三菱 eKスペース 新型試乗 背高でも走りはさすが!スーパーハイト軽のパイオニア…竹岡圭
自動車販売割合の約4割が軽自動車と言われて久しいですが、その中でもスーパーハイトワゴンは大人気。でもそのスーパーハイトワゴンのパイオニアが、実は三菱自動車だっていうこと、ご存知でしたか?
1990年に登場した『ミニカトッポ』の全高を、さらに7cm伸ばした『ミニカトッポスーパーハイルーフ』これこそ、スーパーハイトワゴンの元祖なんです。それだけにスーパーハイトワゴンをしっかり走らせるためのコツみたいなものを、三菱はしっかり持っているのだと思います。
僭越ながら言わせていただくと、先代の『ekスペース』も、もうずいぶん前からのプラットフォームを使って作ったのにもかかわらず、これだけ上手く走らせられるのはさすがだなぁ~と、つくづく感心させられましたからね。今回はベースから新型だけに、かなりのものに仕上がっていました。
◆背高でもしっかり走ります
ちなみにこの手のクルマをしっかり走らせるのが、なぜ大変かと言いますと、軽自動車は規格により全幅の制約があるからなんです。そうなると、自然とタイヤの左右トレッド間も広げるのに限界があります。それなのに、背はミニバン並みに高いときている、だから大変なんです。
これがどういう状況かと言うと、例えば足を揃えて立っている時に、ふいに横からつつかれるのと、足を大きく広げて立っている時にふいに横からつつかれるのでは、身体のふらつき方って全然違いますよね。言うまでもなく、足を広げて立っている時の方が安定していて、ふらつきにくいと思います。
ハイ、もうおわかりですよね。スーパーハイトワゴンは足を揃えて立っている状態なんです。だから横風対応が厳しくなります。カーブを曲がるのも大変です。どうしたって、ふらふらしがちなんですよね。
それを何とかしているところがeKスペースの素晴らしいところで、私が試乗した日は、高速道路の吹き流しが真横にたなびくくらい風が強かったんですけれど、フラフラすることもなく、ハンドルを取られることもなく、急カーブで倒れこむこともなく、しっかり走ってくれました。
◆マイパイロットは2台先を見て余裕の追従
さらに、最新鋭装備もバッチリ装着されています。代表的なのは、高速道路同一車線運転支援技術=マイパイロット。今回カメラにプラスして、ミリ波レーダーを加えたことで、2台先のクルマの動きまでチェックするように進化しました。おかげで、よりスムーズに追従走行してくれるようになったんですよね。
余裕をもって予測してクルマをコントロールしてくれるので、クルマの動きが自然な分、不自然感が少なくなりラクに乗っていられるようになりました。軽自動車とはいえこのサイズになると、後部座席に人を乗せることも多いと思いますから、乗っている人みんなが快適というのは嬉しいポイントですよね。
またハンドルサポート機能もしっかり働いてくれるので、例えばお仕事帰り、少々お疲れモードで、ついつい漫然とした運転になってしまいがちな時や、小さいお子様にどうしても気を取られることの多いママにとっては、車線の中央を維持してくれるこの機能、とっても安心感の高い装備だと思います。
◆まるで新幹線のグリーン車のような快適空間
走りはもちろん、室内の使い勝手等々もバッチリです。注目は後部座席。言うまでもなくスペース的にもメチャクチャ広いんですが、その圧倒的な広さを生かして、320mmというクラストップのロングスライドシートを採用。もちろん、リクライニングも可能。さらに、いちばん後ろに下げてもまだ、荷物を積むスペースがあるくらい広いというのには、ちょっとビックリさせられます。
それだけ広いので、シートバックテーブルや、プラズマクラスター付きリヤサーキュレーター、リヤロールサンシェードなど、快適に過ごせる装備も至れり尽くせり揃っていて、新幹線のグリーン車にでも乗っているかの気分でくつろげること請け合いです。
しかもその後部座席に乗り込む際には、脚の動作だけで扉が開く、ハンズフリーオートスライドドアも装備されているので、大荷物を抱えて帰ってきたなんていう時はもちろん、ベビーカーに荷物に…なんていうママには、とっても嬉しい装備だと思います。
スライドドアの開口部も650mmと広く、乗降用の手すりも装備されていますし、乗り込んでも室内高が1400mmもあるので、お子様なら立ったまま着替えもできちゃうくらい広い。使い勝手面でも、かなり優れものと言えそうです。
◆長距離を走るならターボがおすすめ
さて、ラインアップ的には、NAエンジンとターボエンジン、それぞれに2WDと4WDが用意されています。正直なところ、2WDのNAエンジンモデルは、人も荷物もいっぱい積んでのロングドライブとなると、パワー的に少々物足りなさも感じるのも事実。長距離をよく走る方はターボモデルがオススメです。マイパイロットが装備されていますので、気持ちよくお出かけできると思いますよ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
竹岡圭|モータージャーナリスト、タレント
「クルマは楽しくなくっちゃネ!」をモットーに、さまざまな媒体で「喋って・書いて・走って」を実践する女性モータージャーナリスト。テレビのバラエティ番組のMCから、官公庁の委員まで、硬軟幅広く携わっている。モータースポーツでも、耐久レースやラリーレイドなど数々のレースに参戦、現在は全日本ラリー選手権に自らチームを立ち上げチャレンジ中。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J.)副会長。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
