69年9月に発表され、翌70年から市販開始されたDBS・V8は、70年代のアストン・マーティンそのものであり、またデイヴィド・ブラウン時代最後のモデルとして記録される。DBSと共通のボディに搭載された軽合金製90度V8・5340ccユニットは、67年にローラT70MkIIIに搭載されてニュルブルクリングとル・マンに出場した試作エンジンの発展型である。設計は先代までの6気筒と同じくマリック・タデックで、9.0の圧縮比とボッシュの機械式燃料噴射から330PS/5720rpmのパワーと40.1kgm/4500rpmのトルクを引き出した(実際は70年よりアストンはパワーとトルクの数値を公表しなくなったため推定値)。ギアボックスはZF製の5速MTが標準で、クライスラー製3速ATがオプションであった。シャシー関係はDBSと共通だが、6気筒版ではオプションだったパワーステアリングが標準装備された。外観上はワイアホイールに代わって履いた7Jのアロイホイール/GR70VR15タイヤで識別できる。車重は140kg近く増えて1727kgとなったが、5.3リッターV8のパワーとトルクはそれを補って余りあり、パフォーマンスは大幅に向上した。こうして70年代に向けての準備を終えたアストンだったが、その直後にデイヴィド・ブラウン傘下のトラクター部門の不振から経営危機に陥り、72年初めには25年間君臨したデイヴィド・ブラウンはアストン・マーティンを去った。以後、アストンのマークから彼の名は消え、車名からもDBのイニシャルが外された(93年にDB7で復活)。DBSの名を持ったV8モデルは72年までに405台が造られた。
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グレード名 | 型式 | 排気量 | ドア数 | シフト | 駆動方式 ※1 | 定員 | 燃費 ※2 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
(名称なし) | - | 5340cc | 2 | 5速MT フロア | FR | 4 | - | - |
1.ドライバーが任意で駆動を2輪・4輪を切り替える事が出来る4WDを「パートタイム」、車両の設定で常時又は可変又は切替えを行う事を主とするものを「フルタイム」として表示しています。
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