トヨタの新たなスポーツブランド―『GR』誕生

TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)の名を冠した新たなスポーツブランド「GR」が発表された。これまでのスポーツグレード「G's」との違いは?ブランドに込められた想いとは?トヨタ自動車の新しいブランドをGAZOOがご紹介します。

GAZOOとGR

2006年10月。GAZOOに掲載されたインタビュー記事「GAZOO.comが目指すもの(記事リンク)」にて、当事トヨタ自動車の副社長だった豊田章男氏はこう語っていた。

「お客様と直接つながる接点を持ちたい」

のちにGAZOOからTGRが発生、その活動の中で熟成させてきた想いが「GR」ブランドとして結実。販売店を通して全国のお客様にお届けされる。11年の年月を経て、ついにお客様と直接接点が持てるまでになった、という想いがあるGAZOOとしてはどうしても応援に力が入ってしまう、という事をはじめにお断りさせいただきます。

レース生まれの新ブランド

トヨタ自動車が「もっといいクルマづくり」を実現するために、モータースポーツ参戦を通してクルマと人を鍛える活動が「TGR」。その名を受け継ぐGRブランドは、レースの現場で培われた技術と経験を元に、多くの方に楽しいと感じてもらえる「味」を追求。「クルマの楽しさ」を提案するブランドとして発表されました。ニュル24時間耐久レースやWRCなど、世界の最高峰レースに参戦してきたTGR発祥のブランドであれば、単純なスペックアップは容易に達成できそうですが、あえて「味」という感覚的なものを追求している点が非常に興味深いです。

  • 世界最高の耐久レース”ニュル24hレース”
  • 過酷なラリーの最高峰”WRC”

多くの人に楽しんでもらえるラインナップ

GRブランドはGRMNを頂点とした多彩な展開

ラインナップはハイエンドユーザー向けの「究極のスポーツモデル」として、少量限定生産される「GRMN」を頂点に、日常的にクルマを操る歓びが感じられる「GR」、ライフスタイルに合わせた車種選択ができる「GR SPORT」という幅広い構成が特徴。またGRオーナーでなくともマイカーに一味違う装いを与えられる、そんなアフターパーツを「GR PARTS」としてリリースする。様々なユーザー像に対応する広い間口が用意されたラインナップは、「より多くの方にクルマを楽しんでもらいたい」というメーカーの声が反映されているように感じます。

GRブランドはGRMNを頂点とした多彩な展開

操る歓びを最大化するチューニング

「人と違ったクルマに乗りたい」というニーズに応えてきた「G's」と比較すると、「GR」はより走りに寄せたチューニングが施されている印象。クルマの動きを総合的にレベルアップさせるボディ補強やサスペンション設定など、「気持ちよく走る」ために必要な部分に手が入れられている。「GR SPORT」はスポーティな外観などはそのままに、チューニングレベルを落とす事で扱いやすさを残した味付けに。機能性を追及したフロントフェイス「“Functional MATRIX(ファンクショナル マトリックス)”グリル」はいずれのグレードもブランドアイコンとして採用する。

  • “Functional MATRIXグリル”が外見の大きな特徴
  • 大口径エアインテークや、アンダースポイラーなど機能的なデザイン
  • ベースモデルとは違った存在感で人気を博したG’s

クルマ好きが集まる「拠点」も用意

GRブランドは2017年9月にまず7種類がリリース。ブランドの中核を成す「GR」はヴィッツ、より多くのユーザーに向けた「GR SPORT」はヴィッツ、プリウスPHV、マークX、ハリアー、ノア、ヴォクシーで展開。今後も続々と対応車種がリリースの予定。さらに「クルマ好きが集まる場所」として、全国のトヨタ販売店に「GR Garage」を設置。2017年度内に42店舗が立ち上がり、次年度以降も増やしていくという。ショップスタッフに気軽にチューニング相談をしたり、オーナー同士が集まって情報交換する「クルマ好きの拠点」―そんな場所を想像するだけでワクワクしてきます!

  • ヴィッツ GR
  • ヴィッツ GR SPORT
  • プリウスPHV GR SPORT
  • ハリアー GR SPORT
  • マークX GR SPORT
  • ノア GR SPORT
  • ヴォクシー GR SPORT

高度なチューニングが施されたクルマは、内容に見合った金銭コストや高い運転技術など、楽しむために必要な要素が多く、万人の共感は得られにくい側面がある。「GR」ブランドはハイエンドユーザーに向けたクルマを提供しながらも、チューニングレベルに依存しない「味」を追求することで、広い範囲のユーザーにクルマの楽しさを提供しようとしていると感じられました。そんなGRブランドの「味」とはどんなものなのか?今後もGAZOOではリリースされたモデルの詳細な特徴や、実際の乗り味をお届けする予定です。お楽しみに!

[ガズー編集部]