あのトランスフォーマーが現実に! 乗用人型変形ロボットJ-deite RIDE登場

子どもの頃に憧れた合体ロボットや変形ロボット。「いつか、こんなロボットを操る時代が来るんだ!」と、胸躍らせていたはずなのに、大人になるにつれ、いつしかそれは「テレビやマンガの世界のこと」と思い込んでいました。
ところが子どもの頃に憧れた夢のため、たゆまぬ努力を積み重ね、巨大変形ロボットを現実のものへとしていく人たちがいます。今回はジェイダイト・ライド有限責任事業組合にお話を伺いました。

それは1人の少年の夢から始まった

全高3.7mの輝くブルーのボディー……J-deite RIDE (ジェイダイト・ライド)は最大2人までの搭乗が可能な巨大ロボットです。2足歩行のロボットモードからビークルモードへと変形し、クルマとして走ることもできます。その姿はアニメのトランスフォーマーそのもの。この巨大変形ロボットの建造の実現は1人の少年の夢が始まりでした。

株式会社BRAVE ROBOTICSの代表である石田賢司さんが、巨大変形合体ロボットの建造を志したのは、中学2年生の時。当時放映されていた、「トランスフォーマー」や「勇者ロボットシリーズ」などのロボットアニメを観て、「こんなロボットたちが実在する社会は必ず来る!」との思いを胸に描きました。ただ、そんな憧れを憧れのまま忘れ去ってしまうことは多いもの。しかし、石田少年は具体的な行動に出ました。独学でロボット技術を学びはじめ、大学進学にもロボット建造に必要な技術を学ぶことができる学校を選びます。大学在学中には何台もの小型ロボットを独自に制作、21歳の時には小型二足歩行ロボットを完成させ、さらに人型から自動車型へと変形させることにも成功しました。

着々とロボット技術を身につけていった石田さんが次に学んだのは自動車関連技術でした。「リアルトランスフォーマー」を実現させるためには、自動車について学ぶことも必要と感じたからです。それらの技術を結集させて完成させた7世代目の小型変形ロボットは小さいながらも変形をし、人型で歩き、自動車型でクルマとして走ることも可能としたものでした。そして、「変形」を制したロボットの開発は「巨大化」の段階へと向かいました。

3社協力の有限責任事業組合でさらなる開発を

石田さんは2014年に株式会社BRAVE ROBOTICS(ブレイブ ロボティクス)を設立、同年、アステラック株式会社とともに、巨大変形ロボットへの第一歩となる、全高1.3mの「J-deite Quarter(ジェイダイト・クォーター)」を建造します。2015年には2社で、全高約4mの変形ロボット「J-deite RIDE(ジェイダイト・ライド)」の共同開発を開始。さらに2016年、2社に三精テクノロジーズ株式会社を加えて、有限責任事業組合(LLP)を設立、開発を大きく進めていくこととなりました。株式会社BRAVE ROBOTICSがハードウェアの設計・製作、アスラテック株式会社が主にロボット制御システム「V-Sido」(ブシドー)によるソフトウエア開発、そして、「J-deite RIDE」で培ったロボット変形テクノロジーを活用して、アミューズメントパーク向けに変形ロボット型遊戯機械の事業化を進めるのが三精テクノロジーズ、という役割をそれぞれ担っています。
3社の協力の元、2018年4月、人間が搭乗できる巨大変形ロボット「J-deite RIDE」はお披露目を迎えました。

メカデザイン協力には「機動戦士ガンダム」の大河原邦男氏を迎えて

「J-deite RIDE」は二足歩行で移動する人型のロボットモードでは全高3.7m、自動車型のビークルモードで全長4m。2人まで乗れるコックピットからの有人操作と、無線・有線による無人遠隔操作ができます。
変形や移動などの技術の向上はもちろんのこと、ロボットとしての魅力を引き出すため、メカニックデザイナーの大河原邦男氏がメカデザイン協力として参加しています。

大河原氏は「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」「機動戦士ガンダム」「装甲騎兵ボトムズ」などのメカデザイン、また数多くの変形ロボットのデザインも手がけた、アニメーション作品における日本初のメカニックデザイナーです。

そして、いよいよ2018年5月5日、ツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)で開催された「ゴールデンウィーク ドキドキフェスタ ~働くクルマ大集合~」において、誰もが心躍らせたロボットアニメからそのまま飛び出してきたような雄姿が、一般公開されました。

一般公開日がこどもの日ということもあり、子ども連れの大勢の家族をはじめ、たくさんの人々が訪れたそうです。
一番の目玉である変形のシーンでは、子どもたちのみならず、昔、夢見たであろう大人たちからも、変形完了で毎回盛大な拍手が鳴り響きました。

また、「J-deite RIDE」は海外でも公開されました。2018年11月13~16日にアメリカフロリダで行われた「IAAPA Attractions Expo 2018」においても大きな驚きをもって迎えられたのです。

さらなる夢……巨大変形から合体へ

「J-deite RIDE」のお披露目を経て、有限責任事業組合(LLP)としては、もっと多くの人たちに巨大変形ロボットに触れてほしいとの思いから、量産化へと踏み出す一方、株式会社BRAVE ROBOTICSの石田賢司さんは、次の夢を展望しています。

「合体ロボットは少なくとも空を飛ぶ必要があります。それ以上の具体的な方向性は未定です。皆様の要望によって形づくられていくでしょう。いつか街中を全長2~10m程度のロボットが歩いているのが常識になって欲しいというのが私の希望です」(石田賢司さん)

現在のクルマのようにロボットが公道を普通に歩いている世界が訪れるのでしょうか。そんな光景が想像上のものではなくなるのは、そう遠い将来ではないように思います。

(取材・文:わたなべひろみ 編集:ミノシマタカコ+ノオト)

<取材協力>
ジェイダイト・ライドLLP (https://j-deite.jp/

[ガズー編集部]

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