トヨタ アクア シート、ラゲージスペース 徹底検証

アクアのパッケージングにおけるポイントは、ハイブリッド用のバッテリーを後席座面の下に搭載していることである。従来のハッチバック型ハイブリッド車は同バッテリーをラゲージスペースに積むことが多かったが、それでは荷室容量が狭くなってしまう。しかしアクアは、そんなハイブリッド車のネガティブな要素を排除し、通常のコンパクトカーと変わらないユーティリティ性を実現しているのだ。

シートの形状とアレンジ

運転席および助手席

昨今のコンパクトカーとしては珍しく低めの着座位置としている。これは全高を低くすることで空気抵抗を減らして燃費を向上させる目的もあるが、低重心化による運動性能と乗り心地の向上を意図したもの。シートは大きなサイズで設計されていて、「L」がヘッドレスト一体型でそれ以外はヘッドレストが別体式となり運転席にはシート上下アジャスターも備わる。シート表皮は「L」と「S」がファブリック、「G」はスエード調ファブリック、「X-URBAN」は合成皮革とファブリックのコンビネーション。撮影車両の「G“ブラックソフトレザーセレクション”」はシートヒーター内蔵で肌触りのいい合成皮革となり、ひときわ上質だ。

後席

座面の下にバッテリーを置いていることが信じられないほどに、クッションの沈み込み感が絶妙で座り心地は良好。お尻が収まる位置をくぼませた形状は、着座姿勢が崩れるのを防ぐだけでなく、大腿(だいたい)部にかけてしっかりと体重を支えてくれる。天井は低いものの、プリウスと同程度の空間は確保されており、ひざまわりのゆとりもコンパクトカーとしては平均的な水準を保っているからファミリーユースにもしっかり対応できる。

ラゲージスペース

ラゲージスペース(通常状態)

荷室長は5人乗車時で722mm。奥行き、容量ともに全長4mに満たないコンパクトカークラスのトップレベルの水準で実用性は高い。床の低さも特筆すべき部分で、大型スーツケースを2個重ねて積める広さとしている。

ラゲージスペース(リヤシート格納時)

「L」を除き、左右6:4分割式のリヤシートを採用。格納方法は背もたれを前に倒すだけだから気軽に動かせ、奥行きは約1.5mまで広がる。倒した部分と床には段差ができてしまうが、販売店オプションの「デッキボード」を装着し、床面を底上げすれば、段差を軽減できる。

床下収納スペース

「L」を除きスペアタイヤはオプション設定で、パンク修理キットが搭載されている。スペアタイヤ非装着車は、スペアタイヤ積載用スペースを床下収納として使うことができる。