【VW ポロGTI 試乗】予想に反してジェントルな高性能ぶり…島崎七生人

VW ポロ GTI 新型
2005年以来、13年ぶりに「GTI」3モデルの揃い踏みだという。その時の最小版は『ルポGTI』で、当時の『ポロ』のホイールベースを短くし、俊敏な走りとキレ味のいいエンジンを山道で堪能できたのを今でも覚えている。

“最小GTI”が限定で登場した『up!GTI』で復活したのはご承知のとおり。そしてその兄貴分に当たるのが『ポロGTI』だ。『ポロ』自体は今年3月に最新型に生まれ変わったばかりで、早速の登場と相成ったGTIは、いわばすべてに最新スペックを纏ってきたモデルということになる。

エンジンは最新のベース車が3気筒の1リットルターボなのに対し、4気筒の2リットルターボで、200ps/32.6kgmの性能を誇る。先代は1.8リットルターボだったが排気量が拡大しており、実に『ゴルフGTI』と共通エンジン(スペックは異なる)が搭載された。

ならば……と気構えて試乗してみると、予想に反してのジェントルさがまず印象的だった。

車重はベースの3気筒車より130kg増えているものの、『ゴルフ』に対してコンパクトなボディはやはり武器で、山道なら切れば曲がる素直なハンドリングが楽しめる。特筆すべきは身のこなしは軽やかだが、決してハード方向ではなく、むしろジェントルでさえあるほどだ、ということ。

音・振動も抑えられボディ剛性も高いため上質感も上々。もちろん走行モードを切り替えれば、エンジン特性も含めスポーツ度は高まるものの、どの場面でもドライバーのアクセルやステアリング操作を裏切る(または期待値を下回る)ようなことがなく、高性能を気持ちよく堪能していられるのが特徴だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

(レスポンス 島崎七生人)

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