(レスポンス 竹岡圭)
1990年に登場した『ミニカトッポ』の全高を、さらに7cm伸ばした『ミニカトッポスーパーハイルーフ』これこそ、スーパーハイトワゴンの元祖なんです。それだけにスーパーハイトワゴンをしっかり走らせるためのコツみたいなものを、三菱はしっかり持っているのだと思います。
僭越ながら言わせていただくと、先代の『ekスペース』も、もうずいぶん前からのプラットフォームを使って作ったのにもかかわらず、これだけ上手く走らせられるのはさすがだなぁ~と、つくづく感心させられましたからね。今回はベースから新型だけに、かなりのものに仕上がっていました。
◆背高でもしっかり走ります
ちなみにこの手のクルマをしっかり走らせるのが、なぜ大変かと言いますと、軽自動車は規格により全幅の制約があるからなんです。そうなると、自然とタイヤの左右トレッド間も広げるのに限界があります。それなのに、背はミニバン並みに高いときている、だから大変なんです。
これがどういう状況かと言うと、例えば足を揃えて立っている時に、ふいに横からつつかれるのと、足を大きく広げて立っている時にふいに横からつつかれるのでは、身体のふらつき方って全然違いますよね。言うまでもなく、足を広げて立っている時の方が安定していて、ふらつきにくいと思います。
ハイ、もうおわかりですよね。スーパーハイトワゴンは足を揃えて立っている状態なんです。だから横風対応が厳しくなります。カーブを曲がるのも大変です。どうしたって、ふらふらしがちなんですよね。
それを何とかしているところがeKスペースの素晴らしいところで、私が試乗した日は、高速道路の吹き流しが真横にたなびくくらい風が強かったんですけれど、フラフラすることもなく、ハンドルを取られることもなく、急カーブで倒れこむこともなく、しっかり走ってくれました。
◆マイパイロットは2台先を見て余裕の追従
さらに、最新鋭装備もバッチリ装着されています。代表的なのは、高速道路同一車線運転支援技術=マイパイロット。今回カメラにプラスして、ミリ波レーダーを加えたことで、2台先のクルマの動きまでチェックするように進化しました。おかげで、よりスムーズに追従走行してくれるようになったんですよね。
余裕をもって予測してクルマをコントロールしてくれるので、クルマの動きが自然な分、不自然感が少なくなりラクに乗っていられるようになりました。軽自動車とはいえこのサイズになると、後部座席に人を乗せることも多いと思いますから、乗っている人みんなが快適というのは嬉しいポイントですよね。
またハンドルサポート機能もしっかり働いてくれるので、例えばお仕事帰り、少々お疲れモードで、ついつい漫然とした運転になってしまいがちな時や、小さいお子様にどうしても気を取られることの多いママにとっては、車線の中央を維持してくれるこの機能、とっても安心感の高い装備だと思います。
◆まるで新幹線のグリーン車のような快適空間
走りはもちろん、室内の使い勝手等々もバッチリです。注目は後部座席。言うまでもなくスペース的にもメチャクチャ広いんですが、その圧倒的な広さを生かして、320mmというクラストップのロングスライドシートを採用。もちろん、リクライニングも可能。さらに、いちばん後ろに下げてもまだ、荷物を積むスペースがあるくらい広いというのには、ちょっとビックリさせられます。
それだけ広いので、シートバックテーブルや、プラズマクラスター付きリヤサーキュレーター、リヤロールサンシェードなど、快適に過ごせる装備も至れり尽くせり揃っていて、新幹線のグリーン車にでも乗っているかの気分でくつろげること請け合いです。
しかもその後部座席に乗り込む際には、脚の動作だけで扉が開く、ハンズフリーオートスライドドアも装備されているので、大荷物を抱えて帰ってきたなんていう時はもちろん、ベビーカーに荷物に…なんていうママには、とっても嬉しい装備だと思います。
スライドドアの開口部も650mmと広く、乗降用の手すりも装備されていますし、乗り込んでも室内高が1400mmもあるので、お子様なら立ったまま着替えもできちゃうくらい広い。使い勝手面でも、かなり優れものと言えそうです。
◆長距離を走るならターボがおすすめ
さて、ラインアップ的には、NAエンジンとターボエンジン、それぞれに2WDと4WDが用意されています。正直なところ、2WDのNAエンジンモデルは、人も荷物もいっぱい積んでのロングドライブとなると、パワー的に少々物足りなさも感じるのも事実。長距離をよく走る方はターボモデルがオススメです。マイパイロットが装備されていますので、気持ちよくお出かけできると思いますよ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
竹岡圭|モータージャーナリスト、タレント
「クルマは楽しくなくっちゃネ!」をモットーに、さまざまな媒体で「喋って・書いて・走って」を実践する女性モータージャーナリスト。テレビのバラエティ番組のMCから、官公庁の委員まで、硬軟幅広く携わっている。モータースポーツでも、耐久レースやラリーレイドなど数々のレースに参戦、現在は全日本ラリー選手権に自らチームを立ち上げチャレンジ中。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J.)副会長。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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