【TMS特集】GAZOO編集部が選ぶ未来の愛車 未来を先取り!~電気自動車編~

「EV時代の到来は、すぐそこまで来ているのかも…」そう感じられるほど、東京モーターショー2017には、様々なタイプのEVが展示された。EVであるという以上に様々なキャラクターを持つコンセプトカーから、特に「愛車にしたら?」という目線で6台をご紹介。

●トヨタ TOYOTA Concept-愛i [コンセプト]

「愛車」を越えて「パートナー」となる存在…そんな未来のクルマを表現するのは、「TOYOTA Concept-愛i」。クルマとしての機能に加え、人工知能を活用して人を理解する技術「Learn」と、安全・安心の「Protect」、新しいFun to Driveの「Inspire」を提供する事で人とクルマがパートナーになるという、これまでとは違った関係性を目指している。ドライバーの感情を読み取り、眠気を感じている時は覚醒を促し、ストレスを感じている時はリラックスさせてくれる。2020年頃には一部の機能を搭載した車両で公道実証実験をはじめるというから、“その時”は意外と早く来るかもしれない。ただ、気になるのは中古車として購入した時か…。

<未来の愛車指数>
★★★☆☆
道具としてのクルマを超えた「パートナー」。これまでの価値基準では推し量れない存在は「愛車」の基準も変える?

  • 内外装が一体化したインパクト満点のスタイル。アメリカのデザイン拠点(Calty)でデザインされている。ドア(と呼んでいいのか?)の開閉方法もこれまでの常識を破るインパクトのあるもの。
  • 直線部分の少ない丸みを帯びたデザイン。「愛(i)」らしいという表現がぴったりだ。2020年頃に公道実証実験がスタートした時、どんなデザインを身に纏っているのか。考えただけでもワクワクする。

●三菱 MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPT [コンセプト]

EVを愛車とするなら、モーターがもたらす高トルクがベストマッチなSUVはいかがだろうか?「EVOLUTION」と言っても、多くの人々を虜にしたランサー・エボリューションではなく、三菱が得意とするEV技術と4輪制御技術を活かした「EVのエボリューション」なのだ。フロントに1基のモーターと、リアに新開発の「デュアルモーターAYC」を搭載したトリプルモーター方式の4WDシステムを採用。EVの特性を活かし、すべての速度域で意のままに操れる快適な乗り味を実現しているのだ。ランサー・エボリューションの時と同じく、舗装、未舗装路問わず速いのは間違いない。エボⅠ、エボⅡというように進化していけば伝説が再び…?

<未来の愛車指数>
★★★☆☆
最新技術がもたらす異次元の走破性。新しいEV時代に本格SUVを楽しみたいあなたへ!

  • ダックテール風のスポイラー(トランク?)がレーシーな雰囲気。凹凸のついた個性的なルーフデザインもユニークだ。このまま三菱のお家芸である“パリ・ダカ”(ラリー)の砂漠を走ってもさまになりそう。
  • ライトが上下に2つ並んだ特徴的なフロントマスク。力強いダイナミックシールドのデザインと相まって、エボリューションの名にふさわしい強力な目力を身につけている。

●ホンダ Honda Urban EV Concept [コンセプト]

新時代のスモールカーを提案するのは、ホンダ「Honda Urban EV Concept」。エクステリアは「ホンダDNA」を感じさせるクラシカルなもので、コンパクトなボディは小気味良い走りを予感させる。ソファのようなシート、テーブルのようなダッシュボード、ラグのようなフロアカーペットはまさにリビング。ゆったりと過ごせる自分だけの空間という雰囲気。EVになってもホンダはホンダ。クルマの没個性化なんてどこ吹く風か…まさにパーソナルスペース。こんなに楽しそうなEVが市販化されたなら、クルマの未来はきっと明るい。

<未来の愛車指数>
★★★★☆
クルマは小さな「自分の部屋」。そんな愛車への感覚はそのままに未来化されたようなクルマ。カスタマイズが楽しみ。

  • ドアはユニークな後ろ開き。シートと同じグレーで統一された内装にはモニターが設置され、一軒家のインターホンのような雰囲気。ミラーの代わりに後方の映像を映し出す。実用化が近そうな新技術だ。
  • ロー&ワイドな外観とは打って変わってインテリアはリビングのような心地良い空間。品の良いウッドで仕立てられたダッシュパネル上にはデスクトップパソコンのような大型モニターが設置されている。

