加資格は、1969年までに生産された車両とその同型のレプリカ、それと主催者が認めた車両。「戦前~60年代の車の運動会」と題された今回は、さまざまなヒストリーを持つクルマ(中にはレーシングカーも!)が128台も参加していました。同イベントでは毎回「テーマ車」が決められており、今回はザガート車、ロータス・エリートがテーマ車に。

本部前やフリーマーケットのそばには、色とりどりの美しい「ザガートの作品」であるアルファロメオが展示され、ジムカーナのエントリーリストにもまたその名が連なります。エリートは到着が遅れたのか、お昼の休憩時にちょうど隊列を組んで会場入りし、参加者や見学者の視線を奪っていました。

歴史的な名車が全力で走る!

全日本ジムカーナ選手権PNクラスのドライバー、道下貴広選手によるデモランが行われるとジムカーナがスタートし、クラス分けされた車両たちが順次スタート。往年の名車やスポーツカー、そして戦前のおよそ普通にはあまり目にしないようなクルマまでが、ここでは本気で走ります。

もちろん、ほかのイベントでも走る姿を見かけることはありますが、その多くは公道であるため、交通法規を順守した走りです。しかし、クローズドな空間で行われる競技であるため、そうした貴重な車両も全力で走ることができるのです。こんなにも歴史的な名車たちが本気で走る姿を見られる機会は、なかなかないでしょう。

90年前の英国車のオーナーはなんと20代!

上の写真のクルマは、「リー・フランシス12/40 Pタイプスポーツトゥーラー」という英国製の戦前のクルマ。御年90歳という、大変に貴重なクルマです。それだけであれば「なるほど」と終わってしまいそうですが、なんとオーナーはまだ20代の若者でした。

聞けば、このほかにもまだオースチン・セブンという、やはり戦前のクルマをお持ちだとか。リー・フランシスを手に入れた理由を聞いてみると、「セブンは2人乗りなので、4人乗れるクルマが欲しかった」とのこと。その理由にも唖然とさせられます。

もちろんただ所有しているだけではなく、自らメンテナンスも行い、トラブルにも対処します。この日も、午前の走行で不調になると自ら手を入れて調整し、午後には調子を取り戻してその走りを見せてくれました。いやはや末恐ろしい若者が現れたものです。

この日は、このリー・フランシスを使ったもうひとつの企画がありました。歴史あるSHCCは、当然クラブの参加者の中にも長くクルマを愛されてきた方がいらっしゃいます。この日は90歳だという男性が参加されおり、この方がリー・フランシスをドライブし、ジムカーナを走ったのです。

90歳のドライバーが、90年の年月を過ごし生き抜いてきたクルマを操る。きわめてクローズドな場所であるとはいえ、「この歳でもこれだけの走りができるのだ」と見せつけるようにミスコースもなく、決して運転しやすいとは言えないはずの戦前車を美しく乗りこなしておられました。

次の世代が紡いていくことを期待して

会場内ではボーイスカウトの少年少女が、難病と闘う子どもたちの夢をかなえる手伝いをする国際的ボランティア団体「メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン」の募金活動を行っていたのですが、お昼の時間帯にはこの子たちにヒストリックカーを体験してもらう同乗走行も行われました。

見たこともない戦前のクルマに乗りパレードを行う子供たちの中には、スポーツカーによる全力のドリフトを希望して、大喜びで絶叫する姿も。こうした全力走行を希望する子の多くが女の子だったのは、なぜでしょうか。

60回を迎えたSHCC「大磯ミーティング」。今回も、さまざまなヒストリックカーがしのぎを削って疾走する姿が見られました。いかなるクルマであっても、走るために生まれた以上は「走らせてこそ維持する意味があるな」と、この会場にくるたびに感じさせられます。

また今回は、年配者と子供たちがともに楽しめるイベントであったことも印象的でした。親子や伯父と甥でダブルエントリーする参加者や、毎回見学に来てくれる中学生の少年たちの姿もあります。彼らが、古いクルマに乗るようになり、このイベントを紡いでいってくれることを願いたいものです。

▼SHCC(湘南ヒストリックカークラブ)
http://www.shcc.serio.jp/

(取材・文・写真:きもだこよし 編集:木谷宗義+ノオト)

[ガズー編集部]

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