【MINI クロスオーバー 試乗】フットワークの軽さを如実に感じるFF…島崎七生人
試乗車はFFモデルの「クーパーD」。以前に試乗済みの4WDモデル(クーパーSD ALL4だったが)との車重差は実に90kgある。FFのほうがフロント40kg、リヤ50kgそれぞれ軽く、当然ながらその影響は如実に感じられた。
1番の違いはフットワークの軽快さだ。クーパーSD ALL4の重厚さをイメージして乗ると、走り出した瞬間から、まるで別のクルマのような身軽さを感じる。ステアリングを切り込むと素直でなめらかな反応を示すし、乗り味も軽快だが、決して軽々しくなくしっとりとしたもので、もちろんゴツついたりしない。もはや切ればグイグイと曲がったクラシック・ミニ時代からの“ゴーカートフィーリング”とは別世界。だが現代的な洗練されたセンスでまとめられたファンなハンドリング、フットワークといったところか。
150ps/330Nmの2リットル4気筒ツインパワー・ターボ・ディーゼルも、フットワークに見合ったパフォーマンスを発揮する。シフトレバーつけ根にモード切り替えスイッチがあり、これを“SPORT”に切り替えると、加速時の速さ、スムースさ、レスポンスが明らかに増すのが体感できる。が、その応答性も決してアクセルワークに対し破綻を来すようなことはなく、ジワリと踏み込むと気分よく“増強モード”が楽しめる…そんな感じだ。
ドアシールが2重になっていたりして、アイドリングから走行中まで、エンジンノイズ、振動もまったく気にならない。このあたりの快適性のレベルの高さは「ああ、今までより1クラス上のクルマを目指したのだなあ」と実感させられる部分だ。
居住性はよく、とくに後席は、シートクッションが“フカッ”としており、頭上、横方向ともに余裕のある空間が快適だ。
ダイヤ型パターンのステッチが施された革シートは、まるでベントレーか何かの超高級車を連想するハイクラスな雰囲気。室内のフィニッシュレベルもより高まった印象で、タッチパネル方式のナビ画面や電動パワーシート、手を使わずに開けられるバックドアなど装備レベルも申し分ない。そのバックドアを開けラゲッジのフロアボードを持ち上げると、中から引き出して使うクッションが備わる。ここに腰かけて、どこか景色のいい場所でコーヒーでも飲みたい…そんなゆったりと過ごす暮らしの1シーンを連想させてくれる心弾む装備のひとつだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
1番の違いはフットワークの軽快さだ。クーパーSD ALL4の重厚さをイメージして乗ると、走り出した瞬間から、まるで別のクルマのような身軽さを感じる。ステアリングを切り込むと素直でなめらかな反応を示すし、乗り味も軽快だが、決して軽々しくなくしっとりとしたもので、もちろんゴツついたりしない。もはや切ればグイグイと曲がったクラシック・ミニ時代からの“ゴーカートフィーリング”とは別世界。だが現代的な洗練されたセンスでまとめられたファンなハンドリング、フットワークといったところか。
150ps/330Nmの2リットル4気筒ツインパワー・ターボ・ディーゼルも、フットワークに見合ったパフォーマンスを発揮する。シフトレバーつけ根にモード切り替えスイッチがあり、これを“SPORT”に切り替えると、加速時の速さ、スムースさ、レスポンスが明らかに増すのが体感できる。が、その応答性も決してアクセルワークに対し破綻を来すようなことはなく、ジワリと踏み込むと気分よく“増強モード”が楽しめる…そんな感じだ。
ドアシールが2重になっていたりして、アイドリングから走行中まで、エンジンノイズ、振動もまったく気にならない。このあたりの快適性のレベルの高さは「ああ、今までより1クラス上のクルマを目指したのだなあ」と実感させられる部分だ。
居住性はよく、とくに後席は、シートクッションが“フカッ”としており、頭上、横方向ともに余裕のある空間が快適だ。
ダイヤ型パターンのステッチが施された革シートは、まるでベントレーか何かの超高級車を連想するハイクラスな雰囲気。室内のフィニッシュレベルもより高まった印象で、タッチパネル方式のナビ画面や電動パワーシート、手を使わずに開けられるバックドアなど装備レベルも申し分ない。そのバックドアを開けラゲッジのフロアボードを持ち上げると、中から引き出して使うクッションが備わる。ここに腰かけて、どこか景色のいい場所でコーヒーでも飲みたい…そんなゆったりと過ごす暮らしの1シーンを連想させてくれる心弾む装備のひとつだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
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