V8エンジンが搭載されたS2以降のコンティネンタルは、若干のパワーアップが施されたRタイプやSタイプなど6気筒時代のモデルとは異なり、アルミで架装されるスペシャルボディによる軽量化を見越してファイナルを速めた以外は、スタンダードのS2／S3と何ら変わらない仕様となった。Rタイプ・コンティネンタルでは、一部の例外を除いたほぼ全車にH.J.マリナー製の魅力的なプレーンバッククーペが架装されたが、S2／S3コンティネンタルではH.J.マリナーによるノッチバックのクーペ、パークウォード製のクーペ／ドロップヘッドクーペ（特にS3時代には4灯のヘッドランプが与えられ、有名な“チャイニーズアイ”がある）などボディのバリエーションが増えた。更に、S2／S3コンティネンタルは本来スポーツ版のコンティネンタル系ながら4ドアボディのウェイトが増え、H.J.マリナーの有名な“フライング・スパ－”（S1時代からのボディを踏襲）や、それに触発されたジェイムズ・ヤング製4ドアスポーツサルーンも製作されている。軽量なボディとハイギアード化されたファイナルで、空気抵抗の少ないボディが架装された車は200km/h近いマキシマムスピードを達成したといわれる。極めて豪華ながら、その性能は真のグランドトゥアラーであった。

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