【BMW 3シリーズ 新型試乗】「走りの公式」は単純に長い広いが問題ではない…木下隆之
6代目となる新型BMW『3シリーズ』は、大きくサイズを拡大して登場した。街中に馴染む比較的コンパクトなボディを武器に人気を博してきた3シリーズが自らを肥大化させたことは、今後の方向性を物語る。
新型3シリーズの特徴はホイールベースが大幅引き伸ばされたことである。40mm延長されて2850mmとなった。左右にもワイドなった。43mmも拡大され、後輪の左右間は21mmワイド。ボディの全幅も25mm拡大。この堂々とした存在感の源は幅にある。
ただし、新型3シリーズは鈍重ではなかった。ホイールベースは延長してはいるものの、トレッドを大胆に広げることで、ホイールベース:トレッド比が1.78に抑えることに成功しているから、ディメンション的には鈍重ではない。走りの公式は、単純に長い広いが問題ではなく、長さと広さの比率が重要なのことを突きつける。
しかも、重心点は100mm低下。重心点低下によってコーナリングでの安定感が高まる。前後重量配分が50:50を実現。スポーツセダンとしては理想的な数値をキープしている。55kgものダイエットに成功している。
サスペンションも素晴らしい。電子制御アクティブサスはハードな走行に耐える。試乗車は2インチアップのタイヤを装着していたこともあり、乗り心地はかなり締め上げられている。走り優先なのだ。
Mスポーツデファレンシャルは、シャープなコーナリングを生み出す装置だ。ハンドル操作に鋭く反応し、グイグイとコーナーに切り込んでいく。
さすが1500万台を生産し続けてきたBMWの主力車種のことだけある。BMWは一切の手を抜かなかったばかりか、これからもべンチマークであり続けるつもりなことに違いない。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
木下隆之|モータージャーナリスト
プロレーシングドライバーにして、大のクルマ好き。全日本GT選手権を始め、海外のレースでも大活躍。一方でカー・オブ・ザ・イヤー選考委員歴は長い。『ジェイズな奴ら』を上梓するなど、作家の肩書きも。
(レスポンス 木下隆之)
新型3シリーズの特徴はホイールベースが大幅引き伸ばされたことである。40mm延長されて2850mmとなった。左右にもワイドなった。43mmも拡大され、後輪の左右間は21mmワイド。ボディの全幅も25mm拡大。この堂々とした存在感の源は幅にある。
ただし、新型3シリーズは鈍重ではなかった。ホイールベースは延長してはいるものの、トレッドを大胆に広げることで、ホイールベース:トレッド比が1.78に抑えることに成功しているから、ディメンション的には鈍重ではない。走りの公式は、単純に長い広いが問題ではなく、長さと広さの比率が重要なのことを突きつける。
しかも、重心点は100mm低下。重心点低下によってコーナリングでの安定感が高まる。前後重量配分が50:50を実現。スポーツセダンとしては理想的な数値をキープしている。55kgものダイエットに成功している。
サスペンションも素晴らしい。電子制御アクティブサスはハードな走行に耐える。試乗車は2インチアップのタイヤを装着していたこともあり、乗り心地はかなり締め上げられている。走り優先なのだ。
Mスポーツデファレンシャルは、シャープなコーナリングを生み出す装置だ。ハンドル操作に鋭く反応し、グイグイとコーナーに切り込んでいく。
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