日産バイオレット…WRC参戦マシンのベース車特集

ラリーの最高峰であるWRC(世界ラリー選手権)において、トヨタはこれまでセリカやカローラ、ヤリスで戦ってきました。今回は、さまざまなWRC参戦マシンの中から、ラリー史に名を残す代表車種をピックアップ。そのベースモデルを週替わりで紹介します。

日産バイオレット

1977年にデビューした、型式名A10こと2代目バイオレット。トヨタのカリーナなどと市場を争う、ファミリーカー需要主体の小型車である。初代(型式名710)の曲線を多用したスタイリングから、710の先代にあたる510ブルーバードをほうふつさせる直線基調のデザインに一新。実際に輸出先の北米では“Datsun New 510”の名で販売された。

ボディーは当初は4ドアセダンと、オープンバックと名乗る3ドアハッチバッククーペの2種で、遅れて5ドアハッチバックを追加。また販売店違いの兄弟車であるオースターとスタンザが存在した。メカニズムはごくオーソドックスで、1.4リッターOHV/1.6リッターSOHCの直4エンジンで後輪を駆動。510や710の特徴だったセミトレーリングアーム/コイルの後輪独立懸架も、4リンク/コイルの固定軸に変更されていた。

WRCには1978年シーズンから4ドアセダンで参戦。優れた耐久性を武器に、1960年代から日産が得意とするサファリでは、1979年から82年まで4連覇を達成。メイクス選手権では、1979年から81年まで3年連続でダットサンが2位を獲得した。

[ガズー編集部]