【スズキ スイフト RSt 試乗】昭和生まれの古い女と言われようが…岩貞るみこ

スズキ スイフト RSt
ますます、こ洒落てきた『スイフト』である。特に今回試乗した「RSt」(RSもだけど)は、グリルのなかに横一本の赤いラインが入っていて、実にシャープ。さらに新色で採用した赤が、ヴィヴィッドで混じりけなしの真っ赤で、女ゴコロを真正面から打ち抜いてくる。

赤は主張する色。攻撃色でもある。そしてこの赤は気品に満ちている。こんな赤を唇に塗ってみたいなあと、ふだんはリップクリームしか使わないくせに、妄想してしまう。

マイルドハイブリッドの燃費のよさに注目が集まりがちだが、私としては1リットルターボに注目したい。アクセルを踏み込むとエンジン音が車内に響き、同時に気持ちの良い加速感に包まれる。その動きがとてもリニアで軽快。体温までわずかに上がる感じで、ホットハッチは軽くなくちゃねと、しみじみ思う。

インテリアの質感もこのクラスにしては秀逸で、微妙に凹凸を効かせたデザインが、落ち着いた雰囲気を作り上げている。コンパクトカーは明るい車内が好まれてベージュや茶系も人気だが、スイフトの場合はかたくなに黒。勝負のポイントは色ではないという思いが伝わってくる。

大人っぽさの比率が高まってきたけれど、走らせると基本に忠実な楽しさを追及していることがわかる。昭和生まれの古い女と言われようが、私にはこの感覚がものすごく合うし、わくわくするのである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

(レスポンス 岩貞るみこ)

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