次はGT富士だけど、その前に19号車のお2人は、どんな感じ?  ~スーパーGT 現場レポート~

こんにちは!今季、レクサスチームの19号車に速いと評判の高い、そして個性的な若手、山下健太選手が加入しました。開幕戦でレクサス勢の予選が振るわない中、2台のみQ2へ進出しました。そのうちの1台が19号車(国本雄資/山下健太組)。監督は、坂東正敬監督。マサ監督と言えば、いつも私におやつをくれることでも有名ですが(笑)、チームに加入した山下健太選手と、ますますお兄さんに見えてしょうがない国本雄資選手のことを伺ってみました。

(スーパーGT開幕戦にて)
(スーパーGT開幕戦にて)

-----------------ドライバーが代わりチームに変化はありましたか?
マサ監督:「富士の合同テストから、かなりチームの雰囲気もよくなりました。トップタイムを出したことも大きいですね。クルマのポテンシャルやタイヤ開発は、昨年よりもひとつ上の段階になりました。昨年のものをではなく、常に新しいものにチャレンジして新しい結果を得ています。」

-----------------レクサス勢、予選が奮わない中Q1を突破しましたが
マサ監督:「ウェットは、あまりテストできなく他メーカーと比較が難しいですが、テストでドライのパフォーマンスが良くトップタイムを出したのが国本選手だったので、今回Q2を国本に任せました。クルマのポテンシャルが非常に良いので、Q1担当の山下も余裕で通ると思っていたので、予想通りそうなりましたね。今年の予選のアタックは、誰と特に決めていなく、毎戦様子を見ながら僕が決めていこうと思っています」

(スーパーGT開幕戦にて)
(スーパーGT開幕戦にて)

-----------------山下健太選手は、速いドライバーですね
マサ監督:「全然まだまだですよ、自分が言うのもなんですが…。やっぱりGT500クラスのドライバーは、とてもレベルが高いです。レクサスのドライバーを見ればわかります。そのメンバーの中で速さを追求するだけでもダメ、“強さ”がないとレースには勝つことができません。フリーで走っていれば速さは評価されるかもしれませんが、ベテランドライバーの立川選手(立川祐路選手)を見ていて思いますが、抜かせないオーラも必要です。

レースは、そこも大事で、これからもっとGT500クラスで揉まれないと“強さ”は簡単には身に付かないと思います。山下が来て周囲から“山下速い”とみんなに言われます。速さだけでは、まだ無理です。速さと強さが5:5の同じ比率になった時、彼はとても良いドライバーに成長すると思っています。もちろん、これからの彼に期待しています」


-----------------今季、たくましさを感じる国本選手はどうでしょう?
マサ監督:「移籍していった関口(関口雄飛選手)が大半のセットアップを以前はやっていたので、今季は彼に任せるようになりました。振り返ってみて、昨年とクルマの比較ができるのが、もう彼しかいませんからね。クルマの状況を常に伝えないといけない立場になったので、365日、スーパーGTでもスーパーフォーミュラでも、とにかくクルマの事を考えてもらって、気づいたことを些細なことでも良いからすぐに伝えてもらい、時間を無駄にしないようにと考えています。もちろんのびのびやってもらって良いので、常に連絡を取れるようにと思っています。

関口がうちで頑張って、名門トムスに移籍しました。僕は僕なりにドライバーの仕事の環境を整えることは、得意だと思っています。タイヤ開発のベースをこれまで関口が作ってくれたので、あらたなミッションを国本に与え、横浜タイヤさんと一緒に頑張っています。昨年末のセパンテストから、人間というセンサーでタイヤを評価し、いかにそれをレースで実践していくか。それが、今後の彼(国本選手)の自信に繋がるはずです。あとは、山下の速さがプレッシャーをかけてくれれば、国本はますます良いドライバーに成長するでしょう。今、見ていて、うちに来てから、スーパーフォーミュラでもGTでも自信を持って走っていると感じていますけどね」

チーム体制が変わると、当たり前ですが諸々変化が起きます。それが良い方向に行くのか、マイナスになるのかは、先の事は誰もわかりません。努力しだい。スーパーGTは、団体競技と常に言っていますが、チームやドライバーのコンビネーションが崩れると、びっくりするくらい勝利から遠のいたりします。そんなチームも見て来たかな。

(鈴鹿合同テストにて)
(鈴鹿合同テストにて)

技術力だけでは勝てない、そこに巻き起こるヒューマンドラマ的な要素を探るのも好き。レーシングドライバーの「ミスターアドバン織戸学選手」をアドバイザーに迎えた19号車も期待ですね!若手の成長を一緒に見守りましょう!

(スーパーGT開幕戦にて)
(スーパーGT開幕戦にて)
(スーパーGT開幕戦にて)

そして、4月16日(月)、17日(火)に鈴鹿サーキットで開催された合同テスト。開幕戦が終わって間もない中、またこうしてGTマシンに会えるのはうれしいのですが、オフシーズンからタイトでおそろしいスケジュールに、各チームのスタッフのみなさんの疲労が心配になりました…。

テストメニューは、もちろんそれぞれ。シーズン入りましたのでさらに緊張感を持って…、内容はご容赦。憶測だけは素人ながら持ってテストを見ておりました…。ガチガチのピリピリの雰囲気。特にシャッターをおろしているGT500クラスのピット、空気を読んで近づきませんでした。カメラを持ってるから誤解されても困るし(笑)、いや、さすがに誤解されるほど知識もないか。

そして、リザルトをご覧になりましたか? ホンダさん速かったね。話題の100号車!尚貴くんとバトン選手(山本尚貴/ジェンソン・バトン組)。もうね、開幕戦で2位表彰台でしたが、話題だけではなく、かなり手強い一台ですね。迎え撃つ、2メーカーはどうなる?ペナルティーは出たものの開幕戦5位フィニッシュの23号車(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)の速さを忘れられない私。毎シーズン、実力と人気で引っ張る23号車ですから絶対見逃せないし、レクサス陣営は、開幕戦、気温に翻弄されましたが、次の富士はホームコース、ここは面子をかけて譲れない戦いとなるよね。今から、とりあえず天気予報が気になるところ…。気が早いけどね。という訳で、富士でお会いしましょう!またね!

[ガズー編集部]