【ベントレー ベンテイガスピード 新型試乗】公道では味わいきれない「635馬力の咆哮」…九島辰也
ベントレーのSUV『ベンテイガ』はラインナップの中でも人気のモデル。『コンチネンタルGT』がフルモデルチェンジしたことで二番手となったが、ラインナップ中のシェアは40%以上を占めている。そのベンテイガの人気グレードはV8モデルで、およそ8割。2000万円というベントレーブランドとしてはリーズナブルな価格設定が功を奏しているようだ。
そんなベンテイガのスペシャルモデルがある。『ベンテイガスピード』だ。昨年日本限定20台でその姿を現した。すでに多くの注文を受け、もう残り数台となっているそうだ。そんなモデルのステアリングを握る機会を得た。場所は都内と首都高速。あまり良い条件ではないがクルマのテイストはわかった気がする。
◆公道では味わいきれない635馬力の咆哮
スペックはお馴染み6リットルW12ターボで最高出力は635psを発揮する。スタンダードの12気筒エンジン+27psアップだ。最高速度はスタンダードの301km/hに対し306km/h、0-100km/h加速は4.1秒に対し同じく3.9秒に縮められる。まさに一つ上のハイパフォーマンスモデルだ。
ただ、今回の都内試乗ではその実力を味わうことはできない。サーキットにでも持ち込まない限り600psオーバーのエンジンスペックを体感するのは難しい。とはいえ、ドライブフィールに関しての違いはわかる。ベントレーらしく、レーシーな味付けはさすがだ。
例えばそれはアルカンターラを使ったバックスキン風ステアリングホイールからも感じられる。掌に触れる感覚はまんまレーシングカーで、気分が高まる。しかも、操作感は強くクルマの挙動が手にとるようにわかるのが良い。ステアリングレスポンスはスタンダードモデルよりもクイックなのだろう。
また、ドライブモードを“スポーツ”にするとベンテイガスピードの性格はさらに際立つ。シフトアップのタイミングが遅れエンジンが高回転まで回るのだが、その時のエキゾーストノートが絶妙。低速では野太い音が、高回転域では甲高い音が響き渡る。この辺の音のセッティングはハッキリ言ってレーシングカーだ。
◆ベンテイガV8+約1000万円の価値
エクステリアはサイドスカート、ルーフエンドスポイラー、ロープロファイルの専用ホイールが目に入る。これだけでも“攻め”の意欲を感じる。内装もレザーシートにSPEEDのロゴが刺繍されるなど凝っている。ダイヤモンドステッチで飾られたシートバックはラグジュアリーな世界を演出する。
ベンテイガスピードの価格は税込3000万円。ベンテイガV8+約1000万円となる。その差が大きいか小さいかは実際にステアリングを握らないとわからない。がしかし、言えるのはこのクルマはスペシャルだということ。なんたって“SPEED”の文字がついている。先代のコンチネンタルGTも2007年からハイパフォーマンスモデルに“SPEED”の文字をはめているが、その源は戦前の“スピードシックス”。要するにヘリテージモデルに対するオマージュなのだ。
となればこの価値もお分かり頂けると思う。ベンテイガスピードのドライブフィールにスポッとハマったら、あなたは“相当な”クルマ好きということになる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。『Car EX』(世界文化社刊)副編集長、『アメリカンSUV』(エイ出版社刊)編集長などを経験しフリーランスに。その後メンズ誌『LEON』(主婦と生活社 刊)副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。
(レスポンス 九島辰也)
そんなベンテイガのスペシャルモデルがある。『ベンテイガスピード』だ。昨年日本限定20台でその姿を現した。すでに多くの注文を受け、もう残り数台となっているそうだ。そんなモデルのステアリングを握る機会を得た。場所は都内と首都高速。あまり良い条件ではないがクルマのテイストはわかった気がする。
◆公道では味わいきれない635馬力の咆哮
スペックはお馴染み6リットルW12ターボで最高出力は635psを発揮する。スタンダードの12気筒エンジン+27psアップだ。最高速度はスタンダードの301km/hに対し306km/h、0-100km/h加速は4.1秒に対し同じく3.9秒に縮められる。まさに一つ上のハイパフォーマンスモデルだ。
ただ、今回の都内試乗ではその実力を味わうことはできない。サーキットにでも持ち込まない限り600psオーバーのエンジンスペックを体感するのは難しい。とはいえ、ドライブフィールに関しての違いはわかる。ベントレーらしく、レーシーな味付けはさすがだ。
例えばそれはアルカンターラを使ったバックスキン風ステアリングホイールからも感じられる。掌に触れる感覚はまんまレーシングカーで、気分が高まる。しかも、操作感は強くクルマの挙動が手にとるようにわかるのが良い。ステアリングレスポンスはスタンダードモデルよりもクイックなのだろう。
また、ドライブモードを“スポーツ”にするとベンテイガスピードの性格はさらに際立つ。シフトアップのタイミングが遅れエンジンが高回転まで回るのだが、その時のエキゾーストノートが絶妙。低速では野太い音が、高回転域では甲高い音が響き渡る。この辺の音のセッティングはハッキリ言ってレーシングカーだ。
◆ベンテイガV8+約1000万円の価値
エクステリアはサイドスカート、ルーフエンドスポイラー、ロープロファイルの専用ホイールが目に入る。これだけでも“攻め”の意欲を感じる。内装もレザーシートにSPEEDのロゴが刺繍されるなど凝っている。ダイヤモンドステッチで飾られたシートバックはラグジュアリーな世界を演出する。
ベンテイガスピードの価格は税込3000万円。ベンテイガV8+約1000万円となる。その差が大きいか小さいかは実際にステアリングを握らないとわからない。がしかし、言えるのはこのクルマはスペシャルだということ。なんたって“SPEED”の文字がついている。先代のコンチネンタルGTも2007年からハイパフォーマンスモデルに“SPEED”の文字をはめているが、その源は戦前の“スピードシックス”。要するにヘリテージモデルに対するオマージュなのだ。
となればこの価値もお分かり頂けると思う。ベンテイガスピードのドライブフィールにスポッとハマったら、あなたは“相当な”クルマ好きということになる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。『Car EX』(世界文化社刊)副編集長、『アメリカンSUV』(エイ出版社刊)編集長などを経験しフリーランスに。その後メンズ誌『LEON』(主婦と生活社 刊)副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。
(レスポンス 九島辰也)
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