【メルセデスベンツ GLE 新型試乗】「心地よいこと」に磨きをかけた高級SUV…島崎七生人
目下メルセデス・ベンツのSUVは『Gクラス』を筆頭に“GL系”はS、E、C、Aの4モデルが揃う。このうちアッパーミドルの『GLE』は『Mクラス』を前身にもち、2019年に『GLE』名義で初のフルモデルチェンジを受け、通算4世代目に進化したのが現在のモデルだ。
ここだけの話だが、唯一無二の四角い『Gクラス』とコンパクトな『GLA』を別にすると、“S”と“E”と“C”を(とくに前から見た状態で)瞬時に識別し車名で答えよと言われたら、レポーターはあまり自信がない。デザインの世代が揃ったことと、いい意味でだが、3モデルとも同等レベルの押し出し、存在感があるからだ。今は“E”と“C”にはクーペも加わるから、即答車名当てクイズの難易度は一層レベルアップしている。
とはいえ、実際に乗ってみると“違い”が歴然としているのだからおもしろい。初代の『ML』からずっと生産工場はアメリカで、そのせいか最新型の『GLE』も、走らせると、まずラグジュアリー、コンフォートといった言葉が思い浮かぶ。そんなベクトルは変わらず、心地よいことにより磨きをかけたことがヒシヒシと伝わってくる……といえばいいか。
エアサスでからひたすら静かでスムースなのは当然として、大小さまざまな入力のチェックが行き届き、その上で1940kgの車重ながらコーナリング時でもまったく安定した姿勢を保つあたりの味付けは感心するばかり。
「GLE400d 4MATIC Sport」の搭載エンジンは直6の3リットルディーゼルターボで、330ps/71.4kgf・mもの逞しい性能をもつが、通常走行ではおよそ持てる力をフルに発揮するような場面はなく、ディーゼルながらハミングするような低ノイズ/低振動で、余裕の動力性能を味わわせてくれる。
新たに7シーター化された室内は、1109万円のクルマだから当然のことながら上質な設え。いたずらに加飾をギラギラさせ過ぎないセンスにも好感がもてる。特等席は2列目で、スライドを始め各種調整が電動で叶い、まるで旅客機のビジネスシートのような快適な着座感と居心地が味わえる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
(レスポンス 島崎七生人)
ここだけの話だが、唯一無二の四角い『Gクラス』とコンパクトな『GLA』を別にすると、“S”と“E”と“C”を(とくに前から見た状態で)瞬時に識別し車名で答えよと言われたら、レポーターはあまり自信がない。デザインの世代が揃ったことと、いい意味でだが、3モデルとも同等レベルの押し出し、存在感があるからだ。今は“E”と“C”にはクーペも加わるから、即答車名当てクイズの難易度は一層レベルアップしている。
とはいえ、実際に乗ってみると“違い”が歴然としているのだからおもしろい。初代の『ML』からずっと生産工場はアメリカで、そのせいか最新型の『GLE』も、走らせると、まずラグジュアリー、コンフォートといった言葉が思い浮かぶ。そんなベクトルは変わらず、心地よいことにより磨きをかけたことがヒシヒシと伝わってくる……といえばいいか。
エアサスでからひたすら静かでスムースなのは当然として、大小さまざまな入力のチェックが行き届き、その上で1940kgの車重ながらコーナリング時でもまったく安定した姿勢を保つあたりの味付けは感心するばかり。
「GLE400d 4MATIC Sport」の搭載エンジンは直6の3リットルディーゼルターボで、330ps/71.4kgf・mもの逞しい性能をもつが、通常走行ではおよそ持てる力をフルに発揮するような場面はなく、ディーゼルながらハミングするような低ノイズ/低振動で、余裕の動力性能を味わわせてくれる。
新たに7シーター化された室内は、1109万円のクルマだから当然のことながら上質な設え。いたずらに加飾をギラギラさせ過ぎないセンスにも好感がもてる。特等席は2列目で、スライドを始め各種調整が電動で叶い、まるで旅客機のビジネスシートのような快適な着座感と居心地が味わえる。
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オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
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