【懐かし自動車ダイアリー】1983年(昭和58年)~クルマで振り返るちょっと懐かしい日本

ランチア・デルタS4
ランチア・デルタS4

1983年(昭和58年)| 自動車 ~ ハチロク、カルタスなどの魅力的な小型車が登場

ホンダがエンジンサプライヤーとしてF1に復帰。四輪の市販車を作っていなかった1964年に初挑戦して翌年に初優勝を果たしたが、1968年に撤退していた。復帰直後はスピリットと組むもはかばかしい成果を上げることができず、後にウィリアムズをパートナーに迎えてから快進撃が始まる。

世界ラリー選手権(WRC)では前年の車両規定変更を受けてグループBが本格的にスタート。プロトタイプスポーツカーによる戦いが繰り広げられるようになる。ランチア・デルタS4、プジョー205ターボ16などのモンスターマシンが競い合うが、ハイパワー化が急激に進んだことで死亡事故が続発。1986年にこのカテゴリーは廃止されることに。

トヨタ・カローラ/スプリンターが5代目に。初めてFFレイアウトを採用するが、スポーツモデルのカローラレビン/スプリンタートレノは従来どおりのFRを維持。AE86という型式名からハチロクと呼ばれ、現在でもドリフト愛好家の間で人気がある。しげの秀一のマンガ『頭文字D』では側面に「藤原とうふ店」の商標が記されたハチロクが活躍した。

9月に発売されたスズキ・カルタスは、小型車のノウハウが欲しかったゼネラルモーターズとの共同開発で生まれたモデル。アメリカではシボレー・スプリントの名で販売された。2代目となったダイハツ・シャレードは1リッターディーゼルエンジンを搭載。これは、ディーゼルとしては当時の世界最小排気量だった。小型車のジャンルで日本は確固たる存在感を示していた。

  • ホンダのF1挑戦は1983年からの第2期に黄金期を迎える。
    ホンダのF1挑戦は1983年からの第2期に黄金期を迎える。
  • プジョー205ターボ16
    プジョー205ターボ16
  • トヨタ・カローラレビン
    トヨタ・カローラレビン
  • トヨタ・スプリンタートレノ
    トヨタ・スプリンタートレノ
  • スズキ・カルタス
    スズキ・カルタス
  • ダイハツ・シャレード
    ダイハツ・シャレード

1983年(昭和58年)| 世相と文化 ~ 『おしん』と『オールナイトフジ』が高視聴率

前年に就任した中曽根康弘首相は、悪化していた日韓関係と日米関係の修復を模索。1月に相次いで両国を訪問した。防衛力強化を求めていたアメリカに対し、「日米は運命共同体」「日本列島を不沈空母化する」と発言。貿易摩擦解消に向けて日本国民にアメリカ製品を購入するように呼びかけた。レーガン大統領と意気投合して愛称で呼び合う「ロン・ヤス関係」を演出する。

ロッキード事件で起訴されていた田中角栄元首相に対し、10月に懲役4年、追徴金5億円の有罪判決が下る。田中が衆議院議員の辞職を拒否したことに野党が反発して国会は紛糾。解散総選挙が行われると自民党は過半数割れし、新自由クラブとの連立政権が成立した。

4月に東京ディズニーランドが開園。アメリカ国外では初のディズニーテーマパークで、1年で1000万人以上の入場者が訪れる。7月に任天堂が家庭用ゲーム機のファミリーコンピュータを発売。ゲームセンターでしか遊べなかった人気タイトルをラインナップし、1年間で300万台以上を売り上げた。

4月に始まったテレビ番組『オールナイトフジ』は深夜枠にもかかわらず高視聴率を記録。女子大生ブームの立役者に。デビューしたばかりの片岡鶴太郎やとんねるずも人気となった。NHK朝ドラは橋田壽賀子脚本の『おしん』。最高視聴率62.9%は日本のドラマ史上ナンバーワンである。

プレイバック1983年(昭和58年)

★アカデミー賞
『愛と追憶の日々』
★日本アカデミー賞
『楢山節考』
★NHK朝ドラ/大河ドラマ
『おしん』/『徳川家康』
★日本レコード大賞
『矢切の渡し』細川たかし
★日本ダービー馬
ミスターシービー
★日本カー・オブ・ザ・イヤー
ホンダ・シビック/バラード
  • ホンダ・シビック
    ホンダ・シビック
  • ホンダ・バラード
    ホンダ・バラード

[ガズー編集部]

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