●メルセデス・ベンツ コンセプトEQA [コンセプト]

メルセデス・ベンツのEV専用ブランド「EQ」の「Concept EQA」がアジアプレミア。ベンツファンの期待を裏切らない作り込みが明らかになった。モーターを前後に搭載し、システム最高出力は272PS。0-100km/h加速は約5秒というハイパフォーマンスカー真っ青の俊足っぷりだ。気になる満充電での航続距離は約400km。車格は現行Aクラスと同等のボディサイズ。数字だけを眺めていると先日デビューしたばかりの日産リーフと同等の数字=対向モデルとして意外と早くデビューか?と思ってしまうのは、うがった見方だろうか?高品質が約束されているコンパクトカーとして、登場が楽しみなモデル。

<未来の愛車指数>
★★★★☆
EVによる新時代でも存在感を放つモデルとなるか?まだまだ内容は未知だが、期待を込めて見守りたい1台。

  • ベンツらしい威厳を感じさせるデザインながら強烈な近未来感を演出。スリーポインティッドスター(ベンツのエンブレム)の周囲を覆う、ブルーの処理もユニークだ。いかにも電気チックなヘッドライトの光り方も印象的。
  • 一文字風のデザインが目をひくリアビュー。テールレンズにはヘッドライトと似た意匠が与えられている。フロントと同様、リアにもブルーをあしらったバンパーを採用。

●フォルクスワーゲン I.D. BUZZ [コンセプト]

かつての名車、フォルクスワーゲンタイプ2(通称ワーゲンバス)好きにはたまらない1台。2つのモーターを使用した4輪駆動のEVにもかかわらず、ルックスはまさに現代に蘇ったワーゲンバス。EVはとかく未来的なルックスを纏って登場することが多いので、過去のモデルをオマージュしたEVは逆に新鮮。I.D.BUZZは新しさと懐かしさが同居する、EVの新たな魅力を開拓してくれるモデルだ。床下にリチウムイオンバッテリーを搭載し、航続距離は最大600km!静かなEVシステムのおかげでお互いの声が聞こえやすく、広い室内でも家族や同乗者との会話も弾む予感。

<未来の愛車指数>
★★★★★
このキャラクターが好きな人には確実に「愛せる」1台。愛車として長く続くEVになる予感。

  • 見晴らしの良い運転しやすそうなドライビングポジション。ステアリングはスポークのない四角いもので、そのまま奥に収納されそうなデザイン。自動運転モードの搭載をアピールしているのだろうか?
  • 明るく広々としたキャビン。フローリング調の床もアットホームな雰囲気だ。撮影時は広報担当者がスマートフォンを操作してドアを開閉していた。市販化の折に同様の技術が搭載されるかは定かではないが、気になる装備だ。

●Audi Elaine concept(アウディ エレーヌ コンセプト)[コンセプト]

ハイテクカー好き必見の1台。車名は「エレーヌ」。パワーユニットはフロントに1つ、リアに2つ搭載されたモーターで、お得意のクワトロシステムを介して4輪を駆動する。リチウムイオンバッテリーを床下に搭載し、最大航続距離は500km。しかし、驚くのはまだ早い。「Audi AIハイウエイパイロット」という高度な自動運転機能が備わっており、130km/h以下(高速道路)であれば、車線変更を含む操作をシステムが行ってくれるのだ。EVと自動運転という未来の重要なキーワードを満たした1台。2019年には欧州で導入が予定されているから楽しみだ。

<未来の愛車指数>
★★★★★
今回出展のEVの中では一番具体的な説得力を持つEV。「新しいモノ」好きな人の生活を変えてくれるかも?

  • 最新テクノロジーが満載されているモデルとあって、インテリアも超個性的。メーターはもちろんのこと、各部がデジタル化され、ドライバーに瞬時に必要な情報を提供する。中央の大型のモニターは自動運転に関連したものか?
  • 助手席正面のダッシュパネルにもモニターが。時計の右側には天気予報と思われる表示があり、ドライバーと各種情報を共有するためのモニターと思われる。今後のトレンドになる可能性は十分。

[ガズー編集部]